面接官に伝えるべきは「これから」よりも「これまで」
人財サービス事業のうち、人材紹介業では、求職者の方に対し、たくさんの質問をしてその人の特性を見出し、仕事とマッチングする、という場面があります。
面接で大切にしていることをお伝えしようと思います。
※今回の記事はあくまでも個人的見解ですので、すべての会社の人事担当者がそうなのかは保証できません。
求職者からの自己PR
求職者の方によくあるのが、自己PRで過去の栄光をまずはじめに伝えることです。
定性的な、「仕事と向き合ってきました」「〇〇(上司や会社)に評価していただける仕事をしてきました」といったものから、定量的な、「売上〇〇を突破し、前年比〇〇%をクリアし続けました」「〇〇人のマネジメント経験があり、〇〇の成果を残しました」など。
これは決して間違いではありませんが、その能力を買っているからこそ(その情報が履歴書に書いてあったから)面接に進むことができたのです。
つまり、面接官はもうその情報は知っています。
さらに、「御社の事業に私の〇〇という得意分野がマッチする」「〇〇という点に魅力を感じ、ジョインしたい」など、これからあなたの会社で私はこんなことをやりたい、という話もよくあります。これも間違いではありません。しかし、あなたが入社してからやってほしいことは、面接官や会社が決めることであり、その適性を含めて見極めるための面接なのです。
これまでの成果を伝えるのなら
例えば、「〇〇というプロジェクトに携わり、業界平均を上回る〇〇人の動員を実現しました。実現にあたって最も困難だったことは〇〇です。このハードルを越えるため、社内外のスペシャリストと連携し、〇〇という施策を行いました。その結果、数値目標だけでなく、次のプロジェクトに繋がる関係性も構築でき、その後の業務も円滑に進むようになりました。」といったような(これはちょっと下手ですが(笑))、なぜ実現できたのか、具体的にどのように乗り越えたのか、を知りたいのです。
会社に貢献したいことを伝えるなら
これは正直かなり難しいです。面接を受けに行った会社へのこれからの貢献度をアピールしようとした場合、物差しがありません。はっきり言ってこれからこうしていきますだけでは判断のしようがないのです。
そのため、例えば「同業他社と比べ、御社は〇〇という分野でのトップランナーとして走り続けていらっしゃいます。私はこれまで異業種での経験しかございませんが、私の持つマネジメント経験が、御社の〇〇という分野をさらにドライブさせる起爆剤になり得ると考えております」とかでしょうか?
説得力があるようで特になにも言っていないのです。
もちろん、御社で一生懸命働きたいと考えています、という姿勢を示すことは大切ですので、そこは忘れないでください。
面接官が知りたいこと
私たち面接官が知りたいことは、
人生最大のミスと、そこからどのように挽回したか
人生で一番の困難だった経験と、それをどう乗り越えようとしたのか
チーム(団体、組織、クラスメイト、学校など)の中で自分の立ち位置はどうだったのか
といった内容です。
人間は過去を繰り返す
過去を覚えていない人は、過去を繰り返す運命にある、という言葉があります。私たちは、自分が経験したこと、実践したことを繰り返してしまう傾向にあります。重要なのは、過去に経験した困難や失敗に対し、どのように立ち向かっていったのか、また、乗り越えられなかった時にどう対処したのかです。
実際に新卒の就活をしていた時に私が話していたエピソードはこんな内容でした。
チーム(団体、組織、クラスメイト、学校など)の中で自分の立ち位置
これは、新しい組織の中でどのように周りとなじんでいくか、化学反応を起こしていくかを知るために聞きたい内容です。
組織の先頭に立つタイプなのか、2番手で先頭をサポートするタイプなのか、最後尾から全体を前進させようとするタイプなのか、周囲と同調して行動するのが得意なのか、一匹狼タイプなのかなど。
どれがいい、悪いかは別として、自分がどのタイプなのかを理解しておくことが重要です。その理解があれば、どのタイプにもなることができますから。
まとめ
長くなりましたが、まとめると以下になります。
これまでの経験は「どう乗り越えた、どう対処した」かが重要
これまで組織の中での立ち位置がどうだったかを理解しておく
そのうえで、面接先の企業で貢献できることを考える
お付き合いいただきありがとうございました。
誰かの転職活動、就職活動の役に立てると幸いです。
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