もらとりあむ

外に出してみる

もらとりあむ

外に出してみる

最近の記事

言葉のすれ違い

 たわいもない会話で、趣味は何かと聞かれて、哲学系の本を読むことです、と答える。すると決まって、自分も自己啓発の本読んだりしてますねーと返ってきたり、思想を謳うタイプの本(例えば『武士道』『古代ローマの哲人に学ぶシリーズ』)を挙げて、こういうのですよね、とほとんど確信に満ちた表情で確認される。つまり、相手の脳内では哲学=自己啓発あるいは哲学=思想という図式が出来上がっているわけだ。  たしかに哲学に自己啓発的・思想的アスペクトがない、というと嘘になるだろう。自己啓発にとって本

    • 2023/7/13

      今日はビジュが強い――タイプではないが――メンエス嬢を引けた。けれども、テクは皆無だった。気持ちいいと感じた瞬間は、80分のうちトータルで1分にも満たないだろう。ビジュを至近距離で拝むこととコミュニケーションをとることに二万ちょっとを支払った格好になった。まぁ仕方ない。

      • 2023/7/1

        今日のお昼頃から僕の鼻孔の周囲には、頭皮の皮脂由来であろう、曰く言い難いかぐわしい匂いが漂っている。髪の毛をサッサッと揺らしてみると、匂いが増して病みつきになる。今日はその匂いを嗅いでばかりいた。 もはや日記を毎日書いていないことすら忘れていた。忘れていることを忘れていたわけだ。忘却の忘却。そうなってしまえば、やらなかったという罪悪感を抱くこともなければ、正当化のためにやれなかった理由を用意する必要もなかった。けれども今日思い出してしまったからには、頑張って書くか、できなか

        • 2023/6/18

          ここのところ、YouTubeで「wakatte.TV」なる低俗なチャンネルを好んで視聴している。ボケ(ふーみん)とツッコミ(びーやま)のコンビが街中や大学を訪ねて、道行く人に学歴に関するあれこれをインタビューする。ボケとツッコミと書いたが、正確には、あけすけな物言いをする無法者役とそれを戒める常識人役といったところ。戯画化された学歴厨である、ふーみんがインタビュイーの通う/っていた大学に対して「Fランやないか!」「脳筋大学です!」「○○大の分際で」などと暴言を吐いた――ふーみ

          2023/6/17

          いやはや、昨日は日記をサボってしまった。このままフェードアウトもありえたが、なんとか続けていきたい。 昨日は美容室に行き、小一時間ほどジッと座って、人に髪の毛を切り続けられるという苦痛を耐え忍び、無事さっぱりすることができた。髪を切られていると、ときどき髪の毛がハサミに引っ張られて、ピキッとした痛みが走ることがある。一瞬ばつの悪い間があった後、美容師さんはそれについて謝ることなく、何事もなかったかのようにして、別の箇所を切り始める。僕は僕で、痛みを感じなかったかのようにして

          2023/6/13

          今日は、国民健康保険加入の手続きに必要な書類を申請しなければいけない。一時的に健康保険から離脱していることで、むしろ「社会」なるものの存在の一端をひしひしと感じる。 日記を書くという行為が生活に挿入されたことで、ほんの少しだけQOLが上がった。たぶん、モノローグ(独り言)の主体が文章というハッキリとした輪郭で意識されるようになり、自分の輪郭を確認しやすくなるのと、とりとめもなく曖昧に消費されていく日々に、ささやかでありながらも分節化を施して、文章という目に見えるかたちで鮮明