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【勉強・雑記】様々な側面の切り口に学ぶ

何かとネガティブな方に注目しがちですが、ポジティブな方から見てみよう。

行動経済学の勉強会での一コマ

以前、会社の中で行動経済学を有志で集まって勉強している話を書きました。

やり方としては、お題で挙げられている28個の行動経済学に関する用語を調べてきて共有するというものです。今回私が選んだのは「現状維持バイアス」でした。比較的有名どころですね。

現状維持バイアス(status quo bias)とは、未知のものや変化を受け入れず、現状維持を望む心理作用です。

https://www.sprocket.bz/blog/20220729-status-quo-bias.html

自分は商品企画や事業企画として新規系の事業やサービスをやってきたり、最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)の文脈で社内の風土文化変革、アジャイルによる仕事の仕方、新たな価値創出など、新しめでこれまで社内でも慣れ親しんでいないことなどをやることも多く、現状維持バイアスに悩まされていました。

  • 新しい事をやろうとすると「まだいいんじゃないか」と止められる

  • 良かれと思ってアプリのユーザーインタフェースを改善すると「何故変えた?前のままの方が使い慣れててよかった」とクレームを入れられる

  • アジャイルな働き方をしようとしても、やり方は変えたくないと言われる

  • 売れない商品なので止めるべきなのに、「せっかく作ったんだから…」と何とか売り方を考えろと言われる

など、自分自身も自分の周りでも起きていることなので、興味を持ちました。

どうしても「現状維持バイアス」の話を掘り下げていくと、ネガティブな部分ばかりに目が行きます。そんなとき、一緒に勉強に参加している方から、このような問いかけをいただきました。

「ネガティブなイメージが多いのは分かるけど、『現状維持バイアス』ビジネスの世界でポジティブに活用されているケースはあるの?」

ポジティブな面は考えた事がなかった

この問いかけ、私にとっては良い意味で衝撃でした。
自分自身、「現状維持バイアス」を調べる中でポジティブな面で調べたりしなかったのです。これもある意味、自分の中で無意識なバイアスがかかっていたのかもしれません。

その場で追加で調べる時間はなかったので、思いつく限りで「ポジティブな現状維持バイアスって何か?」をディスカッションしていきました。
ポジティブである、というところからビジネス的に売り手・買い手ともにメリットがあることを考えました。(サービスを解約したいのに、どこに行っても解約方法に辿り着けなくて諦めるようなダークデザイン的なことは除外しました)

  • メンテナンス契約をして同じメーカーの車に乗り続けている

    • そのメーカーとは3年契約のメンテナンスサービスを契約していてずっと更新している。お陰で調子が良くてなかなか買い換えしない

    • それは自分にとっては嬉しい。他社を検討することもない

    • 買い換えしたほうがメーカーとしては嬉しいはずだが、メンテナンスサービスで引き留めた方が他社に移らないからメリットがある

  • スマートフォンの2年で最新機種に買い換えできるプログラムサービス

    • スマートフォンを下取りして残債を相殺できる。ただし引き続き、次の2年も買い換えプログラムには加入しなければならない

    • 利用者としては2年経てば最新機種が使えるし、残債も消える。最近の通信会社には大きな差がないので、今のキャリアのままでよい

    • キャリアとしても離脱されないので嬉しい

一緒に勉強会をやっているメンバーの中で以上のような事例が「ポジティブな現状維持バイアス」かもしれないね、という話になりました。

複数の側面から考える大事さを知った

この勉強会では他にもいろんな行動経済学の用語を学べるので、とても有益な時間です。私が感じたのはそれ以上に、一緒に参加しているメンバーでディスカッションしたり、自分では気づけない新たな切り口で問いかけをしてくれたりと、一人で黙々勉強するよりも定着しますし、何より問いかけのお陰で新たな気づきも得られます。

コーチングでもアジャイルでもそうなのですが、自分の気づけていないことへの他者からの目、他者が気づいたことがフィードバックされると、急激に学びが進みます。(「ジョハリの窓」でいう「盲点の窓」ですね)
今後も暫く開催されるので、参加するのがとても楽しみです。


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