費用対効果を極限まで高める採用ノウハウ

こんにちはESTADIOの坂田です。

退職エントリの公開以降、予想より多くの方から連絡をいただき、情報発信の大切さを感じています。

地方で事業をしていく中で
「何をするかより誰がするか」
みたいなことを感じているので、いろいろやってみる前にまずはしっかり情報発信することで"坂田"や"ESTADIO"の認知をとることも大切なのかなと思っていたり。

せっかく情報発信するなら、できる限り有益な情報を発信したいので、今回は僕の特に自身のある分野でもある「費用対効果を極限まで高める採用ノウハウ」について書きます。

僕がやってきたこと

これまで僕が経験してきた採用活動はざっくり以下の通りです。

  • アルバイト採用戦略の立案

  • 採用フローの改善

  • 面接方法および内容の改善

  • 採用に関する各種資料の改善

  • 採用後のエンゲージメント向上施策

  • 求人広告会社との打ち合わせ(情報収集)

実績について具体的な数字は出せませんが、採用に関することを担当するようになってからは、必ず昨対で費用対効果UPを達成し、当初数百万円発生していた年間の求人広告費を5年でほぼゼロ円にしました。
なおかつ求人広告費を下げたうえで採用人数の増加も達成しました。

"採用"は好きな分野ではないけど、間違いなく得意な分野だったと思います。


どういうスキームで変えた?

では、どういうスキームで変えたか。ですが、
まず、フェーズごとに分けて簡単に説明します。

  • 初期フェーズ
    まずは現状(なにが良くてなにが悪いのかを)を徹底的に把握し分析ました。
    もともと採用に関することは本やネットで勉強していましたが、なかなか思った通りにはいかず、かなり苦戦したイメージがあります。
    勉強よりも実践だなと思い知りました。

  • 中期フェーズ
    現状を把握・分析したら次は改善施策に着手していくフェーズです。
    なにが効果的かはやってみないとよくわからないことが多いので、最初はとにかくいろんな施策を打ち出してみていいと思います。

  • 最終フェーズ
    最後は仕上げといいますか、着手していた施策の効果をみながら、それぞれの継続可否を判断したり、継続する施策についてはブラッシュアップすることで、より効果を高めていきます。

このように、採用活動の改善は、現状把握・分析→行動着手→仕上げの3つの段階に分けることができます。

それは次に、具体的に何をどうしたのかについてです。

初期フェーズ

まず、初期フェーズでは以下のことに注力しました。

  • 費用の詳細把握
    現状はなににいくらくらいかかっているのかを徹底的に理解しました。

  • 費用対効果の分析
    それぞれの求人施策に対してどのくらいの効果があるのか。
    また、それは他の施策と比較してどうなのか。
    そして、それはなぜなのか。
    を徹底的に分析しました。

(例)
バイトルは100万円で80名程度の応募に対し、マイナビは50万で50人の応募があった。
→認知はバイトルのほうが取りやすいけどその分広告掲載料が高く費用対効果が悪い…
のような感じです。

結論としては、僕の場合は以下を洗い出しました。

  • リファラル採用での費用対効果はかなり高いが、応募数は多くない。

  • 求人広告費はかければかけるほど認知はとれるし総応募数は増えるが、応募数は鈍っていく
    100万だったら80名、50万だったら40名、30万だったら30名のようなイメージです。

  • 事前の認知さえとれれば、求人広告以外でも応募が見込める。
    バイトができない高校3年生に自社のバイトの存在を認知してもらうことで、この子達が大学1年生になった際に、会社のホームページなどから「バイトしたい」と問い合わせがあるみたいなイメージです。

  • クリック課金型の広告は、おおむね費用対効果は高い傾向にあるが、クリック後の詳細ページに不信感やネガティブな情報が多い場合はそうでもない。
    「このバイト良さそう!」と詳細ページを開いたけど、詳細を読んだら「やっぱり応募する気がなくなった」的なことが生じると、費用はかかるけど応募はないということです。

  • 応募があっても、採用して実際に勤務してもらうまでの離脱率が高い

と、まぁこんな感じです。

中期フェーズ

次に、中期フェーズです。

ここからは分析結果によって改善施策が変わるので、なにをしたら良いかは会社さんによりけりということを前提に読んでください。

僕の場合は、どれだけ応募が増えても勤務までの期間に離脱してしまうなら意味がないと思い、まずは応募数を増やすことは一切考えず、離脱率を下げることだけに集中しました。

ここで意識したのが、求職者の体験(エクスペリエンス)です。
ITの世界ではよく耳にするUIやUXの考え方に近いのですが、求職者と会社との間にもたくさんの接点(インターフェース)があり、その接点ひとつひとつにネガティブな印象が生じることで、体験(エクスペリエンス)が悪くなり離脱率が上がるという風に噛み砕いて考えるようにしました。

ちなみに社内では、この考え方をWX(ワーカーエクスペリエンス)と呼んでいましたが、あとから調べるとEX(エンプロイエクスペリエンス:従業員体験)という英語があることを知りました。笑

WXを下げるためにまずWXJM(ワーカーエクスペリエンスジャーニーマップ)というものを作成しました。
求職者が従業員になり退職するまでを以下の段階ごとに分けて考えることができる資料のようなものです。

  1. 非認知
    アルバイトの存在すら知らない状態

  2. 認知
    アルバイトの存在を認知している状態

  3. 理解
    アルバイトの詳細を理解している状態

  4. 検討
    アルバイトに応募しようか検討している状態

  5. 応募
    アルバイトに応募した状態(面接待ち)

  6. 面接
    面接を受けた状態(初勤務待ち)

  7. 初勤務
    初勤務を終えた状態

  8. 勤務繰り返し
    アルバイトを継続し勤務を繰り返している状態

  9. 退職
    アルバイトを辞めた状態

ここで一番重要なポイントはそれぞれの段階から次の段階に移るタイミングの離脱率を算出することです。

(例)
⑤応募 の時は50人いたけど、⑥面接 にたどり着いたのは30人だった
→面接到達率
⑥面接 は30人実施したが、その後採用して無事に ⑦初勤務 までたどり着いたのは25人だった。
→勤務到達率
のように各セクションの離脱率に名前をつけて数字を算出しました。

離脱率が算出できたら、シンプルに離脱率が高い箇所からテコ入れをはじめ、なにかしらの改善策を1ヶ月単位など短期的でもいいので実践してみます。

最終フェーズ

最後は、中期フェーズで実践した様々な施策の効果を検証し、効果があった施策に関しては継続し、効果が見込めない施策はスパッ!といさぎよく諦めちゃいます。

当たり前ですがそうすることで離脱率は下がるんです。
(その当たり前が難しい、、、)

「離脱率はもうこれ以上下がらない!」
となってきたらいよいよ最後の砦"応募数増加"の施策に移ります。


僕の場合は、求職者の多くがSNSなどを使用している学生などの層だったこともあり、波及力がポイントであるリファラル採用にはかなりの可能性を感じていました。

マーケティングと同じだと思うのですが、リファラルなど口コミによる応募を増やすためには、共感を生むような体験を提供するしかなかったので、採用というよりは採用後の体験に価値を足していきました。

しょうもないことですが、アルバイトの控室がまるでお葬式みたいな雰囲気で、「これで友達誘いたいとはならんわな」と感じていたので、控室で音楽流して雰囲気をよくしてみたり…

その他にも小さなことですが、いくつかの施策をするうちにまずはアルバイトの退職率が下がるという面で効果が出始め、あとに続くようにリファラル採用も増え始めました。

リファラル採用については、もう一点重要な施策があります。

それは、採用特設サイトの開設です。

これまでもリファラル採用自体は促進していたのですが、アルバイトの方々から「バイトの詳細を友人に伝えるのが難しい・面倒くさい」と言われることがたまにあったので、もしかしてみんな同じこと思ってるんじゃね?と思い、何人かにヒアリングしたところ、全員口を揃えて同じことを言われました。

この課題を打開するために、チラシを作ってみたり、動画を作ってみたりしたのですが、一番最強な効果を発揮したのが採用特設サイトでした。

会社側はアルバイトに対して「友人紹介を募集してるから、よかったら友人にこのサイトのURLを送って欲しい」と伝えて特設サイトのURLを送るだけで、これまで課題になっていた「バイトの詳細を友人に伝えるのが難しい・面倒くさい」が解決してしまうんです。

しかし、Webサイトの制作は少なくとも数十万の費用がかかるというのが大きな問題です。

僕自身もまさにこの問題に直面し、どのくらい効果があるかもわからない採用サイト制作にそんなにお金を出せるのか? ということに頭を悩ませた結果、「自分で作ってしまえ」と考えるようになりました。

サイト制作についてはほぼ素人だったので、まずは本屋さんでHTMLやCSSに関する本を買って読み漁ったりしましたが、割と早い段階でノーコードというサイト制作ツールがあることを知り、それからはノーコードの勉強をしました。

一通りいろんな種類のツールを使ってみて、個人的に一番使いやすかったのがSTUDIOという国産のノーコードツールです。

ノーコードのWeb制作ツールはWixやWebflow、ペライチなど、当時はSTUDIOより有名なツールのほうが多かったのですが、STUDIOは他のツールに比べ「ノーコードの割には自由にデザインできる」という感想を持ちました。

たまたまデザインの勉強をコロナで仕事がない時代に少しだけやっていたので、せっかくだったらデザインの自由度が高いツールがいいかなと思い、STUDIOでサイト制作をしました。

結果的にこれが大当たりし、リファラル採用が爆増しただけでなく、自社のコーポレートサイトもSTUDIOで制作したものにリニューアルすることで、サイト制作会社に払っていた保守管理費もなくすことができました。

最後に

以上が、僕が持っている費用対効果を極限まで高める採用ノウハウになります。

採用に関する課題は会社ごとに異なると思いますが、現状把握・分析→行動着手→仕上げの改善スキームはどこも同じだと思いますし、離脱率を下げてから応募者数を増やすという順番も共通するのではないかと考えています。

ESTADIOでは、このノウハウや僕の経験を活かした採用支援を承っておりますので、
「アルバイトの応募を増やしたい!」
「求人広告費を下げたい!」
などでお困りの方は、ぜひぜひご連絡をお待ちしております。


ESTADIO

代表 坂田 拓也
Email:estadiodesign@gmail.com
URL: https://estadiodesign.com

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