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【心の主は自分であると自覚する】

ダンマパダという経典の中に

「心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく。その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。」

という一節があります。

人間は普段「心」によって「動かされて」います。

こうしたい、ああしたい。

眼 さまざまなものを見て
耳 さまざまな音を聞いて
鼻 さまざまな香りを嗅いで
舌 さまざまなものを味わって
触 さまざまなものに触れる

美味しそうな香りがしたら食べたいと「思い」
好きなブランド品を見れば欲しいと「思い」
誰かの喋っていることを聞いて嬉しくなったり腹が立ったり。心は外部からの影響でころころとたやすく変化してしまいます。

「心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく。」


とあるように心は放っておくとわがままなサルのようにいろんなところに行ってしまいます。

「思わず〜してしまった」

ということがあります。
例えば
「腹が立って思わず言い返してしまった」

これは思わずというより
湧き上がる強い感情(思い)によって考える隙なく行動(〜してしまった)ということであります。

腹が立って感情に反強制的に動かされてしまった行為は、後悔することがとても多い。

しかし「心の主は本来、自分」であります。

その心を主である自身がおさめなければなりません。

欲や怒りによって動かされる心を主である自身がしっかり管理する。

これはとても大切です。

ただ感情をコントロールするのはとても難しい。
そう簡単にできるものではありません。

そこで仏教では感情と上手にお付き合いする実践方法を教えてくれています。

これを実践すれば、どんな状況においても少し冷静に考え、行動することができるようになります。


実践方法、それは

「心を観じる」

ことです。

もう少し具体的にお伝えすると、
腹が立ったときや緊張したとき、そのときの自分の感情を俯瞰してみる。

「あー今すごく腹が立ってるなぁ。そのせいで言い返しそうになってるなぁ」
「今すごく緊張してるなぁ。そのせいで顔が赤くなり手が震えてるなぁ」

というように客観的に自分を観じてみる。

そういうふうに自分を観察することで、滑稽な自分に少し冷静になることもありますし、また自身の心の性質をよく知ることができます。

【如実知自心】
実の如く自心を知る

仏教では自分のことをよく知りなさい、と説いています。

自分の心を深く知ることで、自分の得意な状況、不得意な状況、力の出せるところ出せないところを理解することができます。

外部のことを意識してしまいがちですが、一度自身の心と向き合いよく知るという仏教の知恵、参考にしてください。

そして管理することはとても大切なことです。

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