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津港の夜 台南ミーの起源とその魅力

月明かりに包まれた台南は、古き良き街並みと個性的な文化が息づいています。特に美しさで知られる地元の秘境、月津港が今回の注目スポットです。この場所は美しい景色だけでなく、台南ミー(意麵)の発祥の地としても名高いのです。

ミーの起源にまつわるエピソードは様々あります。一つには、明の時代に福州から来た郑成功の兵士たちが、台南の塩水で初めてミーを作ったという説があります。このため「塩水ミー」または「福州ミー」とも称されています。また、その名の由来は、麺を力強くこねる際に出る「ミー」という音から来たとも言われています。そして、「玉子麵」は日本語の卵麺の意味で、時間と共に「意麵」と呼ばれるようになりました。

しかし、物語は黄忠亮という福州出身の男性なしでは語れません。彼は1923年に台湾へ移住し、地元の特産品である鴨の卵と当時配給されていた小麦粉を使い、全鴨卵でできたミーを作って生計を立てました。彼の技術は引き継がれ、弟子たちは自分たちの店を開き、それぞれの店が独自の特色と愛好者を持つようになりました。

ミーを作るためには、小麦粉、鴨の卵、アルカリ、塩を混ぜて硬い麺の塊を作ります。それを一定の厚さになるまで木棒で伸ばし、細長く切り分け、さつまいもの粉をまぶします。これが私たちがよく知る湿ったミーの作り方です。乾燥ミーを作るには、麺の塊を束ねて3-4日間日光にさらし、保存します。今日では、ミーの製造は半機械化、半手作業の方式になっていますが、その弾力ある食感は今も変わらず、美味しさを堪能できます。

一口ミーを食べると、滑らかな肉味噌、刻んだ肉、にんにくのジュース、醤油、もやしの組み合わせが口の中で広がります。その香ばしさと美味しさは忘れられません。ミーと一緒に提供されるもう一つの美味しい料理は「肉燕酥」です。サクサクのパイ生地に新鮮な魚のペーストと細切れの肉が包まれており、口の中で溶けます。これは塩水地区ならではの風味で、絶対に見逃せません。

台南の月津港のミーは、一口食べるごとに様々な物語が詰まっています。次の旅行の際は、ぜひここを訪れてその風味を体験してみてください。一口ごとにその独特の文化と美食の魅力を感じることができるでしょう。

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