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【エッセイ】文学フリマ広島に出店してきた

2022年4月17日、広島産業会館にて、第四回文学フリマ広島が行われた。文学フリマは「文学」に特化した同人誌即売会で、数年前から全国各地で行われている。

今回の文学フリマ広島で、noteで連載していた大喜利の人のルポルタージュシリーズ「アマチュア大喜利プレイヤー列伝」を、同人誌にして販売することにした。同人誌を購入する側として、文学フリマに来場したことはあるが、出店するのは初めてだった。

noteで書いている頃から、「製本して販売する」という選択肢は、頭のどこかにあった。文学フリマ広島が開催されるという案内のメールが届いた時は、数日間出店するかどうかを悩んだが、note以外の手段で形に残したかったし、大喜利文化を地方にも広めたいと思ったので、申し込むことにした。

同人誌を作るのも初めてだったので、他の同人誌を参考にしつつ、大幅に加筆修正を行った。noteでの連載は、大喜利をやっている人に向けてのものになりつつあったが、今回は「大喜利とは何ぞや?」という人にも届けないといけない。説明を足し、注釈を加え、個人名が大量に出てくる場面をカットした。

表紙と各章の扉絵は、島さんに依頼した。各プレイヤーのイラストはどれも個性的で力作だった。仮のイラストが送られてくるたびに、非常にわくわくした気持ちになった。

印刷所に依頼し、製本してもらった。立派な本となった現物が届いた時の感動は忘れられない。自分が一から作った冊子が形になって残るのだから。

文学フリマの前日になって、重大なことに気づく。同じく広島在住の大喜利プレイヤーである、本塁MAXさんにお手伝いを依頼していたが、申し込んだ段階では二人でブースを回すことが頭になかったので、事務局に椅子を一脚しか頼んでいなかったのだ。椅子を追加することが出来なかったので、結局私一人でブースに立つことになった。

当日になっても、実感が湧かなかった。一冊でも売れて欲しいという気持ちはあったが、特に緊張も不安もなく、感情はフラットだった。産業会館にたどり着き、セッティングをする。私のブースは、入り口から一番離れた列。周りを見て、テーブルにかける布の種類を間違えていたことに気づく。次回は大きくて薄いものを用意しなければ。

出展者やスタッフの拍手とともに、イベントが始まる。最初のうちはなかなか買ってくれる人は現れない。ブースの前を通りかかる人はいるものの、何て声を掛けて良いかわからない。模索しているうちに「お笑いに興味ある方、良かったらご覧になってください。大喜利の本でーす」という文言にたどり着く。

興味を持ってもらって、「大喜利を趣味でやっている人がいて、その人たちに取材して書いた本なんですよ」と説明が出来ても、「すごいニッチですね!」と不本意な笑いが起きて、なかなか購入までには至らない。それでもブースに立っていると、少しずつ買ってくれる人が現れる。

見本誌コーナーに一冊置いていたのだが、そこでこの同人誌を見つけた女性がぺるともさんのことを知っていて、買ってくれたパターンもある。その人曰く「表紙を見て、ぺるともだ!となった」らしい。

また、ハチカイのファンの女性や、大喜る人たちの動画を観ている男性などが買ってくれた。大喜利の世界を知っている人は、広島にもいるということがわかった。

最終的に、800円の同人誌が10冊売れた。大きなトラブルも、大きく傷つくこともなく、初出店を終えることが出来た。

第2弾を作ることはまだ未定だが、今回の出店で満足せずに、もっと色んな人にインタビューして、執筆を続けていきたいと思う。休んでいる暇はない。

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