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つれづれ505

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だいたい1記事1,000字くらいです. 頭の中にめちゃくちゃ漂っている言葉たちを文章にしておいておく場所です.
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#詩

手作り絵本のお返しの歌

ファンの方のお子から僕の作った曲を聞いて絵本を描いてプレゼントしてくれたんですが,それがあまりに暖かく,お返しに歌を作ってしまいました.
↓ラジオアーカイブ

ラジオでも話したけど,おそらく聞いたであろう「水槽の中の城」という曲の詩には人魚の鱗という言葉は出てこないのに,この曲を聴いて思いついたのだから不思議だなと思った.
あと,絵本の中で「小さな結婚式をあげました」と書いてあって,なんかその表現

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hikaru

hikaru

光る

ただその意味を探る

手探り

見つかるものも見つからない



それぞれ手繰り寄せて

小指を結んで

約束をした

遠い昔

どこかの国でした約束

まだ守ってしまっている

誰に言われた訳でもないのに

鍵をかけた

鍵の場所を忘れた

それが自分を守ることだった

二度と開かない

知ってるくせに

光る

ただ光る

それが難しくなってしまいました

それでも

光る

光る

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催花雨について

催花雨について

「今開かれていないのならば,雨を降らそう

音に揺れて君は何になるのだろう

僕は首を長くして待っている

今開かれていないのならば,雨を降らそう

音に揺れて君は何になるのだろう

君にはなれない僕が言う

今開かれていないのならば,雨を降らそう

音に揺れても君は君でいればいいんだ

何かでなくても,どこにいても」

花が咲く頃に降る雨のことを指すようです.
同時にこの頃に降る雨に促されて咲く

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海になれたら

海になれたら

海になれたら

遠い星の光を奪うような

そんなことをしよう

そうしていつしか海は

揺らいでも消えない事だけが

事実としてそこに残る

佇む傍に魚たちの歌声が聞こえる

心は流れてしまった.

海になれたら

綺麗な月を歪ませるような

そんなことをしよう

地底深くに

希望の歌なんてなくて

ただなんとなくの繰り返しを

熱気と不明の好奇心と戦いながら

あるのはいつかの記憶だけ

想い

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うやむや

うやむや

まだ手放せない手紙に返事を書いた

何度も書いてはそれは山になった

いくつかの仮説から幽霊が飛び出して

悲しい夜から救ってくれる

花や星,月や愛,心に言葉,点線を書いて

切り取っては貼り付けて,もうわけがわからなくなって

それでも声が聞きたくて,遠くから呟いてしまう

小鳥がいれば,そこにはさえずりがあって,少し早くね,少しだけ早く

僕の近くに来てほしいなって,そう心に静かに水が滴って

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電灯

電灯

寝不足だけれど時間がないから,急いで起きて映画へ向かう.雨が降っていたけれどサンダルを履くのはどこかの誰かが「夏になった」と言っていたから.あと靴下履くのめんどくさかった.

遠くに行きたかった.でも行きづらくなったね.みんな口を塞いで変な顔している.今日も何者にもなれない者たちが鉄の箱に詰められて運ばれていく.どこへいくの?そんなものは知らないよ.傘が濡れていてズボンが濡れたけどどうでもいい.傘

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