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陰キャラなら電子工作をやれ!~「ハルロック」読み~

表題を露骨に便乗したタイトルにしてみました。

この本自体は直接知ったというよりは、少し変わった経緯がありまして。

日本橋の電気屋で「CH55xでどうでしょう」という書籍を見つけたことにあります。
CH55xというのは、電子部品といいますか、小さなマイコンで、プログラムを組んであげたらちゃんと動く、立派なコンピュータですが、基盤に乗っている姿でも5cm角ほどもない、小さいけど、用途によってはそれなりに使えるコンピュータだったりもします。
先日自分が作っていた電車でGo!コントローラなんかも、用途を限定すれば使えるかも知れません。

で、その書籍の中で、著者の秋田純一さんが熱烈に推していた漫画が、表題の「ハルロック」という漫画です。全4巻で完結しています。
(ちなみに、その縁でか、CH55xでどうでしょうの挿絵も「ハルロック」の作者の西餅さんに描いていただいたようです)

「ハルロック」は、小さい頃、ドライバ片手に分解魔だった女の子・向坂晴が、高校生の頃に電子工作に目覚め、周囲の人を巻き込んでいく、というお話です。

話として、すごく大きな何かがあるわけではなく、日常系といえばいいのでしょうか?電子工作で世界を救ったりするような話ではありませんが、友人が憧れの人とちょっと仲良くなれたり、お化け屋敷がちょっとおもしろくなったり、という感じのほのぼの(ときに電子工作あるあるトラブル)で進んでいくお話です。

この作品の魅力は、その1話目にあります。晴が小さい頃に封印した「電子機器分解魔」の血が、高校の電子工作好きの教師と遭遇したことで、電子工作好きとして覚醒する、その瞬間にあります。ここは是非本編でご覧頂きたい。(後述しますが1話のこの場面は下のリンクで読むことができます)

この瞬間のこの表情が、この漫画のすべてを物語っているんですよね。ものを作る人は、たとえ文章でも工作でも、この瞬間に出るドーパミンようなものを知っていると思うんです。

そして、女子高生でも、女子大生でも、電子工作やってもいいじゃん、というLGBT的なですね(そこまで大げさではない)
ただ、この電子工作が好きでオシャレには興味がなくて仲間内でも浮き気味の晴さんが、どんどんその世界観で周りを巻き込んでいくお話は、ものづくりが好きな人、またオタク気質な人は、わかると思うんです。
話は静かに進むけれど、とても熱い話です。

最近になって、自分もやっと、論語でいうところの知命の歳(=50歳)に近くなってきて思ったのは、結局プログラマの仕事をずっとやってきて、Web開発や業務系開発などもやってきましたが、この「ソフトとハードの間」が自分にあっている、というのを再確認して、再び、趣味の世界で電子工作をじっくり取り組んでみようと思った、契機になった作品だったりもします。

ゆるく、そしてときに笑わせられる(第3話の「クマのぬいぐるみ」は、この手のエンジニアあるあるですね!)そんな世界も、どうでしょうか?
第1話はこちら↓で読めます!
https://comic-days.com/episode/10834108156631542126

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