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Day13「補助金の扱いがどうなるか」 @ ガバメントクラウドについて考えるAdvent Calendar 2022

この記事は、ガバメントクラウドについて考える Advent Calendar 2022のDay13「補助金の扱いがどうなるか」となります。

※こちらの記事は基本的には公開情報を元にしていますが、個人的な妄想・意見も含まれておりますので、ご承知おきください。

このAdvent Calendarは、日々活動している中で課題として感じることなどをどこかで整理しなくてはいけないと思っていて、ちょうど良いタイミングだったので、全日自分が思うところを書くというスタイルにチャレンジして、どこまで続けられるかやってみたいと思います。
https://adventar.org/calendars/8293

以前、以下のツイートに多くのことをまとめてみたのですが、改めて整理していきます。

補助金の扱いがどうなるか

Day10にてガバメントクラウド以外の選択肢利用時の補助金の扱いについて、以下のように引用して少しだけ触れました。

また、ガバメントクラウドを活用した環境で構築された標準準拠システムへの 移行に対して補助することが原則であるが、ガバメントクラウド以外の環境で構 築された標準準拠システムへの移行に係る事業については、次の条件をいずれも 満たすものを例外的に対象に含める方向で、検討を行う。

https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/c58162cb-92e5-4a43-9ad5-095b7c45100c/6dbf8e35/20221007_policies_local_governments_policy_02.pdf

先日のDay10の記事からTwitter上でも多くの議論が交わされた内容になります。逆に言えば、それほど見解がたくさんあるというものになることと同義かと思っています。何にこだわっているかと言うと、まずは私のツイートをご覧ください。

なぜ、オンプレミスとプライベートクラウドの定義にこだわっているかと言うと、「オンプレミスは補助金対象外」であると言われているからです(こちら公開文書でありましたら、どなたか共有いただけると幸いです)。ということで、皆さんオンプレミスとプライベートクラウドの違いを明確に説明できますでしょうか。感覚的には、庁内に配置されているものをオンプレミスと呼んでいたり、データセンターで管理されている自治体の共通基盤をプライベートクラウドと呼んでいるケースが多い気がします。

2022/12/22追記
コメントに「デジタル基盤改革支援補助金(地方公共団体情報システムの標準化・ 共通化に係る事業)事務処理要領」にオンプレミスを対象外としている記載があると連絡をいただきましたので、アップデートさせていただきます。

まずは検索してすぐに出てきたニフクラさんのプライベートクラウドの定義を見てみます。

プライベートクラウドには、大きく分けて「オンプレミス型」と「ホスティング型」の2種類が存在します。オンプレミス型のプライベートクラウドは、自社内にサーバーや回線を用意して、その上にクラウド環境を構築します。クラウドとして利用できる環境を構築するという違いはあれども、ハードウェアを自社で調達して運用するという点において、従来のオンプレミス環境とよく似た形態です。

プライベートクラウドにも、オンプレミス型とホスティング型があると定義されています(プライベートクラウドにオンプレミスが包含されている!?)

それに対して、ホスティング型のプライベートクラウドは、パブリッククラウドの一部を隔離して、自社専用に提供してもらう形態です。現在、クラウドの利用ニーズは非常に高くなっていますが、企業によってはセキュリティポリシーの都合上、第三者とインフラを共有するパブリッククラウドの利用が許されない場合もあります。しかし、環境を占有できるプライベートクラウドであれば、こうした問題をクリアできる可能性があります。

ここでは、ホスティング型のプライベートクラウドがパブリッククラウドから専用区画として個別ユーザー専用に立てつけたものとされています。専用区画というのは1つの定義となりそうです。

オンプレミス型のプライベートクラウドであれば、ハードウェアの選定から自由に行うことができ、自社の都合にあわせたカスタマイズが可能です。一見、従来のオンプレミスと変わらないと感じるかもしれませんが、柔軟なスケールや高速なデプロイといったクラウドならではのメリットをオンプレミス上で享受することができます。

クラウドたる部分については、柔軟なスケールや高速なデプロイを指しているようです。Twitterの議論の中でも、「自社専用区画+スケール余力があればプライベートクラウド」というコメントをされている方もいらっしゃいました。このように、マーケティング用語的にクラウドという言葉が使われたり、オンプレミスとプライベートクラウドの定義が明確でないと、オンプレミスをプライベートクラウドと呼んでしまうことで、補助金を手に入れることができてしまうかもしれませんので、もう少し深堀りしていきましょう。

なぜこのような補助金対象の違いを設定しているか?

そもそもオンプレミスがダメでプライベートクラウドなら補助金対象かについて、理由を考えてみましょう。クラウドに期待するところは、どこなんでしょうか?以下の「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」を見ていきましょう。

こちらの定義を見ると、大体以下のような感じでしょうか。

  • 個別に構築しない

  • 拡張性・柔軟性

  • ネットワークでアクセス

  • インタフェースで、リソース設定・管理、セキュリティ設定が可能

こういうときはNISTに頼りましょう。少し古い記事ですが以下を引用します。NISTとは、アメリカ国立標準技術研究所の略称です。こちらでクラウドコンピューティングの定義をおこなっており、世の中の殆どは本来こちらの言葉の定義に従っているはずです。

ここでの定義は5つの本質的な性質と、3つのサービスモデル、4つの配備モデルから構成されています。まずは簡単に以下に抜粋します。

5つの本質的な性質

  • オンデマンド・セルフサービス

  • ネットワーク経由のアクセス

  • リソースプール

  • 迅速な伸縮性

  • リソースの最適化

3つのサービスモデル

  • SaaS

  • PaaS

  • IaaS

4つの配備モデル

  • プライベートクラウド

  • コミュニティクラウド

  • パブリッククラウド

  • ハイブリッドクラウド

プライベートクラウドは、クラウドインフラストラクチャーは単独の組織によって運用される。その組織、あるいはサードパーティによって管理され、オンプレミスもしくはオフプレミスとして設置される。

結局、プライベートクラウドって何なの?

色々見てきましたが、一旦まとめると、私の中での定義は今の所以下になっています。

  1. 単一顧客用の専用区画でネットワーク経由でアクセスする

  2. セルフサービスポータルでデプロイ・設定が可能

  3. 従来の方法で構築されないもので、拡張などが可能

こうすると、今までのデータセンターでホスティングされていたものは、①は満たしていますが、②、③を解決しないとプライベートクラウドとは呼べなさそうです。逆に既にクラウドサービスとして建てつけられている、地場SIer・アプリベンダーの方々が提供するクラウドはプライベートクラウドサービスと言えそうな気がします。また、国内のクラウドプロバイダが提供するクラウドサービスもプライベートクラウドに該当するものも多そうです。

まとめ

意外と高度に運用・セキュリティ管理がされているといったことはクラウドの定義にはないんですね。自治体のシステムで拡張性がものすごく求められるものも多くはないでしょうし、インタフェースで操作することも少なそうですが、改めてクラウドの定義を考えてみると、クラウドに求めていることと、オンプレミスを排除していることがあまりリンクしていない気がしました。

執筆後記

このようにガバメントクラウドを考えるAdvent Calendar 2022では、以下の流れで進んでいくことになると思いますので、Day11以降もお待ちいただければと思います。

  • ガバメントクラウドの在り方

  • ガバメントクラウドの整備における課題感

  • ガバメントクラウドの利用における課題感

  • ガバメントクラウドの今後について考えてみる

Twitterなどで情報発信していますので、もしよろしければ覗いてみてください。