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【仕事・マネジメント】ズルい質問

(今日もちょっと軽めのネタですみません…)
これを言っておけば、何となく指摘してやった感がでちゃう罠。

とにかく何か言わないといけないマネジャー

(これはうちのマネジャーのことではなく、一般的に)部下のアウトプットに対しては、何かしら指摘(もしくは文句)を言わないと存在価値が薄くなってしまうという意識があるマネジャーは、質問としてあまり価値のない問いかけの仕方をします。それは、

「それは具体的にどういうこと?」
「これだけだとわからない、具体的に説明して」

という「具体的に」という言葉を使いがちです。

これは自分自身も気をつけないといけないと思いつつ、脳みそを通らずに何かコメントせねばとなると、この「具体的に」という質問で乗り切ってしまいます。

数年前に部署にいた若手達の昇格試験の模擬面接で、面接官役をやったことがあります。面接する人達は自分の直接の部下なら色々聞けるのですが、部下では無い人だと細かいことがわかりません。もちろん、本番の面接官も同様だとは思います。

一通り経歴や今の役割、直近の成果、昇格したら何をしたいか?など説明を受けた後、質問タイムになったのですが、細かい内容がわからないので最初に口に出してしまったのが「概要はわかったらから、もう少し具体的に説明して」でした。

他の人に言われて気づいた「ズルい質問」

そうすると一緒に面接官役をしていたもう一人にこのように言われました。

「『具体的に』って何も考えずに誰でも言える、ズルい質問だよね」

そのとき自分でもハッとしました。
なるほど、確かにとりあえず「具体的に」といっておけば、言われた相手はとりあえずもう少し深く掘り下げた内容を説明してくれるでしょう。でもそれは本当に面接官が聴きたかった内容かわかりませんし、専門分野外だと深く聴いたところで理解が進むことは多くない印象です。

なかなかここまでズバッと言ってくれる人はいなかったのですが、「具体的に」という質問は、相手の話した内容に関わらず、誰にでも何も考えずに言える、「価値を生まない」質問だなと気づかされました。

とはいえ、私以上に細かいことを知らない本番の面接官対策としては、おそらく彼らも同じように「よくわからないから、もっと具体的に説明して」などと聴いてくるでしょう。なので(面接のとき限定で)相手の理解度うんぬんよりも、言われて即答で端的に答えるという練習は必要ではあったかなと思います。

「具体的に」と聴くときは、焦点も一緒に

だからといって「具体的に」という言葉を使わないで質問すべきだというつもりはないです。ただ、どこを焦点として具体的に説明して欲しいかは、質問者の方が本当に聴きたいところを一緒に示して、「具体的に」というべきです。

「〇〇ができるのはわかった。もう少し具体的にどういう成果に繋がるのか教えて」「××はどのような人に価値を提供したいのか、具体的なユーザ像を説明して」

とかであれば、まだ「具体的に」と聴いても、掘り下げる焦点が定まっているので相手も答えやすいですし、質問者側が本当に聴きたいところがどこかという意図も感じられます。

その場をとりあえず流してしまう、質問者側の脳みそを使わない質問は、相手が労力かけて説明させる分が無駄になってしまいます。
質問する側も、対話する時間というリソースを使っているわけなので、その場に価値を持たせるためにキチンとした質問力を持つべきなのです。


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