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【人材育成】JMACアカデミーの登竜門?!Pコースに密着しました!🙋

昨年~今年に入社したJMACメンバーは、現在JMAC独自の研修プログラム「JMACアカデミー」にて着々とコンサルタントスキルを習得中。

今回は数あるアカデミープログラムのひとつ、Pコースに密着しました!
どうやらこのプログラムは「アカデミーの中で一番きつい」という噂・・・?

とくに新卒・第二新卒のアカデミー生はこれまで主に座学の研修をしており、<コンサルティングに入る>という経験自体これが初めてです。

たった3週間の、アカデミー生だけで行う、初めてのコンサルティング。
はたしてどうなるのでしょうか?

Pコースとは

頭文字「P」は「Production」の意。実際に協力会社の製造現場に入り、問題解決・業務改善を考える泊まり込みの実践型研修。

①現場改善に必要な手法をIE(Industrial Engineering)中心に修得すること②「現状分析(改善余地把握)→目標設定→改善案検討→改善実施」の改善サイクルを実践し修得すること③グループでの改善活動を通じて、異業種の人達との交流を図ること

を目的として、クライアントの工場をお借りし、クライアントの社員の方々と一緒に改善に取り組む。

今回ご協力頂いた企業は「新寿堂」様。JMACのグループ企業、日本能率協会マネジメントセンターが販売するNOLTY(能率手帳)のメイン工場です。

アカデミー生とひとくくりで言っても

  • そもそも工場自体に入ったことがない新卒

  • 前職で「工場にはお世話になっていました!」という中途社員

  • なかにはまさに「自分は前職で工場で働いていました!」という中途社員

まで経験値はそれぞれ異なります。

そんな多種多様なメンバーが、この2週間泊まり込み(!)のPコースで、集中的にノウハウを学び、実務を通して問題解決のプロフェッショナルへと進化します。

工場を知る

まずは工場全体の流れを把握します。

工場を見てまず素直に感じたことは「思っていたよりも手作業が多い」ということ。人の手によって行なわれる作業がとても多く、手間を掛けて、丁寧に手作りされていることに驚きました。

とくに、紙をズレのないように揃えて次の作業へ流す際に、手作業で「トントン」と丁寧に揃える光景が工場の至るところで見られたのが印象的でした。

手帳は1年を通して使用するもの。開いて、閉じて、また開いて、といった毎日の使用に耐えられる「丈夫さ」と、見開きの左右で罫線にズレがない、ページが捲りやすいなどの「使い心地のよさ」も重要なポイントです。

新寿堂様では、「手帳にとっての品質とは使い手の気持ちを考えた真心」というお考えのもと、職人1人ひとりが手と目を凝らしながら、日々の業務に取り組んでおられます。

デジタル化が進む昨今においても、まだまだ紙は私たちの生活とは切っても切れないものです。なにかを残したいとき「端末に入力する」ではなく、あえて「紙に書く」ことによる特別感ってありますよね。工場内に充満する紙の匂いがとってもいい匂いで、深呼吸をしたくなりました。

「紙は生き物である」という言葉の通り、周囲の温度や湿度の変化によって、紙は空気中の水分を吸収して膨張したり、乾燥すると水分を放出して収縮したりします。

こうした特性が印刷や断裁時のトラブルの原因となりうるため、各工程で天候や季節などによる紙の伸び縮みを判断する職人の技術が要求されるようです。目視での検品や繊細な調整作業は、まさに経験のなせる技。

  • 印刷・裁断

  • 折り

  • 丁合い

  • 糸かがり

  • ならし

  • 見返し貼り

  • 背固め

  • 背巻き

  • 駒締め・ならし

  • 三方断裁

  • しおり付け

  • 小口みがき

  • 金付け

  • くるみ

1冊の手帳を仕上げるために、このように非常に多くの工程があります。
これから行なうPコースの現場改善はチームで各工程分かれて担当するものの、前後作業を把握するためにも他の工程も知っておかねばなりません。

ただの工場見学ではなく「問題解決をするコンサルタント」としてこの場にいるアカデミー生。一言も聞き漏らすまい!見逃すまい!改善の糸口を見つけようと真剣に見て、気が付いたことを書き留めます。

インタビューの時間

各チームには1時間のインタビュータイムが設けられ、実際に工程を担当している方に気になった点を質問します。残業や人材不足によるスケジュール管理、現状の時間生産性、安全性、ロスやチョコ停の多さなど、一見問題なく回っているようにみえても問題は尽きないもの。チームで事前に話し合ったことを深掘りしながら、貴重な現場の意見を、仮説をもとに吸い上げます。

新寿堂の方からは「現場のメンバーと一緒に進めてほしい。2週間かけて考えた改善案をこの後も継続できるかどうかは、現場を巻き込めるかどうかだと思う」という言葉を頂きました。

現場と一緒に、ということは「ともに考え、ともに動き、ともに改善する」ことを大切にするJMACコンサルタントにとっては非常に重要なことです。上から目線で指導するのではなく、現場と同じ目線に立ちながら、より実践的なコンサルティングを行なうのはJMACの強みでもあります。

チームで考える

Pコースは基本的に、すべて各チームごとに動きます。
先輩コンサルタントは考え方、着眼点、不足している分析などについてレビューはしますが、あくまで具体的な行動はアカデミー生と協力企業からの受講生に委ねられています。

改善活動の第一歩は「問題の明確化」から。
そして「問題」とはズバリ、あるべき姿や目標と現状とのギャップ。
そのため、「問題は何だろう?」「あるべき姿は?」というところから議論を始めるのではなく、まずは第一に工場の現状を正しく把握することがとても重要です。

実際に現場に繰り出して、実際にみたことや、働いている方からの話を聞き、仮説を絞っていきます。生産量や品目数、人の稼働実態、レイアウト、物の動きを把握しながら実態を明らかにし、何が改善ポイントになりうるかを見ていきます。

工場改善における考え方や分析などについて事前講義でみっちり勉強したアカデミー生ですが、それを実践の場でどう使っていくかが難しいところ。

チームでずっと一緒に行動するのではなく、【全員で検討する時間】と、【分担して作業する時間】をうまく分けながら、より効率的に限られた時間での成果創出が求められます。効率よくチームで仕事を割り振るのは、リーダーの手腕にかかっています!💪

さらに、工程の改善ばかりを意識するのではなく、前後作業や作業者への影響など、全体を俯瞰して見なければなりません。

朝から夜までずっと検討しているのに、やることが山ほどありすぎて時間が足りない!なにせこの研修は2週間の泊まり込み。身体的にも、精神的にも疲労がどんどん溜まるので、抜くところは抜いて、メリハリを付けて行動しないと身体が持たない・・・😨

なるほど、これが「きつい」と言われるPコース。でもその分、学びの密度はとても濃そうです。

データによる分析が揃ったら、いよいよ具体的な改善案の検討に入ります!

目標と改善ストーリーをチームですり合わせ、改善の方向性を共有します。改善すべき工程の選出と、なぜその工程が必要だとおもったかの根拠づけまで、今回の協力企業でありクライアントである新寿堂様にメリットがあると納得いただき、実践してもらえるような改善策を練ります💭

より具体的で説得力のある提案をするには資料も大切!コンサルタントは顧客に向けた資料作成の機会が多くあります。Pコースでも先輩コンサルタントからアドバイスをもらいながら、より分かりやすく整合性のとれた資料を作成します。だれから見てもよくわかる資料をつくるというのも今回の大切な学びポイント📄🖊️

提案する

2週間+インターバル1週間の計3週間を経て、新寿堂様へ改善提案を行いました。具体的な内容は割愛しますが、提案の概要は以下の通りです。

Aチーム:かがり機1台あたりの生産性向上
Bチーム:三方断裁 1号機と2号機の稼働について
Cチーム:和光工場単体での収益改善に向けた2027年度までのマスタープラン策定

どのチームも工場の理解からスタートし、熟考に熟考を重ねて自分たちなりに練り上げた提案です。

今回の提案を聞いていた業務を熟知した新寿堂の社員の方々から、多くの鋭い質疑がありました。真剣に質問していただき、向き合ってくださることに感謝です。

新寿堂 雲野社長からはこんなコメントも頂きました。

生産には改善の余地が永遠とあるし、適切な改善をすればきちんと効果がでることに「生産はたのしい」と改めて感じた。工場からするとJMACは「神様」の感覚で、来れば「なにか改善してもらえるんだ!」と思ってしまう。JMACという看板を背負って期待されてるからこそ、効果を出して、支払った金額の対価をかえさないといけない、という意識をこれからも持ってほしい。今回は「研修」という感じが強かったと感じた。でも、これから配属されたらそうではない。これから配属されたらお客様から「先生」と見られることを忘れないでほしい。

確かにPコースは「実践型研修」ではあるのですが、あくまで「コンサルタント」として協力企業に改善提案をすることを前提にしています。「研修という感じが強い」というのはなかなか重い言葉です。

厳しい言葉もいただき歯がゆい思いもあったかとおもいますが、より一層身が引き締まったPコースとなりました。

振り返る

後日アカデミー生1人ひとりによる30分間の振り返りプレゼンが行なわれました。以下は気づきのごく一部です。

現場の人が思いつかないような施策を考えないとコンサルティングが入る意味がない。発想する際は前提を疑う+なぜJMACに依頼がきているのか考えることが大切。

現場を自分の目でよくみることの重要性を感じた。(現場の人が認識してない問題を見つける・直接対話から情報を得る)

1人で考えるのは一番よくない。他者と自分の考えを共有するなかで勝手な前提に気付けると思うので、他者の視点が入る場を設けることが大切。

根拠に基づく仮説がないと議論が発散して収集がつかなくなると学んだ。

情報を集めることに注力しすぎて、情報の海におぼれた。なにが真実で、何が無理で、何が必要で、何が不要かをわからなくなり、立ち止まった時間からロスが生まれてしまった。

さらに、今回「研修のようだ」といわれてしまった理由はどんなところにあったのかについても、それぞれ考えました。

誰でも思いつくことは「研修らしさ=レベルが低いこと」につながる。アウトプットイメージをつくるときに、はじめから施策実現のための仕組みふくめて考えることができれば要望に答えることができたのではないか。

時間がないからあきらめてしまったというのはそうだなあと思う。自分に依頼された案件なら三日三晩死に物狂いでやってたと思う。研修ぽいといわれたのはそれが理由だったと思う。

提案した施策が裏付けが乏しく、帳尻合わせのようになってしまったのが、目標を達成すればいいとなってしまい研修っぽさが生まれてしまったのだと思う。仮説を検証するためにどういう裏取りが必要なのか。現状分析に時間を費やし過ぎた。

なかなか思うように結果が出せず、苦い経験となったアカデミー生もいたかもしれません。ただこのPコースは、いいことも悪いこともすべてが学び。これから「JMACのコンサルタント」として成長するための糧となります。

これからアカデミー生はそれぞれの希望部署に仮配属され、先輩のもとで本格的に「コンサルタント」としての実務経験を積みます。

JMACの自由配属制度についてはこちら↓

夢のコンサルタントへの第一歩を踏み出したアカデミー生にご注目ください!最後までお読みいただきありがとうございました!