見出し画像

Day25「ガバメントクラウドと標準化のあるべき姿を妄想してみる」 @ ガバメントクラウドについて考えるAdvent Calendar 2022

この記事は、ガバメントクラウドについて考える Advent Calendar 2022のDay25「ガバメントクラウドと標準化のあるべき姿を妄想してみる」となります。

※こちらの記事は基本的には公開情報を元にしていますが、個人的な妄想・意見も含まれておりますので、ご承知おきください。

このAdvent Calendarは、日々活動している中で課題として感じることなどをどこかで整理しなくてはいけないと思っていて、ちょうど良いタイミングだったので、全日自分が思うところを書くというスタイルにチャレンジして、どこまで続けられるかやってみたいと思います。
https://adventar.org/calendars/8293

以前、以下のツイートに多くのことをまとめてみたのですが、改めて整理していきます。

ガバメントクラウドと標準化のあるべき姿を妄想してみる

結局、期日通りに間に合いませんでしたが、なんとか年内に25回分の記事を間に合わせることができそうです。感想を頂いた方、拡散をしていただいた方、見ていただいた方、誠にありがとうございました。

頂いたフィードバックなども踏まえて、こちらの記事全体をホワイトペーパー化して1つの読み物として整備しようと考えています。というより、元々そっちの頭があったので、これを書き切ることで結果的にホワイトペーパーを書くことに繋がるのではないかと思って書いていました。まずは、今まで頭の中にあったものを一旦年内にすべて吐き出した形になります。これにより、なかなかプレゼン資料だけでは伝わらないニュアンスもお伝えできるのではないかと思いますし、社内の意思統一にも寄与できると思っています。なお、これでもなお齟齬はあると思いますので、ぜひTwitterなどに気軽にお問い合わせください。

最後の本題

さて、最後は「ガバメントクラウドと標準化のあるべき姿を妄想してみる」というタイトルにしてみまして、今まで整理してきた内容から、ではどうすればいいのかということについて私見を述べて終わりにしたいと思います。

ただ、これらをゼロベースで考えるのか、今の枠組みの中でどのように最適解を見出していくのかのどちらの前提に立つかでお話しすべき内容が異なるのが難しいところです。今回はゼロベースで考え直すには時間が足りないと思われるため、今の枠組みの中での最適解を模索する形で考えてみたいと思います。

まず、現在のガバメントクラウドは、標準化の20業務とそれ以外に分割された状態と非常に相性が悪かったと思います。システムロケーションが離れることで生まれる複雑性・二面性に対応しなければならなくなるためです。

また、クラウドネイティブ化は非常に有用な施策ですが、既存基幹システムに対して強制するというのは、コスト削減とは切り離すべきだったとも考えています。時期的にもコスト削減が調達価格に作用する論理も働きそうにないことも厳しい材料です。

お金を補助してでもそれに切り替えていくということがあればそれで良かったとも思いますが、それでも追加ネットワークの費用の課題が残存します。追加ネットワーク費用も国が補助すればという考え方もありますが、自治体が負担しなくなるだけで結果的に政府として支払う金額は上がることになるので、果たして意味があるのかというところです。

ガバメントクラウド利用料がデジタル庁負担想定であったことが移行のモチベーションでもあったと思いますが、自治体負担になりそうなことで、この動きが鈍化しかねない状況ですし、たとえ自治体負担でなくなったとしても、未来永劫負担されるわけではないことも踏まえると、コスト比較が求められるでしょうし、将来的な揺り戻しというのも想定されるようになってしまうでしょう。

将来のこんな姿に向けて、ここでお金をかけてやっていくんだというロードマップがあれば、そこに向けてイメージしやすかったのではないかと思いましたが、現在の取り組みでは、自治体及びアプリ業者の負担がかなり大きく、人間の頭の切り替えもすぐにはできないため、歪が生じるケースも少なくないと思いますし、調達にまつわる作業量も非常に大きくなります。ロードマップを示しながら、順を追っての取り組みが必要と思います。

いずれにせよ、私は目的や方向性を明確にする必要はあると思っていますが、技術やクラウドの制約はするべきでないと考えています。むしろ、競争環境により、自ずと良い技術とクラウドが選ばれていく形にしていくところを将来に置かなければ、次の技術変革においても同じことの繰り返しになると考えるからです。また、経済安全保障の観点から、データの機密性及び主権に関する方向性が明確になっていない状況があります。今のままだとガバメントクラウドの枠組みから外れた例外のクラウド利用が増加してしまい、結果として政府で統制の取れていないクラウド乱立の状態になってしまうことが想定されます。

ということで、以下のようにするという現実的な解を妄想してみた結果をまとめて、このAdvent Calendarを終えたいと思います。

  • ガバメントクラウドの適用システムの範囲が不透明なので、明確にするためのクラウドとシステム・データのマッピングを作成する

  • 今までのガバメントクラウドを尊重し、ハイグレードという位置づけにするが、経済安全保障の文脈における主権やネットワーク等の要件を踏まえて適用するISMAP準拠相当のミッド・ローグレードのクラウドを追加定義する

  • このようなクラウドの使い分けとその選択肢の方向性を目指すことを示して、国内のクラウド事業者の高度化を整備していくだけでなく、各クラウドへのハブとなるような共通的なネットワークを整備する(自治体で言えばLGWAN)。加えて、これらの指針を各自治体・省庁で策定するための勘所を押さえた人材の開発に取り組む。

  • プライベートクラウドの定義を明確にして、オンプレミスの高度化を推進

  • 接続ネットワーク、アクセス形式・閲覧方式(内部・外部)、情報のやり取り(APIアクセス・メール)、主権・ロケーション・準拠法などから、システム・データの種別を明確に整理し、種別ごとに必要なクラウドグレードを定義する。

  • このような形で、標準化を確実に実施し、標準化の理想としてベンダー間の競争を働かせた上で、次のサイクルでハイグレードなクラウドへの移行を取り組むべきなのではないか

執筆後記

今まで長期に渡りご覧いただき、誠にありがとうございました。皆様の今後の選択の一助になれば幸いです。今後もTwitterなどで情報発信していきますので、もしよろしければ覗いてみてください。また、イベントなどで見かけたら声をかけていただけると大変ありがたいです。