比較三原則


久しぶりにバンドでレコーディング。

ドラム&ベースにギター、そこへパーカッションも加え、
リズム録音を終える。

いつものスタジオにて。

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狭い空間ではあるが、
それぞれが暗黙の了解で距離を取り、
お互いに向き合うこともなく
録っている音とただ向き合う。

演奏はシンプルに。
メロディーと言葉のメッセージを前面に
それぞれの音はその乗り物
走りは安定した方が伸びやかに歌える。

シンプルなラインを
いかに強く鳴らせるか?
決して気負わないこと
という課題に、気負う。

しっかりと弦を弾く
どうしても力が入ってしまうなら
力が入ったなりにしっかり鳴らせられるポイントを
つかむこと。

ここ数ヶ月の試行錯誤の結果が、
はてさてどう出たのか?

家にこもって、誰とも会わずに
ベースを弾いて
進歩後退どちらかもわからぬ試行錯誤
いや、思考停止?
いくらか実った部分もあるかも
でも、やった分だけ成就する
ってほど、世の中うまくいかないのが常。

「全身全霊でやらなきゃ伝わらないけど
 全身全霊でやったから伝わるとは限らない」
みたいなこと、フラカンの圭介さん著書『深夜ポンコツ』
その読売新聞の書評に掲載されていたこと、ホント納得。

あれだけ頑張ったんだから、で全て結実してたら
今頃集客数万人規模の億万長者になっているはず
全然そうならないけど、今もやめずにひーひーと
自分が心動かせるポイント見失わないよう、日々
不安や失望と戦いながら、いやーやっぱオレ最高
強がって言い聞かせて、
この感覚、わかるかなー、わかんないだろうなー
なんて余裕の表情も束の間、次第に
誰みたいに、誰彼だったら、と誰かと比べ始めて
吹き始める卑屈な風。ストップ the 卑屈 & 比較。

誰かと比べながら、そこで腕を競い合いながら
うまくなってきた、のも事実。
負けたくない、あいつこいつそいつ、みたいに
もっともっとやれるはず、ムムム、でも無理か
何あれ、できない、何これ、無理無理、そこから
自分なりに、糸口を、見つけながら、自分の道。

経験を積めば積むほど、見えてくる、人それぞれ。
何かに苛立ってしまう時は、大体誰かと比べてる時。

いかんよ君、いかんいかん。そんな時は大きな声で

持たない
作らない
持ち込ませない
な、非核三原則。

に倣って
妬み嫉み、
持たない
作らない
持ち込ませない
な、比較三原則。

Compared to what?
(何と比べてるの?)

たまたま手に取ったこのアルバムの
一曲目タイトルがそうだったことに
驚いてしまった。
(比べてんじゃないわよ!)
Roberta Flack「First Take」より。

日々は全てがファースト・テイク。
次に活かせても、やり直しはなし。

そのすべてが、糧になる。
思い切り、やるしかない。

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