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自分の考えを言葉で伝えることが出来るようになったADHDの生徒。

ADHD特性の生徒を1年以上担当してきて、

変わったな

と感じることがあります。
(「成長した」と言うと上から目線なので書きたくない)

どう変わったかと言うと色々ありますが

自分の考えを言葉で伝えることが出来るようになった

ということに凝縮される気がします。

1年前、授業中には椅子に寝そべってただただ怒られただけの生徒が

「○○高校って難しいの」
「○○君ってどこの高校に行っているの」
「数学のテストが23点になった!(前回4点)」

と興味を持って話してくれたり、報告してくれたりするようになりました。

今回はそのADHDの生徒に変化が訪れるまで、どのように接してきたかを綴りたいと思います。

もちろん生徒自身が自然にADHDが落ち着き始める年齢でもあったことが大いに関係しているとも考えられます。

あくまで、ばぁ~ばの主観であることをご了承ください。

話を聞いてくれる大人の存在

その生徒は鉄道が大好きです。

ADHDの症状が今よりも強かった1年前、私は彼に勉強をさせるよりも

「○○線の○○駅から順番に駅名を言ってみ」

など、好きなことに取り組んでもらう作戦を実行しました。

その時から、

「この人は電車の話をさせてくれる」

という情報がインプットされたのか

「○○線のホームドアのカタチってこうだよね?」

「先生が昔使っていた○○線の車両ってこういうカタチ?」

としきりに話をしてくるようになりました。

そうしてその生徒の好きな話を共有してあげることでまずは関係性を作りました。

自分の話を聞いてくれるということを認識してもらうことで、こちらの話にも耳を傾けてくれるようになりました。

自分のペースで学習出来た環境

その生徒はとにかく勉強が嫌いでした。

勉強よりも電車の話をするのが好きだからです。

とはいえ、その生徒を預かっている間は勉強をしてもらわないとこちらも困ります。

詳細は後述しますが、とにかく出来ないことを咎めるのではなく、出来るような仕掛けを作ることを意識しました。

学習時間中にどうしても電車の本を読みたくなってしまったら、とりあえずまずは好きなことをさせるという戦略も取りました。

また時には寝てしまうこともありましたが、ガミガミと声をかけて起こそうとせず、時には寝かせるという選択肢も取りました。

ただたとえ寝てしまうことがあっても、次の時にはしっかり学習に取り組むことは出来ていたのです。

その結果、その生徒にとって

「安心して自分のペースで学習に取り組める環境」

になっていきました。

同じ趣味を共有出来た友達の存在

最初に述べたように私が電車の話に付き合ってあげたとしても、ずっとその生徒を担当するわけでもなければ、ずっと話に付き合えるわけではありません。

そこで打った次の仕掛けは

生徒同士の関わりを増やす

ということでした。

同じ施設で同じレベルで電車好きな生徒と同じ教室や隣の席にすることによって、

好きな電車の話が出来る仲間

が近くにいることを認識させました。

結果、その友達がまた電車好きの友達を引き合わせ、今では学習時間が終わった後、4人で電車談義をするのもまた楽しみで施設に通っているような状態です。

学習時間が終われば話の合う友達と好きな話が出来る

その見通しが立つので、心のゆとりが出来ました。

まとめ

もちろん、学習中に落ち着きがなかったり、眠ってしまったりすることは今でもあります。

学校の成績は平均的な生徒と比べたら下位です。

ただ、前述のように

自分の考えを言葉で伝えることが出来るようになった

という変化が出てきたのはその生徒なりの前進であることは間違いないと思っております。

今回は

自分の考えを言葉で伝えることが出来るようになったADHDの生徒

を紹介しながら、そのADHDの生徒に変化が訪れるまで、どのように接してきたかをばぁ~ばの主観で綴りました。

是非、参考にしてみて下さい。

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