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もう一つのロボット、RPAは普及が加速と言うが?

こんにちは。生産性を追求し、中小企業の支援ができないかいつも考えております。

さて、いつものメカ的なロボットから今日は離れて、もう一つのソフト的なロボットであるRPAについて書いていこうと思います。

タイトルにある通り、ニュースではRPAは普及が加速していると言っておりますが本当でしょうか?という話です。


RPAって知っていますか?

最近割とはやっている単語だと思いますよ。Robotic Process Automationの略称ですよね。ここ数年急激に流行りだしてきたもので、ホワイトカラーの効率化を目指すツールです。

ウィキペディアには以下のように書いてあります。

ロボティック・プロセス・オートメーション(英: robotic process automation、RPA)は、ソフトウェアロボット(ボット) 又は仮想知的労働者[1]と呼ばれる概念に基づく[2][3]、事業プロセス自動化技術の一種である。デスクトップ作業のみに絞ったものをロボティック・デスクトップ・オートメーション(RDA)と呼び、RPAと区別することもある。

簡単に言うと、Excelのマクロ機能のようなものですね。唯一の違いは、マクロの場合にはワークシートが必要ですが、RPAの場合にはワークシートは関係ないってことかな。


なぜRPAがもてはやされたか

これはシナリオという作業手順を作ることにより、いかにも作業者がパソコンの前で作業をしていると同じような作業を実行し、人作業を置き換えられるからです。

検査などで使用されるキーボードシミュレータのようなものとの違いは、ディスプレイ画面内に表示されるボタンが押せることなんです。

キーボードシュミレータはキーを押す順番を自動で実施するだけで、そのキーを押したことによる画面変化を認識してキーを押すことができませんが、RPAはそれができるのです。

できると言ったって、画面を自動認識するわけではなく、画面に表示されるブラウザやアプリのボタン位置を座標として学習させ、その座標位置を押すので、いかにも画面認識をしているように見えるんですね。

したがって、大きな落とし穴があります。

シナリオを作った画面解像度と、実際にRPAを動作させるPCの画面解像度が違うと、ボタン位置がずれてしまいますので機能しない不具合が発生します。

実はこれは教わらないと分からない内容なんですね。


RPAの適用目的は自動化ではない

そもそも、RPAを適用するに当たっての根本的目的を自動化においている起業は、その時点でオワコンですね。

RPAを導入するためには、業務棚卸しが必要なんです。この業務棚卸しをせずに、そのままRPAに自動化させてしまうと、無駄な仕事を残したまま自動化してしまうので、余計に業務プロセスのムダが見えなくなってしまうのです。

本来、RPAを導入する前に業務棚卸しを実施して無駄作業を排除すると同時に、プロセス連携の再構築を行い分断されていたプロセスと統合したり、順番を変えたりしてリビルドします。

出来上がった業務プロセスの内、人がすぐに作業しなくても良いような作業をひとまとめにして、夜間バッチで自動的に実施することがRPAの本来の目的だと思います。

人がやらなくても良い作業を人が続け、そのつなぎをRPAが行うなんて、結局は何も効率化がされてないに等しいことになります。

メカ・ロボットにも言える共通的な内容ですね。


RPAアプリを入れたから導入が進んでいると考えるのは危険

さて、ニュースでよく普及が進んでいると話題になることをよく読むと、アプリの導入社数が増えたからという事が非常に多いです。

そもそも、アプリを買えば導入したと計数する事自体が間違って居ると思うんですよね。

また、何千社に導入されたと言っていますが、系列会社を別々にカウントすれば、導入社数を増やすことはいくらでもできます。

つまり、系列会社に対して親会社が入れろと命令を出し、アプリを購入させれば各社が導入したと計数してしまうのですから、実態とは全然あっていないと思います。

ましてや、大手と下請けのような関係の場合、大手から送られてくるデータは、急に来ることも多いでしょうから、下請け内ではプロセスの標準化というのもかなり難しいと思います。

RPAを導入するに当たっては、無駄を省いたプロセスの標準化が最も重要ですから、ここができていない会社は入れても宝の持ち腐れ以前に、目的が明確になっていないのではないでしょうか。


Outlookに自動で予定を入れられるのがRPAの仕事か?

この前読んだ記事の中に、RPAでユーザーのOutlookに自動的に予定を入れられるようになったという記事がありました。

思わず笑ってしまいました。

予定はユーザーが自分の業務に関わるものに対して、自分で入れていくものであり、会議のような共通的なものを自動で入れたからすごいというのはナンセンスだと思います。

もし会議の予定を入れるのであれば、Outlookから会議開催通知を発行し、受けた人が自分に関係有ると判断し、承認すれば自動的にスケジュールに登録されますので、RPAを使う必要すらない。

あえて言うのであれば、月例会議予定をRPAがOutlookを使って作成し、自動配信するというのはアリかもしれませんが、そんなのは月末1回の処理で良いので、RPAにする必要が有るかですね?

RPAの業務って翌々考えていくと、2000年頃に流行ったEUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)と同じなんじゃないかなって思います。

業務のタスクが明確になっており、標準化ができていれば、RPAを使わなくても自動化ができていくわけですので、RPA自体本当に必要なのかがこれから問われるのではないでしょうか。

一時期の盛り上がりからはだいぶ下火になってきているように思います。

AIと同じで数年周期で盛り上がるアイテムになりそうですね。


じぇいかわさきです。生産技術者として35年、今まで培った経験とスキルを元に、ものづくりに関わる世の出来事に対して思ったことをホンネで書いてます。ノウハウやアイデアもありますよ。 また写真も全力で撮っています、気に入った写真があればサポートや感想をぜひお寄せください。