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3D とSNS その先にあるものは

3D Jungkook Feat. Jack Harlow
2000年代初頭のVibeを取り入れた R&B とHip hopの融合、キャッチーなメロディと歌詞、今までとは異なるジョングクの歌声。優れた歌唱力と表現力
Seven同様にステージに彼が立つ機会が増えるのだろうと楽しみにしてました。
しかし3Dは思わぬ方向に向かいます。
解釈を巡り賛否が2極化してしまったのです。

3D何が問題?

MVリリース直後から様々な賛否がありましたが、
ラップにあるABGと言う1語が一部の間で問題提起されています。
ABG=アジアンベイビーガール、アジアの可愛い女の子のメイクをインフルエンサー達が取り入れた事が由来のスラングです。
特に問題ないように思いますが、メイクやスタイルが性的消費として捉えられ易いという点から過去にはミソジニー(女性軽視)表現として捉えられていたそうです。
現在使われている解釈とは異なりますが、ABGと言いMVで同じ服をきた女性を並べる表現を問題視する声が日本のSNSで上がりました。

アメリカではどうなのでしょうか?
ジョングクのソロ活動はアメリカデビューですので活動基盤は今はアメリカが中心です。
極一部の方からは同様の声もあるようですが、
アメリカ、イギリスのBillboardでは3Dは上位入りしていますので、概ね受け入れられていると考えられます。

Photo:Amazon music 3D Streaming screen shot

本当にミソジニーか否か?

MVや歌詞を見ると、ジョングクパートは魅惑的な恋の歌となっており、私は3Dはファンにコンサートで会いたい気持ちを恋愛と準えているのだろうと思いました。
実際に彼は以前からライブ配信でファンに会いたい、熱心にファンを想っていると伝えています。
音楽は歌詞やMVの考察も楽しくアーティスト側もダブルミーニングとして楽曲を描く事は多々あります。
しかし考察は見た人の意見で本当に曲の意味を知っているのは制作した人達だけです。
曲本来の意味は自身の意見と切り離して考えないと誤解を生み兼ねません。

私は今回の3D論争の問題点は正にそこにあると思っています。
Jackのパートはディープでストレートな表現を用いています。
MVの女性が並ぶシーンとストレート過ぎる表現、五感から受け取る情報からより良くない表現として浸透してしまった方も多いのではないでしょうか?
ABGの意味を最初から知っていたリスナーはどれくらいいたのでしょうか?

私にはJackのパートも過激でありながら一途な恋愛表現やダブルミーニングがあるように見えます。
韓国からケンタッキーという表現が曲中にありますが、Jackとジョングク、お互いがコラボという形でやっと会えた事を意味していると思っています。
今回のコラボはジョングクがトラックを聴いてJackの声が思い浮かびコラボが決まったとインタビューで話しています。
(Smx Official youtube: 3D Jungkook with Jack Harolw より)
それによるとJackにOFFERをしたのはジョングク側です。

シャンパンコンフェティという言葉も性的な意味合いと結びつけている方もいますが、解釈そのものが誤訳であると私は思います。
直訳すると、シャンパン /紙吹雪
君との出会いを歓迎していると言う意味で使われていると私は解釈しています。
シャンパンはWelcome drinkに使われるお酒。
コンフェッティは幸せを願う人が紙吹雪を纏っていた事が語源となっています。(Google 辞書)
JackとJungkook、同年代で同じ音楽の道を邁進して出会った仲間。2人のコラボに対する祝杯と捉えています。
また、ジョングクはMVでシャンパンの栓を抜くように、消火栓を打ち壊しています。
2人の出会いをお祝いすると共に成功と幸せを願う。アイドルとラッパーがコラボをしている。偏見や固定概念を吹き飛ばし、新たな挑戦をしようと言っているように私は感じます。

Photo:BTS Official MVShooting screen shot 

勿論上記は私自身の解釈です。
公式レコーディングBehindはまだ出ていないので制作側の真意は今はまだ誰にもわかりません。
こんな風に見る人が違えば物語は変わりますが、真実を知っているのは本人達だけです。

第三者のイメージングとSNSの怖さ

3Dを巡る論争は何か抜けてると思いませんか?
この曲はリリース直後からSNSでは差別的として拡散された。
制作側や本人達の話は初めから何も聞けていないのに。

私はその事がとても引っかかっています。

ジョングクはリリース直後のメディア用インタビューに次元を超えて会いたいという気持ちを込めた曲と話をしていました。
(楽天ミュージック他 プレスリリースプロモーションより)
つまり彼は恋愛ソングとしてこの曲をリリースしています。作詞作曲には携わっていませんが、恋愛ソングとして想いを込めて歌っておりそこにはミソジニーの要素がない事がわかります。

制作に携わったJackはどうでしょう?
彼は作詞作曲にクレジットされていますが、他の作詞作曲家やアレンジャーの方も関わっており共同制作です。
(3D Itunesデジタルジャケットより)

今確かなのはJackや制作側はこの曲についてまだ何も発信していないという事だけです。
制作した本人の話を聞かず、Behindもない状態で何故、差別的と断定したのか非常に疑問です。
ABGは今現在は差別的な意味合いでは使われていません。
本人達の話はまだ何も聞けていませんので現時点で私はこの曲が差別的とは思っていません。
署名も賛同できないという理由があります。

1: 制作側が曲について語っていないリリース直後から差別表現として拡散された事。

2:拡散された場所が匿名でポストができるSNSだった事。

3:ポストを見る限り、最初から差別と断定してポストしていた事。
*現在のABGの意味は差別的ではありません。

4:署名を集うアカウントはこの為に作られた新規のアカウントで個人情報を預けるには信用性に欠け、匿名で署名を集う意味が不明瞭な事。
10/20を署名〆切としていましたがその日はジョンググのアルバムプロモとToo muchのリリース日。
そしてプロモは急遽延期されました。
日程は公式から事前に発表されていました。
もし意図的にその日にしたのなら、署名の目的が善意の抗議以外の理由かもしれないという点も懸念されます。

以上の事から私は賛同はしません。
過去に差別で辛い思いをした方を蔑ろにしているわけでは決してありません。

この件だけではなく匿名のSNSには拡散力を利用した扇動や同調意識が少なからずあると私は思います。
実際この問題は半日足らずで事が大きくなりました。善意の抗議だけではなく悪用する存在も否定できないと考えています。
登録すれば誰でも匿名で使え、いつでもアカウントは消せるSNSの世界。
それ故により真偽の慎重な裏付けが必要です。
しかし残念ながら世界中何処にでも繋がり誰でも見れるという意識が薄い方、拡散力を悪用する方は存在します。
プロパガンダという言葉をご存知でしょうか?
政治的広告、情報操作の事です。SNSの特徴を匠に使ったプロパガンダや第三者がイメージングする事も度々見受けられます。
情報は自分で納得するまで調べ見極める必要があると思います。

アイドルもラッパーも…

私はどんな時も本人や運営から発信される情報が全て真実だと思っています。 
何故なら、活動の全てを知っているのは本人と関わった方のみだからです。
そしてどんな時も相手の全てを知る事はできないと知っているからです。
次の仕事の兼ね合いや、クライアントとの契約で推しも会社もファンに全ては話せないのです。
プロデューサーや作詞作曲に関わるクリエイターは著作権や社会的な権利問題に纏わる事は必ず勉強します。
私は家族に音楽クリエイターがいます。間近で放送倫理について勉強している様子を見ていますがリスナーが思っている以上に学びます。
プロともなれば何度も精査して熟考してから世に出します。
3Dも作詞作曲を3人で行っています。
今回のような問題が起きた原因の1つには年齢や文化などのマーケティングターゲットの差異やそれによる認識の違いがあると思います。

白人ラッパーは以前はHip hopの世界では受け入れられ難い存在でした。
Jack自身も閉鎖的な界隈であると語っています。
彼はBlack Lives Matterにも参加しており、差別反対を訴えかけている側の1人です(Wikipedia)
そんな方が自身の楽曲に差別用語を意図的に用いるでしょうか?私はそうは思いません。

この件を巡り沢山の抗議がJackさんに集中しました。メンションでタグを送る、個人アカウントに
訴える、署名で説明を求める。
中にはJKに関わらないでとか彼のracial(人種的)に対する暴言も目にしました。
しかし、Interviewを見れば、コラボを希望したのはジョングク側ですし、Jackに対しての差別的発言や中傷は許されるのでしょうか?
それは断じて無いはずです。 

SNSは時に人の感覚を狂わせる。

自分の正義を貫く事に集中すると周りが見えなり、承認欲求からエスカレートしていく方もいる。
反対意見は受け入れず大切な人を傷つけている事にも気がつかない。
SNSでの炎上の実態は概ねこんな感じでしょう。

彼達は度々SNSで辛い思いをしています。
酷い中傷や今回のように署名が上がる事もありました。
しかし彼達も1人の人間で自分自身の人生を一生懸命生きているのです。
何事も100%を求めてしまうとお互い苦しみます。
人は他人には変えられない。
辛いなら離れるという意見は有効だと思います。
彼達はファンに提供はしますが、何一つ強要していません。
常に選択肢は自分自身の中にあります。
離れたくない、けど自論は貫きたい。
矛先を推しや推しの大切な仕事仲間に向けるのは、私は理解できません。
特にSNSで署名を集うやり方は多勢に無勢でアンフェアなやり方だと思います。
公式はMVのBio欄にご意見の承り先を必ず載せています。SNSに訴えず直接公式にフィードバックをすればいいのです。
不満や疑問、相違を感じた時、私達ができる事は自分自身の機嫌をとる事と距離を置く事だけです。
そしてそれは自分にしかできない事です。

音楽市場は常に新しい事が求められる世界。
長年活動を続けていれば方向性は変わるものです。
そしてその事情はファンには見えません。
推しも年を重ねます。今までと同じである必要はないのです。

今回、これは絶対差別、基準がどうかは関係なく過去にそう使われてたからという主張を見ましたが、現在の意味は異なります。断定はできません。
差別は人の心の中に宿るもの、そしてそれはとても難しい問題です。
今は別の意味で使われている以上、貴方の主張もまた1つの解釈に過ぎません。
大衆に訴えて1を許さないやり方は、新たな偏見や差別の温床となるでしょう。

誰もが尊重し思いやりを持つ事でしか差別を無くす事はできないと想います。
そして、それは表舞台に立つ人に対しても同じです。
誰もが同じ人間、誰もが大切な人です。
アイドルだからラッパーだから批判や意見も受け入れて当たり前ではないのです。

SNSが健全な場となり、世界中からあらゆる差別が無くなる事を願ってここに記します。
また3Dを含め音楽性が優れた作品が大衆の意見に塗れ埋もれてしまう事なきように願っています。

自己紹介:GukuHappy3

洋楽、クラッシック ,Hip hop ,Kpopなどノンジャンルで音楽に触れている音楽オタクです。
BTSの音楽と共に9年間、過ごしてます。
意見の1つとして捉えて頂ければ幸いです。

Photo/BTS Official twt /Amazon music 
参照サイト:Jack Harlow 経歴/Wikipedia 
Jungkook interview /Smx 3D Jungkook with Jack harolw

文中敬称略にて大変失礼しました。

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