「螺旋階段」

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血液はいつもと変わらず体を巡る

空っぽになったお腹の中に
私の声が虚しく響いた

傷ひとつ無い真っ白な部屋で壁紙を剥がしても
指先から悔しさが零れるだけ
笑えない冗談をどれだけ聞いたって
きみのことを嫌いになるだけ

でこぼこの無い平坦な体を辿ると
後悔の無い現実を嘔吐した形跡が散らばっていた
躓かないように気をつけて歩こう
チクタクと  ねじれていく時間の中にきみを隠して


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