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豊富な図版と実例でスタートアップビジネスを理解する!

こんにちは、noteコーディネーターの玉岡です。
本日紹介する書籍はこちら!


GAFAMやNvidiaのような巨大テック企業も始まりは小さなスタートアップビジネスでした。スタートアップ企業の成長促進は今や国策ともいえ、総務省では令和5年からスタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業を開始しています。

「スタートアップビジネスに興味はあるが、どこから始めればいいのか?」「どんなリスクがあるのか?」そうした多くの興味や不安を解消するが本書です。
本書の章題はこちら。
各章はさらに各10チャプターほどに分かれ、コラムも交えた構成になっています。


【目次】
1章 スタートアップとは何か
コラム 経済なき道徳は寝言、しかし道徳なき経済は罪悪

2章 自分に適したスタートアップで働く
コラム 大切なのはユーザー目線

3章 スタートアップのビジネスモデルを評価する
コラム スタートアップで生き残れる人

4章 現在、参考にすべきスタートアップのビジネスモデル
コラム 手段はスタートアップだけではない


1章 スタートアップとは何か

「スタートアップ」の定義から始まり、グローバルでのスタートアップビジネス隆盛の背景を本章では解説します。
特に1-6「国策として飛躍が期待されるスタートアップ」では、今後5か年の日本政府によるスタートアップビジネス支援計画が取り上げられています。
2027年までにスタートアップへの投資額を10倍(10兆円規模)に増やすことを目標とし、10万社規模のスタートアップ創出と、ユニコーン企業100社の創出を目指すという壮大な計画は、日本政府がスタートアップを経済成長の重要な要素として位置づけ、積極的に支援しようとしていることを示しています。

2章 自分に適したスタートアップで働く


第2章では、スタートアップ企業で働くにあたっての前提、企業の選び方のポイント等を解説します。大企業=安心した就労という図式も変化する今、必要なのは「どうやってよいキャリアを築くか」(P.52)と本書は強調します。企業の成長=自身のキャリア成長と連動するともいえるスタートアップビジネスでは、成長ステージごとに求められる能力が異なります。
2-7「成長ステージごとに求められる能力・人物像」では、スタートアップビジネスのステージを「シード・アーリーステージ」「ミドル・レイターステージ」の2つに分け、そこに求められる人物像を次のように定義しています。

シード・アーリーステージ:多様な業務をこなせる「ゼネラリスト」タイプの人材が特に求められる。専門外の仕事でも積極的に取り組む姿勢が重要であり、常に混沌とした状況を楽しめる精神的タフネスも必要。

ミドル・レイターステージ:会社の成長に必要な「スペシャリスト」タイプの人材が求められる。しかし大企業とは異なり、スタートアップ企業では成長後も雑多な業務が多いため、ゼネラリストタイプも依然として必要とされる。

常に自身のキャリアパスと向き合いながら就労することが、スタートアップビジネスでは求められるのですね。

3章 スタートアップのビジネスモデルを評価する

第3章ではスタートアップビジネスの要、「何を創り、売るのか」というビジネスアイデアを解説します。スタートアップビジネスに求められるのは何よりも新規性、市場における競争優位性であることは絶対条件ですが、本章では特に3-9「革新的なアイデアでも法整備が整わなければ国内では普及しない」(P.128)で警鐘を鳴らします。

一例として、日本が自動運転技術やドローンビジネスで他国から遅れをとった要因に航空法の法改正を挙げています。どれだけ革新的なアイデアでも、法規制をクリアしなければビジネス化できません。「法律違反のスタートアップで働くことは、キャリアにマイナスの影響を与える可能性がある」と本書は説きます。また、現在は企業コンプライアンスの水準が年々増しています。法整備だけではなく、社会適要請への対応も企業姿勢として求められています。次の図は本書に限らず、多くの書籍やセミナー等でも用いられている重要な図です。

P128


4章 現在、参考にすべきスタートアップのビジネスモデル


本書はスタートアップビジネスに取り組んでいる、取り組もうとしている人に向けた、極めて実践的な一冊です。中でも、最終章の第4章では11社の企業を「現在、参考にすべきスタートアップのビジネス」として取り上げます。その企業一覧がこちら。

1 マザーハウス
2 ヘラルボニー
3 アイカサ
4 タスカジ
5 アソビュー
6 akippa
7 FUNDINNO
8 SmartHR
9 INFORICH
10 ゲシピ
11 ユーグレナ

これらの企業を他メディアでも見聞したことのある方も多いのではないでしょうか。特に8 SmartHRは、企業の人事や労務業務を効率化させるHRソリューションを提供することで注目を集めています。もともとは創業者である宮田昇始氏のパートナーが産休手続きを行う際、その煩雑さがきっかけで誕生したビジネスです。社会保険関係の手続きをクラウド化する事業からスタートし、総務省の電子政府(e-Gov)外部連携APIの利用が可能になったことが追い風になりました。
同社のポイントは、SmartHRが実際のニーズに基づいて生まれ、既存のソリューションとは異なるアプローチで人事労務管理の問題を解決しようとしたことである、と本書はまとめます。
新規性、市場優位性を条件とするスタートアップビジネスであっても、そのはじまりは誰にも共通するニーズであること。それをいかに新しいものに創りかえるかの重要性が、このエピソードから分かります。

「図解で学ぶ」の名のとおり、本書は各チャプターに必ず図表やイメージ図が掲載されています。その一つ一つが社内資料としても十分に参考になるものです。ぜひ本書本文と併せて、ページを読み進めてみてください。

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