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【アジャイル】これこれ仕事から思うこと(第三章)

市谷氏の「これまでの仕事 これからの仕事」(略して「これこれ仕事」)を読んで思ったこと・感じたことを何回かに分けて書いていこうと思います。

第二章は昨日書きました。今日は第三章を読んで思ったことを書きます。

「想定どおり」から「未知の可能性」へ

目標を作ってそれを変えずに進んで行く方がいろんなノイズを排除して集中して仕事は進めていけるでしょう。そして決めたことに向かって走っている方が楽ですし安心感もあります。

しかし実際の市場もお客様も変わっていきます。そして想定したものの通りのプロダクトや計画がその通り行くことの方が少なくなってきています。神様や予言者であればできるでしょうけど…
想定からズレないことを前提として動いていた会社や組織が、どんどんと周りからズレていってるのが現状なのです。

適応の時間〜ふりかえりとむきなおり

想定どおりに突っ走っている問題は自分たちの周りの市場や環境を捉え直していないことにあります。捉え直すには意識して意図を持って立ち止まる必要があります。その立ち止まり、捉え直す場というのがアジャイルでの「ふりかえり」や「むきなおり」という場・機会なのです。

ふりかえり

ふりかえりの機会は、過去のことに基づいて現在を正して次をよりよくする活動の場です。本の中でのふりかえりの流れはふりかえりのプラクティスの一つ、YWT(やったこと・わかったこと・つぎやること)を例に挙げてます。
特にW(わかったこと)にネガティブ・ポジティブの感情を乗せるところが面白かったです。感情がポジティブに振れている場合、そこにはより良くしようとする推進力が働いていて、そこに何か改善のヒントがあるのではないかと捉えていくとよさそうです。

むきなおり

ふりかえりが過去から現在を正すのであれば、むきなおりの機会は、未来から現在を捉え直す場になります。
私の知っているむきなおりよりももう少し簡易的にこの本では語られていました。
まず「思いだし」をしてそもそも何を実現したかったのか・向かいたかったのか、そのために必要なことができているかを捉え、これまでの学びから次にどこに向かうのかを議論し、捉え直した向かう先にいくために何をするのかを明らかにしていきます。
ちょっと自分が驚いたのは、私が聞いていたむきなおりは1ヶ月か2ヶ月くらいで行うものと思っていましたが、この本ではむきなおりもふりかえりと同じくらいの頻度、週1回もしくは2週に1回行おうとしています。(1回1時間でもよいので)
この頻度でむきなおるのが本当に必要なのかは正直今の自分のおかれている状況では判断できませんでしたが、今の市谷さん的にはこの頻度でむきなおるべきと感じているのかもしれません。(この辺は市谷さんと話をしてみたいところ)

探索と適応をバックログに積んでいく

ふりかえりとむきなおりで適応が進むといずれ学びが少なくなり惰性で動く時期がくる。そうなると新たな領域に飛び出していく必要がある。越境である。越境するときには探索が必要になってくる。

越境のための探索、ふりかえりとむきなおりによる適応、これらもどのように組織やチームで取り組んでいくかである。これをこの本では探索のバックログ、適応のバックログとしてマネジメントしていく。バックログといえばタスク管理だがあつかうのはタスクではなく、探索と適応の活動そのもの。
探索バックログは仮説検証のテーマや切り口を挙げておき、適応バックログはどのような変化を生み出すかというものとそのための活動を挙げていきます。

探索すること、適応することを見える化することで最適化しきってしまわないことを示し続けるようにしていく(本の中では「探索適応欠乏症」になってないかをわかるようにしていく)ことで、常にプロアクティブに世の中を見つめ、未知の可能性へ取り組んでいくような状況に自分たちを置いておくのです。

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