2016年に発表された、とても読み易く、分かり易い優れた本です。
冒頭からサスペンス小説のような緊張感で、内容にぐいぐい引き込まれていきます。正直、もっと早く読んでおけばよかったと後悔。
この邦訳タイトルと紹介文に魅せられました。
いきなり「失敗の科学」という表現ですよ。
「失敗」って、ネガティブな印象がありませんか?
それをタイトルの冒頭にもってくる大胆さ。しかも「科学」とは!
「えっ、何々???」
読み進めていくと、次から次に詳細なエビデンスをベースにした医療事故、航空機事故、冤罪事件の検証。
その道の専門家でなくてもわかり易い分析と検証。まさに科学です。
最初、わたしは「失敗の原因を追求して、失敗を避けるための方法を科学する」ための書だと思ったのですが、実はこれは半分しか合っていません。
「失敗」は必ずしもネガティブなものではなく、進歩発展のためには
ものですので、失敗を直ちに「ネガティブ」と感じるような感性を持った、まさに私のような人間を啓蒙する書であったわけです。
仕事柄、いかにミスをなくすかということを日々追求する立場にいて(それはそれで大事なのですが)、ミスに対する考え方、取り組み方については大いに反省すべき点、改善すべき点があったと思い知らされました。
何のためにミスを減らそうとしているのか?を考えたら、どういう判断をしなければならないのかは明白なのに、
に、嵌っている自分に気付かされました。
それはともかく、興味深いのは、原書のタイトルと紹介文です。
原題:Black Box Thinking: The Surprising Truth About Success
、、、んんっ?
直訳:『ブラック・ボックス思考;成功に関する脅威の真実』
なんかめっちゃ、ポジティブやん。
ざっくり要約すると、「成功は、失敗から学ぶブラック・ボックス思考を実践することによって実現する」って感じではないかと。
ここで強調されていると感じたのは、「この本を読むことによって自分は何を得られるか」がストレートに述べられていることです。
うーん、成る程。
でも、、、もしこのまま邦訳されてたら、私は果たして手に取ったかと言われれば、、、他のビジネス解説本の紹介文との差異が分かりにくくなって、、、正直、見過ごしていたかも。
「失敗の科学」
私的に、これは見事な意訳。
日本語タイトルと紹介文は簡潔明瞭で、少なくとも私にはドストライクでした。正に、この本を読むべき人に向けて仕掛けられたトラップでしたね。
、、、あまり役に立ちそうもない、極く個人的な感想でした。
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まだ読まれてない方は、是非ご一読ください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。