【ラグビーワールドカップ】なぜイングランドだけBKがキャプテンを務めるのか

いよいよラグビーワールドカップも準決勝と決勝(3位決定戦も)を残すのみとなりました。残り4試合。11月2日を過ぎればラグビーロスに陥ることが目に見えていますが、それでもどの国がウェブ・エリス・カップを掲げるのか、期待に胸が膨らみます。

個人的にはイングランドに期待!そして決勝はイングランドと南アフリカの試合になると予想します(期待も込めて)

そんなイングランドについて今日は僕のラグビー原体験の話も交えながら現代表チームのキャプテン、ファレルについて話したいと思います。

イングランドのキャプテンはオーウェン・ファレル。僕が大好きなラグビー選手の一人。ポジションはバックス(以下、BK)でSOかCTB。このBKの選手がキャプテンを務めていること、実は意外なんです。ベスト8に残った他の7ヶ国のキャプテンは全てフォワード(以下、FW)の選手が務めています。細かくは調べていませんがワールドカップ出場国のキャプテンの多くはFWの選手が務めているのではないでしょうか。日本のリーチ主将然り。確率論で言えば53%(15名中8名がFW)ですが、おそらく「キャプテンFW率」は90%超えるでしょう。これには理由があります。

ラグビーはよくキャプテンが重要と言われます。それは他のスポーツと異なり、試合中に監督から直接指示を出せないからです(監督がスタンドから観戦している様子がテレビでもよく映し出されています)従って、試合中に起こる様々な状況に対して、選手自身が判断を行い、意思決定をしていかなければなりません。その中でキャプテンが皆の意見をまとめ、チームとしての意思決定を決める為、とても重要という訳です。

ただ、それだけではFWの選手がキャプテンを務める理由にはなりません。
なぜキャプテンはFWが多いのか。

この理由は、身体を張って背中でチームを牽引することがなによりも重要だからと考えます。とてもシンプルですね。最前線で身体を張り続けることこそキャプテンに求められることと僕自身は考えています。頭を使うスポーツではあるけれど、やはり人間の本能として強い人間についていきたくなるもの。先陣切って相手を倒す・突っ込んでいける選手がキャプテンになるにふさわしいと思います。身体張らない選手がどれだけ偉そうなこと言っても誰もついていきませんよね。

そこまで考えたときに、ぼくの母校・啓光学園(現在・常翔啓光学園)でも同じだったなと思い出しました。歴代キャプテンは皆FWの選手が務めてきました。例外的にBKの選手が務めることはあっても上述の通り、90%はFWの選手。当時のラグビー部顧問の記虎先生はどれだけ我慢して痛いことを率先してできるか、を選手に常に問うていました。ディフェンスできない選手はキャプテンどころかレギュラーになれなかったのです。ぼくの世代では、超高校級の攻撃センスを買われ高校日本代表に選出されるも、ディフェンスに難ありとして啓光ではレギュラーになれなかった選手がいるくらいです。

やはりキャプテンともなればチームで一番身体をぶつける選手が望ましいのではないでしょうか。そうすると最前線で肉弾戦を演じるFWの選手から選びたくなりますが、イングランドでは上述の通りBKのオーウェン・ファレルがキャプテンです。

そんなことを考えながらイングランドとアルゼンチンの試合を観に東京スタジアム(味の素スタジアム)へ行きました。そこで見たのはBKでありながら、ハードタックルで相手がFWだろうがBKだろうが構わずなぎ倒し続けたファレルの姿です。
そもそもCTBというポジション柄、タックルの回数は増えるポジションです。ただ、この日は相手FWの突進を防ぐ為、時にSOの位置に入って(SOのジョージフォードと代わって)ディフェンスするシーンも見受けられました。自ら相手FWの挑戦を受け、味方FWを鼓舞し続ける姿を見た時にはしびれました。これぞキャプテン!
ファレルは容姿も格好良くキッカーを務めていることもあり華やかな選手にも見えますが、その本質は泥臭くファイトするタックラーです。
ますます彼のファンになりました。

次のイングランドの相手は世界最高峰のオールブラックス。準決勝という最高の舞台。ファレルも気合い十分で挑むことでしょう。強い強いオールブラックスですが、それでもファレルの身体を張ったキャプテンのプレーに注目せざるを得ません。キッカーとしての役割も重要ですが、ぜひそのディフェンス力にも注目して欲しいと思います。

頑張れ、イングランド!頑張れ、ファレル!

あ〜、ラグビー本当楽しい!



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