「コロナ事態」での転職活動はどうあるべきか 〜不況期の教訓を振り返る〜
コロナウイルス対策の影響により、転職マーケットが大きく縮小するのではという懸念が生まれている。求人に関する指標は遅行指標とも言われ、景況感が悪くなりはじめた後、タイムラグがあってから落ち始めるのがいつものパターンだ。
この状況で、転職を見据えたキャリアアップを考えている人はいったいどういう行動を取ればいいのだろうか? これまでの大きな不況期(筆者はHR事業に関わり出してから、2000年代初頭のネットバブル崩壊、2008年のリーマンショック等の複数の大不況を経験している)の例を元に、この時期に取るべき行動や考え方を記していく。
まず、すべての業界が減速するわけではない。この状況でむしろ業績が好調な業種もあり、全体的にまだら模様だ、また、打撃が大きい業界にある全ての企業が採用ストップという訳でもない。必要な職種やポジションに関しては採用を続けるし、もし人員整理をかけている最中であったとしても、新規の採用は動き続けるものだ。
景気が悪くなると、いったい誰が採用されるのだろうか? あたり前だが、それは転職活動を止めず、地道に続けている人たちだ。選択肢は好況時よりも少なくなる、それはあり得るだろう。しかし、何があったとしても100%採用が止まるということはない。競争環境が多かれ少なかれタフになるというだけ。だからこそ、目指すキャリアがあるのであれば、この時期気を抜いてしまってはいけないということ。
転職活動のタイミングというのは投資活動に似ていて、「市場のタイミングを計る」のはとても難しい。株価が上がる時を狙って投資をするというのが至難の技であるように、転職でもそれだけを狙ってると結局は好機を逸してしまう。どういう状況にあっても、一貫して活動を続けるべき。キャリアアップを追求する行動を止めてしまうのは、今後を考えるとリスクが大きい。
活動を続けることの利点は、この時期に活動をやめてしまったライバルとは差がついて有利になるということ。継続こそが重要で、そうすることによって情報は常にアップデートされ、いつでもチャンスを見逃さない態勢ができる。
大変な状況ではあるけど、大事なのは「自分のビジョン、キャリアプランに対する熱意とコントロールを失わない」こと。これまでにも危機はあったし、これからもある。それに振り回されてばかりだと、自分が理想とするキャリアなど達成できない。
みんなが、同じ条件に立たされている。こういう時期だからこそ、自分を見失わず、一貫的な行動を取ることのできる人の価値が引き立つ。自分のキャリアを諦めず、地道に、冷静に行動を続けることがとても大切。
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