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ドSな年下上司 ~凡ちか番外編 箱根の家4~


凡ちか番外編
箱根の家4 ドSな年下上司


ホテルの
受付業務の大半は
当時の私を含め
20代女子が多かった。

その中で、1人
30歳過ぎた先輩Mがいた。

笑顔も、話し方も優しくて
それでいて気さくな彼女が
私は大好きだった。


しかし、ある日事件が。

「あれ、
このお誕生日カード
置く場所を間違えてるよ。」

先輩Mに注意を受けた。

だが、私は

「それ、私やってませんよ。」
と笑顔で返事した。

これがまずかった。

先輩はとても嫌そうな顔をして

「あのさ、自分じゃなくても、
まずは、すみませんって
言えないの⁈
貴方のそういうところ、
可愛くないと思う!」

と、ゲキおこ。

先輩Mはそれから、私の目を見なくなり
フンッと口も聞いてくれなくなった。


私は、この急展開に
かなりの衝撃を受けた。

言い方が、まずかったのかもしれない。

でも、いきなり
よくわからない事で
キレられて、
驚きと悲しみのコンボをくらい
必死で涙をこらえた。


しかし、
こらえきれていなかったのだろう。
涙目である事に
上司が気付く。

上司といえど彼は
二十歳やそこらの
5つ以上も年下
の社員さん。

口と目つきが悪く、生意気。
あらゆる事に
上から目線で毒づいていた。


でも

仕事面では超がつくほど真面目で
上層部からも下からも信頼され、
何か困ったことやミスがあれば
すぐに対応、解決してくれ
働きやすい環境を
提供してくれる
頼もしい社員さんであった。


「どうしたんですか?」

と、尋ねられたので
事情を説明すると

「またか。あんのM。
あいつ、前にも違う女の子
泣かしてるんですよ。
気にしないでいいよ。
オレが、キツく言っておくんで。」

そう言って、
シフトもなるべく
2人きりで入らないようにしてくれて

「言っておいたから、もう大丈夫です。」

と事後報告もしてくれた。

その
普段の冷たさからのギャップたるや。

もう、
拝みたくなる。

その後、
先輩Mは私に
話しかけて来ることは
無くなったけれど
嫌な事される事もなかった。

ちなみに噂によると
お見合い失敗直後だったらしい。

まさかの八つ当たり!


今となっては、
彼女のおかげで、
彼のギャップを間近に見せてもらえたので
この出来事に感謝している。

自論ですが、女の職場を平和に保つには
女どもに舐められない男性が1人
居ると良き。

次回 山を舐めるな

次は、
チカ凡番外編の最終話
にしようと思います。

いつも読んでいただいてありがとうございます。



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