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中国製品を輸入してみませんか? ~実践編~

第二回に渡って中国製品を日本で使ってみませんか?
を熱心に書いてみました。

↓その模様はこちら↓
中国製品を輸入してみませんか?|株式会社JNG 江内谷(エナイダニ) (note.com)
中国製品を輸入してみませんか? ~其の弐~|株式会社JNG 江内谷(エナイダニ) (note.com)

そんなこんなで、実はつい先日、中国広東省広州市の工場巡りをしてきましたので、その一部をご紹介したいと思います。

中国広州の工場。
郊外で土地が比較的安いものの、交通の利便性は高い。

1,広東省広州市。

個人的な話ですが、人生2回目の広東省訪問になりました。
前回はトンボ返りのスケジュールだったのですが、今回は2泊3日。

広東省は中国の南部の省で、広州市はその省都(県庁所在地みたいなもの)です。
中国で特に発展が著しい湾岸都市のうち、北京、上海、広州はそれぞれ北、中、南部の超大都市とされています。
上海からは北京、広州へはそれぞれ飛行機で2時間強となり、まさに中国南部の代表都市です。

北京は政治、上海は金融の中心部で、広州は工場、製造業の中心部というイメージがあります。

ライトアップされた広州タワー。
工業地帯からは離れているが、中心部はさすが大都市といった感じ。

今回は、当然購買すべきターゲットの商品を事前に調査し、相手方とやり取りをしてから出発の計画を立てました。
広州は規模が大きく、かつ信頼できそうな工場がいくつもありました。

大都市ですので中心部の渋滞は北京や上海と同じくらいの劣悪なものでしたが、タクシーで1時間ほど郊外に出ると工業地帯が広がっています。

今回のターゲット商品は、サウナや温浴施設に関する商品でした。
2泊3日で6つの工場をめぐりました。


2,食は広州に在り。

その前に少し余談。

昔のコマーシャルであったように、中国を代表する食文化が有名です。
食は広州に在り、は中国でも「食在广州」と同じように言われています。

広東料理と言えば、なるほどと思われる方も多いかもしれません。
中国語では「粤菜」と呼ばれ、アワビやナメコといった海鮮や、鳩や鳥などちょっとしたゲテモノ料理。

味付けは少し控えめですが、手の込んだ料理が多いのも特徴です。
また、香港やマカオにも近く、古くから多くの文化を吸収できる土地柄も影響しているのかもしれません。

今回は少しドタバタで食を楽しむ時間がありませんでしたが、旅の記念にいくつか写真を添付しておきます。

流行っている大型店舗では厨房がオープン型。
海鮮を自らの目で見て注文できるのも、夜市っぽい賑やかさが増す。
餃子を黙々と包むスタッフさん。
海鮮も豊富に取り揃え、ダイナミック。

3,工場訪問をした理由。

今回の主要な目的は日本へ輸出できるような中国製品を探すことです。
具体的に製品のあれこれを書いていくことは難しいのですが、私の中でいくつかのポイントを書いていこうと思います。

SNSは勿論、テレビ会議も充実している昨今ですから、ビジネスにおいて、わざわざ直接現地を訪問する必要は少なくなってきました。

今回は、顔を合わせてご挨拶をしたかったこと、それに加え、この目で製品や工場を直接見ておきたかったことが大きな理由です。

整理整頓された製造過程のサウナヒーター。
世界各国に輸出をしているようでした。

常日頃工場見学ばかりをしている訳ではありませんが、今回訪問した数件の工場や倉庫で私のイメージが一変したものが一つ。

それが、工場内がとても清潔であることです。

発展途上国の工場をイメージしてください。
制服がバラバラだったり、工場内はゴチャゴチャしていて整理整頓ができていなかったり、危険な作業をしていたり。

今回の数件ではほぼそうした光景はありませんでした(番犬がいたりしましたが 笑)

会社の入り口には製品のモデルが出迎えてくれる。

中国での経験が長い私でも、特に中国は整理整頓ができていなかったり、段取りが悪いといったイメージもありましたが、よくよく考えればこうしたところも先進国になったなあ、と実感します。

冒頭でターゲット商品を書きましたが、依頼者のこともあるので全てをお話しするのは難しいのですが、かいつまんで今回の感じた経験を書いておきます。


4,驚いた対応のスピード。

出荷前の商品がずらり。
こちらの製造工場、日本だけでなく欧州向けの出荷が多いそう。

ビジネスで重要なものに、「価格、品質」が挙げられると思います。

もう一つ、中国ビジネスをしていると、これは日本企業が学ぶべきだなあと感じる部分があります。
それはレスポンスの速さです。

以前、感嘆させられた言葉があります。
 「日本人は立ち止まって考えて、正しい道を進む」
 「中国人は走りながら考えて、間違えたら元の場所に走って戻ってくる」

これは、まさに中国でビジネスを象徴している言葉です。

中国では特に、レスポンスの速さ、対応のスピードを取引企業に求める傾向があります。
顧客からの問い合わせなどで、ゆっくりと本部に確認していようものなら、何度も催促をされます。

同じように、こちらから要求をすればダメなモノははっきりと否定されますが、思わず唸ってしまうほどのスピードで満点回答を得られることもあります。

ただ、得体の知れない顧客に対しても同じような対応が得られるかはまた別です。
やはり直接顔を合わせ、場合によっては食事をしたり、お茶を飲んだりしつつお願いするのとでは、満足度の高い回答を得られやすくなるものです。

中国あるあるの接待スペース。
ここでお茶を飲んだり、商談をしたり。

さて、今回サウナヒーターの購入を画策していたのですが、ステンレスの囲いがやや太く、中のサウナストーンが非常に見えづらい仕様になっていました。

そこでこちらから、ステンレスの厚みを増やしたら囲いを細目にできないかと相談しました。
最初は「できないことはないだろうけど、、」という感じで、その場では前向きな返答が得られませんでした。

いくつかの製品を見学し、そろそろ帰ろうかというところでした。
作業服を着た責任者と思しき方が、あわただしく我々が談話していた展示室に入ってきました。
驚くべきことに、手にはその改良品がありました。

写真左はステンレスが薄いため中が見えにくかった本体。
右はステンレスに厚みを加え、一つずつの穴を広くしてくれた本体。

中国では対談中でも横入の電話を受け取ったり、メールをしたりということがよくあります。
特に忙しい社長さんになると、こっちの話を聞いているのか不安になるほど、度々スマホを覗き見ます。

今回も同様の光景で何度か席を外したりするので、担当の営業マンと話し合う機会ばかりだったのですが、どうやら席を外していたのは上記の要望を工場に伝えていたようなのです。

さすがのスピード感に驚きを隠せなかったのですが、社長は満足げな顔をされており、感謝を述べて工場を後にしました。


5,おまけ。

日本と比べ、中国でスケジュールを組み立てるのは大変な作業です。

アポイントをすっぽかされたり、移動距離も長いこともあり、交通機関に遅延が生じたり。

ゆとりを持ってスケジュールを組んだこともあり、結局最終日はフライトの時間まで少し時間が空いてしまいました。

我々以外のお客さんがいなかったため、撮影許可をもらいました。
どんだけ贅沢なのかと思わされる浴場スペース。

そこで足を運んだのが「お風呂屋さん」です。
これも中国出張の醍醐味の一つでもあります。

中国の温浴施設は寒い時期に人が集まります。
したがって、基本的に夏場は閑散期です。
日本では四季や気温によるで集客に差はほぼありません。

寒い時期にお風呂屋さんに行く、という文化を考えれば、中国の南部地方の広州市においては、あまり魅力的なビジネスとは言えないかもしれません。
実際に私自身、中国を飛び回っていた割りには、温浴施設の少ない広州市に訪れる機会が少なかったのです。

しかし、それでも巨大都市の広州ともなれば、比較的身近な距離の温浴施設が見つかります。

乾式サウナ、スチームサウナあり。
ほぼ貸し切り状態な上にロウリュウも楽しめました。

結論から言うと、
      広州のお風呂屋さんは「お風呂に入る」目的よりも、
  
長時間滞在して、「休憩、マッサージ、飲食など」、館内全体を楽しむ
        
といったように、目的が幅広いようです。

今回お邪魔した施設は市街地から1時間、空港からは20分ほど、郊外店でした。

フロントを通過すると、更衣室から浴場までが最短距離で、よくある中国の設計様式です。
ここまでほとんど人気がなく、これは相当経営的にマズい施設かな?と感じられていましました。

実際中国のローカル浴場施設は、導線が最悪で、経営計画も全く感じられないような酷いものが多く、ただっ広い浴場スペースに無駄に大きなお風呂があったり、設備維持費には相当無駄な費用がかかりそうです。

まあとにかく寂しいだけの浴場。
維持費だけで大変なことになりそう。

今回は人気がないお陰で、スタッフさんからは、写真に第三者が映り込まなければ浴場の撮影許可をもらったのでいいとして。
また、その辺の専門的な見解は、また別の機会に書いていこうと思います。


驚いたのは浴場以外のスペース。
休憩ルーム、マッサージ、それから入場料を支払えば飲食は基本無料というのは、よくある中国の運営システムです。

アルコール以外の飲料、果物も全て無料。

今回訪問した施設は2階に女性浴場、3、4階は上記のスペースとなっていて、5階はカラオケ、ビリヤード、キッズスペースや映画ルームなどが揃っているという、なかなか豪華なラインナップでした。
ワンフロア当たりの面積もかなり広めでした。

入場料は約200元(4,000円程度)と高めですが、場合によっては朝昼晩と3食を施設内で食べるなど、一日中滞在するケースが多いようです。

キッズスペースも十分な面積。
一日中滞在してもいいよ、という姿勢が見られる。

また、あれだけ閑散としていた浴場でしたが、施設全体では、平日の夕方でも在館人数で数百人は確認できました。

まあ、この規模感で数百人というのは決して儲かって仕方がないということはないでしょうが、夏に弱い中国の温浴施設の中では健闘している方だと言っていいのかもしれません。

それから、個人的にはこの暑い広州市という土地柄であっても、どういう目的かはそれぞれですが、温浴施設の経営が成立していることは嬉しいことです。
広州市であっても経営の考え方次第で儲かる施設はつくれるんじゃないかなあーなんて職業病のように観察をした次第でした。


6,メイドインチャイナをお考えの方へ。

ついつい最後に広州市の温浴施設談話を入れてしまい、話がややこしくなってしまいましたが、今回の広州出張、大変実りの多いものとなりました。

何と言っても自分自身が目で見て中国の工場施設の良さを理解できましたし、いくつかご依頼いただいた製品についても、見極めができれば製品としては十分日本でも使用できる手応えを感じた次第です。

営業担当の方が熱心に様々な設備品を紹介してくれました。

・闇雲に中国製品を当たって失敗した。
・安価製品に手を出したが、アフターフォローがなかった。
・製品品質のトラブルが起きて大変だった。
・興味はあるが販路がない。
・既に取引をしているが、今後について不安。

中国製品の採用については様々なトラブルを聞くところです。

ですが、何度も言うように中国製品のレベルは高まっており、またアフターフォローについても誠実な企業はあり、以前のように売りっぱなし企業はかなり減りました。
もちろん我々も、ただの通訳ではなく、お客様目線でバックアップを保証します。

中国製品採用でお悩みの企業様、是非一度ご相談いただければと思います。

~中国製品の購買代行、現地訪問や商談、通訳まで~
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お問い合わせフォーム – JNG (jng-chenqin.com)

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