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【エッセイ】政治的なポストは教官によるブレーキ

ここ数日のプチ鹿島さんのXでの投稿を見て、かなり驚いている。

きっかけは、朝日新聞に掲載された人生相談に対する回答と、その反響に対する朝日新聞側の対応がひどかったこと。これらの一連の流れに対して、鹿島さんは批判的なポジションをX上で取った。

鹿島さんは「有名な朝刊の一面の文章を載せる」「ネットで読める新聞の記事を拡散する」などのポストはするが、特定の政治家や、新聞を批判するようなポストはほとんどしてこなかったように思える。

ただ、鹿島さんが権力に批判的ではないのかと問われると、それは違う。様々な媒体で連載を持つ鹿島さんは、世間で起こった騒動やニュースに対して、独自の目線でルポを書いたり、毎週ラッパーのダースレイダーさんと行っているYouTubeの配信で、政治家をネタにして喋ったりしており、多くの場で「毎日十数誌の新聞を読み比べる時事芸人」の役割を、しっかりと全うしている。

「SNSでは批判的なことは言わずに、仕事の場で政権を批判したり、政治家を茶化したりする」。それが鹿島さんのポリシーなんだなと勝手に思っていた。それで今回の騒動。朝日新聞に対して、真っ向から批判的な言葉をぶつける鹿島さんは、とても頼もしく見えた。実際、朝日新聞のスタンスは、私の目線でも最悪なものだと感じたのだった。

そこで思ったのは、普段から間違った知識や認識の元、政治的なつぶやきをしている人に対して「それは○○ですよ」と訂正している、町山智浩さんや水道橋博士さんのことである。

そういった訂正のポストは「自動車教習所の路上教習で、危険な運転をしかけた生徒に対して、代わりにブレーキをかけるようなもの」だと思った。

SNSでは、良くも悪くも、そのブレーキをかけている行為が、様々な人に見られてしまう。生徒が教官に注意されている光景なんて、大体の人は見たくもないので、批判している人もまとめて「うるさい」と批判されることも少なくない。

ただ、それでも私は、いざという時のために、ブレーキをかける側の人間でありたい。

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