おしべをだきしめて〜ちいさなみつばち〜
つぎつぎに
めぶいていく
花ひらいていく
うつくしいもの
いとおしいもの
ふくれあがり ほころんだ
菜の花たちの その合間
いきいき
羽音を響かせて
飛び交う たくさんの
ちいさな虫
菜の花を かきわけて
畑を歩いていた ある日…
うごかない
ミツバチが1匹…
菜の花のおしべを だきしめたまま
そのミツバチは 亡くなっていました。
そこがよかったの?
ミツバチそっと 大地に かえして
菜の花 はらはら たっぷりまいて
この春 いちばんに
この世界を
そのすてきな羽音で みたしてくれた
ちいさなものたち
また大地へ かえっていくね
散歩道でも 畑でも
たまにみかける ちいさな虫の亡骸たち
そのほとんどが 花や草にしがみついて亡くなっていて
もしかしたら 虫たちは
お気に入りの 草や花で
さいごの時間を 過ごすのかしら?
そのすてきな色と香りに つつまれて
おひさまとお月さまに まもられて。