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【エッセイ】良い本、良い映画、良い音楽

普段から本、映画、音楽にふれていると、「この本は良い」「この映画はあまり良くない」という風に、自分なりの評価基準が見えてくる。

「好み」と言ってしまえばそれまでだが、良い本には良い本の、良い映画には良い映画の共通点がある。今回は、良い作品にふれた時のことを思い出しながら、良い本、良い映画、良い音楽の共通点をまとめていきたいと思う。

まずは本。私は小説、エッセイ、ノンフィクションなど、ジャンルを考えずに読書をすることが多い。それでも、どんなジャンルでも「良い本」の基準はある。それは「その著者が書いた別の作品を読みたくなる本」だ。

著者はその書籍の主役だ。文才、表現方法、着眼点、経験など、一冊の本に著者の全てが詰まっている。Aさんという人が書いた本が面白かったら、Aさんが書いた他の本も読みたくなる。一冊の本を好きになるということは、著者のことも好きになるということだ。

たまに「読んでいる間は面白いけど、読み終わったら興味を示さなくなる」本と出合うことがある。この場合は、本の著者に関心を持てなかったということになる。

本を一冊読んで、「この本の著者は、他の本でどんな世界を描いているんだろう」と思える本が、私にとっての「良い本」だ。

続いては映画。映画にも様々なジャンルがあるが、「観た後になんでも良いから別の映画を観たくなる作品」が、私にとっての「良い映画」だ。

映画を観るというのは、他では味わえない独特な体験だ。本編を観て、エンドロールが終わり、現実に戻る。良い作品を観たあとは、またすぐに映画の世界を体験したくなる。ジャンルも監督も違ってもいい。とにかくまた映画が観たくなるのが良い映画である。

これに加えて最近発見した評価基準が、「後から思い出す映画」だ。観ている時は「そこそこ面白い」程度の評価だとしても、後から作品を思い出して「そういえばあれよかったな」となって、思い出す頻度が高くなり、気が付いたら年間ベストに入れている作品。「じゃあパンフレットを買っておけば良かった」となる作品も、「良い映画」に含まれる。

最後は音楽。これは単純明快で「もう一回聴きたくなる曲」だ。繰り返し聴いても飽きない、そんな曲は「良い音楽」になるだろう。異論は認めない。

専門家でも評論家でもないので、人気の曲がなぜ人気なのか、論理的に説明出来ないが、やはり大勢が繰り返し聴いているからに尽きるのではないだろうか。

以上が、私にとっての「良い本」「良い映画」「良い音楽」の基準である。たまに、この基準を飛び越して、理屈抜きで良い作品と出会えるので、カルチャーにふれることはやめられない。

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