寺宇治路 進

名前は "じうじろ すすむ" と読みます。 小売チェーンにて店舗…

寺宇治路 進

名前は "じうじろ すすむ" と読みます。 小売チェーンにて店舗店長、商材バイヤー、スーパーバイザーを20年経験。 消費者に密接したビジネスを消費者目線でみていきたいと思います。

最近の記事

フェアプレー

かつて勤務していた店舗でのこと。 ある土曜日の朝、店舗に出勤してみると30台程あるお客様駐車場が開店前だというのに満車だった。 思いかえせば先週の土曜日も開店前の無断駐車が15台程止まっていた。 駅から離れた店舗で近隣に特別な施設もないその店舗で無断駐車が多いのは、それまで近隣の学校で運動会がある時ぐらいだった。それでも満車ということはなかった。 店舗のPCで調べてみると、すぐ近くの中学校でサッカー大会の予選が行われていた。 予選大会はさらに2週間続く予定だった。 なるほど、

    • 出版取次店のシステム障害の原因がアマゾンサーバー障害。 なんという皮肉。 リアル書店はアマゾンのサーバーに日々アクセスしていたという現実を知らされた。

      • 一家団欒

        「食事中の会話は行儀悪い」と教えられた人も多いかと思う。 父は食事中は話はしなかった。大事な話は食前か食後だった。 反対に母は食事中にその日の出来事を話すように教育した。 日本人は元来、食べ物の入った口の中を見せる事は良くないこととしていた。しかし、昭和の "ホームドラマ" では食事のシーンこそが一家団欒の象徴だった。寺内貫太郎一家しかり。時間ですよ。しかり。ムー一族では樹木希林と郷ひろみがお茶碗でご飯のキャッチボールまでしていた。 いつしか日本人は食事中のコミュニケーション

        • なせ書店は自粛対象外にならないのか

          緊急事態宣言が発令された。昨日、西村経済再生大臣は理美容とホームセンターは自粛対象外とする旨を発表した。 ホームセンターを対象から外すことはとても評価できる。ペットの餌や生活雑貨の購入だけではない。秋の台風15号の被害は忘れられがちだが、実はいまだに復旧がなされていないエリアが多くある。 その工事を行っている下請け業者の多くは近年、資材の供給元をホームセンターに頼っている。今回、緊急事態宣言の対象になっている千葉県は、特に台風被害が大きかった事を考えれば、ホームセンターの

        フェアプレー

          新型コロナウイルスと正常性バイアス

          私の周りを見回すと新型コロナウイルスの拡大以降も「マスクをしない」「飲みに誘う」「検温を嫌がる」等の一見非常識とも思える行動をとる人が多数見受けられる。総じて年配者に多い。 戦後の混乱期を乗り切り、安保闘争を戦い抜き、オイルショック、冷戦、幾多の震災をくぐり抜け、リーマンショック後もなんとか生活基盤を整えてきた人達にとっては、今回もいつも通り「なんとかなる」という "正常性バイアス"が掛かった状態になっていると思われる。 だが今回は違う。 自分が乗り切るのではなく、自分

          新型コロナウイルスと正常性バイアス

          正月休業と働き方改革

          明けましておめでとうございます。 さて、一部の大手コンビニエンスストア、外食チェーン、百貨店等が元日営業を行わない方針を打ち出した。日経新聞によるとパルコは「従業員の働き方に配慮して」という。 このように今回の元日休業を「働き方改革」で括る報道に僕は大変違和感を感じている。 たしかに今年は正月休みが長期にわたり運営スタッフの手配が困難であったり、ネット通販各社の正月セールがあり、リアル店舗の正月営業は費用対効果を考えれば見直しが必要だった。 正月の休みを取る取らない

          正月休業と働き方改革

          飲食店のタブレット注文にご用心

          先日久しぶりに妻と牛丼チェーンのすき屋に行った。店内に入って驚いたのは、レジがセミセルフになっていた事。そして、注文はすべてタブレット端末を使う「セルフ・オーダー」になっていたことだ。イートインでもテイクアウトでも同様である。テイクアウト用はレジ横にタブレットが設置されている。サービスエリアの食券発行機のような操作感である。カウンターにもタブレットが席の数だけ設置されているので、座って端末をタップすれば厨房とセルフレジと連動して速やかな注文と会計をする事ができる。 オー

          飲食店のタブレット注文にご用心

          大塚久美子社長の赤いスーツ ~企業改革をファッションから考える。

          なぜ赤いスーツを彼女は選んだのか。 記者からの質問に彼女は「あかるい気持ちで(記者会見を)やりたいから」と答えた。 極めて明解だ。 しかし少し短絡的だとも思える。 企業内のガバナンスの強化を掲げ、創業者の父から経営を奪取した久美子社長に、当初はマスコミも(僕も)期待した。父である前社長勝久氏のハイエンド向き施策は、高齢化社会にマッチした考えで確実ではあるが、将来を見据えて裾野を広げる施策を今から打つ久美子社長の提案も納得できるものだった。 成功した創業者は、その

          大塚久美子社長の赤いスーツ ~企業改革をファッションから考える。