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Day24「クラウド選択指針(クラウドスマート指針)をどう立てれば良いか」 @ ガバメントクラウドについて考えるAdvent Calendar 2022

この記事は、ガバメントクラウドについて考える Advent Calendar 2022のDay24「クラウド選択指針(クラウドスマート指針)をどう立てれば良いか」となります。

※こちらの記事は基本的には公開情報を元にしていますが、個人的な妄想・意見も含まれておりますので、ご承知おきください。

このAdvent Calendarは、日々活動している中で課題として感じることなどをどこかで整理しなくてはいけないと思っていて、ちょうど良いタイミングだったので、全日自分が思うところを書くというスタイルにチャレンジして、どこまで続けられるかやってみたいと思います。
https://adventar.org/calendars/8293

以前、以下のツイートに多くのことをまとめてみたのですが、改めて整理していきます。

クラウド選択指針(クラウドスマート指針)をどう立てれば良いか

今回のこのAdvent Calendarを通じて、様々な状況に応じた適切なシステムの選択肢があるんだなと感じていただければ、このAdvent Calendarの意味があったと言えるのかなと思っています。

これらのクラウドをどういう基準で選択していくかについてが、以下の記事で述べたクラウドスマートという指針になります(海外のクラウドスマートとデジタル庁のクラウドスマートは意味が正反対くらい異なるので注意)。

これらのクラウドをどう使い分けるかというところには共感していただけたとしても、海外諸国のように具体的な使い分け指針というところまで落とせていないというのが現状かと思います。

今回は、とある自治体に提供したクラウドスマート指針の策定について提示した資料で、どんな項目を整理していくべきかについてまとめていきたいと思います。

公共においては入札制度もあり、ある程度のクラウド選択指針を調達時に表明しておかないと、意図しないクラウド利用状態になってしまうことを懸念する必要があると思っています。また、要件にマッチしていれば何でも良いということになると、最適化のための最も良いアプローチになっているかというと疑問が出てきます。

以下は、我々から提示した具体的なクラウドスマート指針策定の検討項目一覧です。これらを一緒に定義し、優先順位を決めて、クラウド選択の指針を作っていきましょうということで進めています。

もちろん、ここに至るまでには本日までにお話してきたクラウドやアプリケーションに対する正しい理解をしていただく前提が必要です。間違ったイメージを持っていると、進むべき道も間違うためです。

以下のステップでクラウドスマート指針を策定していきます。

  1. クラウドの定義(プライベート・ハイブリッド・パブリッククラウド)

  2. 保持システム全体の整理

  3. システム要件の整理:システムごとに異なるので、基準を定めておく

  4. 要件の定義と必要試算項目の整理

  5. 前提条件の定義と優先順位付け

  6. クラウド選択フローチャートと調達時の最低限提示内容の成果物

米国エネルギー庁が整備した以下の内容を成果物としてイメージしながら進めていきます。

システム要件では、どんなコストを試算すればいいのかなどに言及されていますし、前提条件として、最大何種類までのクラウドを許容するかや、機密分類をどのように設定するかなどもこの取り組みを通じて定義していきます。

このように今回の標準化対象のシステムだけでなく、LGWAN系システム、インターネット系システム、デジタル田園都市国家構想のシステムなど、システムの保持者である自治体が全体を踏まえて、どうクラウドを選択していくのかは主体者である自治体が考える必要がある時期に来ていると思います。ぜひこれらを参考にしていただき、指針として公開するまではしないにせよ、それぞれがどのようにクラウドの使い分けをしていくかを整理してみてはいかがでしょうか?

執筆後記

このようにガバメントクラウドを考えるAdvent Calendar 2022では、以下の流れで進んでいくことになると思いますので、Day24以降もお待ちいただければと思います。

  • ガバメントクラウドの在り方

  • ガバメントクラウドの整備における課題感

  • ガバメントクラウドの利用における課題感

  • ガバメントクラウドの今後について考えてみる

Twitterなどで情報発信していますので、もしよろしければ覗いてみてください。