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【エッセイ】読書のハードルを下げたい

Twitterで相互フォローの人が、Amazonのほしい物リストをツイートしていたら、とりあえず中身を確認する。そこに本が入っていて、自分のお金に余裕がある時は、その本を買って贈るようにしている。実際、これまで2人の人にプレゼントしたことがある。

私は読書が好きなので、もっと多くの人に本を読んで欲しいと考えている。ビブリオバトルに出たり、SNSに読んだ本を載せたり、様々な形で他人に本をオススメしてきたが、自分が面白いと思った本について他人に語るより、その人が読みたいと思っている本にお金を出す方が、手っ取り早く本を読んでもらえることにようやく気が付いた。

読んだ本について語れる場が欲しくて、「Radiotalk」というアプリで「本の話をするラジオ」という番組を立ち上げた。一人で喋ることは最初から考えていなくて、関東で大喜利をしているアンナ・カリィさんという方を誘った。「お互いが新刊本を読んで感想を語り合う」というラジオをしてみませんかと提案したら、興味を持ってくれて、とても嬉しかった。今のところ、4冊の本を取り上げている。

大型書店には理由もなく行くことが多かったが、「ラジオで紹介する本を探すため」という理由ができた。本は交互に選び、ジャンルは決めないというルールを定めている。数ある新刊本の中から、自分がある程度理解出来て、アンナさんも興味を持ってもらえる作品を選ぶようにしている。選書の段階から収録は始まっていると言っても良い。

本好きで単純な人間なので、書店に行くと元気が出る。しかし、売り場を見て、売れそうな話題作と役に立つことを前面に押している自己啓発本がたくさん並んでいるのを見ると、少し元気が無くなる。結局こういう本が売れるのか、と。

私にも自己啓発本にふれていた時代がある。中学生や高校生の頃は、書店で「役に立ちそうな本」を見つけて読み、勉強して成長した気になっていた。あの時の自分の行動は、今の自分に何の影響も与えていないと断言できる。教養を身につけたかったら、もっと他の方法があったはずだ。映画や小説を読むとか。

自己啓発本には、最初から重要な箇所に傍線が印刷されている場合がある。私はこのシステムがあまり良くないと思っていて、その本のどこが重要なのかを自分で考える機会を奪っているのではと考えてしまう。

本好きな人も世の中にはたくさんいる、自己啓発本に懐疑的な人もいる、それはわかっているけれど、読書という行為が当たり前の世の中になっていないのも感じる。ラジオを続けて、面白いけど話題を呼んでいない本に、スポットライトを当てていきたい。そう思っている。

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