『小さく回りながら』

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首筋を流れる血液が
顔にかかった泥を拭うと

胃袋で飛び跳ねた黒猫は
身体中に鐘の音を響かせる

夕暮れは心臓の下には潜っていけず
堰を切ったように太陽の光が反射する

静かにしていてくれ
もう一歩も出られないんだ

一滴の汗が波紋のように広がると
くるくる回るスカートのような模様になった

青い光が走り回る街並みを眺めると
氷のように冷たくなった肩幅を見上げていた

何も知らずに 俯いた街角は
耳元でカラーパレットを押し付けたような
金切り声を浴びながら

小さな吐息が
細かく千切られた


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