「これからの働き方」は「無駄な競争」をしないこと
「キャリア」「差別化」「これからの働き方」「これからの仕事術」・・・
こういう意識高い系の言葉が流行ってる現代社会のサラリーマンに問いたい。
そろそろウンザリしてきません?
もう「上を目指すこと」「競争」を辞めませんか?
「上を目指すこと」「競争」を辞めればストレスも出費も抑えられる
「出世競争で上を目指したい」
「仕事で頑張って自分の存在価値を証明したい」
実はこういう考え方が、ストレスの増加=「仕事つまらない」につながり、さらには人生の貴重な時間の損失にもつながっています。
また、間接的に金銭的な出費にもつながっているんですよね。
「無駄な競争」の背景には「無駄な見栄」や「無駄な意地・プライド」が隠れているからです。
このような心理が、高級品・高級車への出費、美容やエステなど見栄えへの出費、他人の目線・世間体に伴う出費などにつながりかねない。
しょうもない競争なんてやめて、もっと「自分のやりたい仕事」とか「自分が楽しめること」とか「自分が熱中できる趣味」とかに時間とお金をかける方がハッピーだと思いますよ。
総下流時代なんて言われてるけど、無駄な競争に伴う金銭的出費・時間的出費を切り捨てていくことで、収入が少なくても時間を有効活用して楽しく生きることができるのではないかと。
どのみち、今後は競争の相手が「AI・人工知能」「機械」に変わっていく可能性があります。
「競争しても勝てない」「競争するだけ無駄」になっていくと思いますけど。
現代人が働く上で意識すべき「大事なこと」は以下の2つです。
・無駄な競争をしない
・無駄な競争を仕掛けてくる人に近づかない
「無駄な競争」はあなたの意思ではなく「遺伝子の指示」
よくよく考えると、仕事に限らず人生の各ステージで、我々は無駄な競争をしてきているんですよ。
例えばこういうのね↓。いや~、俯瞰して見ると、こういうの痛いねw
・小学生:学校にゲーム持ってきてドヤる
・中学生:俺のがケンカが強いとドヤる
・高校生:俺のがモテるとドヤる
・大人:俺のが仕事ができるとドヤる、年収が多いとかドヤる、高級車やブランド品ドヤる
私が最近よく読んでいるものに進化心理学関連の書籍やコラムがあるのですが、以下の記事などで「人が無駄な競争をしてしまう根本原因」について触れられています。
群れで生活する動物が、お互いに競い合うのはなぜだろうか?究極的に言うと、自らの遺伝子の保存のためだ。動物が遺伝子を残すためには、自らの身体の生存確保と再生産(=reproduction, 生殖)という2つのミッションを達成しなくてはならない。
いったいなぜそんな生物学的目標を目指さなくてはならないのか?──べつに目指さなくてもよいのだが、目指す気が(全く)なかった個体とその遺伝子は淘汰され消えてきたため、現在生き残っていないのである。
進化心理学を知らない人のために簡単にまとめると、以下のような感じ。
・「人」とは生殖して遺伝子を残すことを目的とした機械
・自分の意思とは関係なく「遺伝子の指示」で行動を制限されている
・「遺伝子を残すため競争せよ」という「遺伝子の指示」が出ている
あなたが「○○をしたいなぁ」と感じたとき、その感情はあなたの自由意思であるとは限らず、「遺伝子によって思わされている」可能性があるということです。
我々は生物的には"サル"なんですけど、現代社会は既にサルの社会ではなくなりつつあるんです。
生殖以外にも、人の人生には楽しめるものや熱中できるものが無数に存在します。
「生殖のみを目的とした遺伝子の指示」によって、現代社会で非効率となる行動を強要されて人生を楽しめないというのは、非常に馬鹿らしいと言えます。
無駄な競争についつい参加してしまう人や、他人に見栄を張りたいドヤりたいと考えてしまう人は、それが本当に自分の意思によるものか考えてみるといいかも。
「無駄な競争」を避ける2つの視点。「無駄な競争」と「必要な競争」の違い
無駄な競争を避けるために必要となるのは以下の2つの視点です。
・①自分の意思や感情を信じないこと
・②競争に伴う費用対効果を考えること
①は前述したとおり、自分の意思や感情は、自分の自由意思ではなく遺伝子の指示で誘導されている感情である可能性があることを理解することです。
その上で、②の競争の必要性・合理性を客観的に考えることが大切です。
例えば、ある社員Xが提案した仕事の進め方でグループ全員が合意しかけていた時に、社員Yが意固地になって明らかに劣っている対案を主張していたことがありました。
社員Yは社員Xを指導していた先輩だったのですが、今では社員Xの方が出世し立場も給与も上になっており、社員Yは常日頃から「社員Xは後輩なのに生意気だ」とボヤいているという背景があります。
これは明らかに「無駄な競争」と言えるでしょう。
社員Yがグループの利益のために対案を主張しているなら「必要な競争」と言えますが、このケースは明らかに自身の嫉妬心と意地・プライドから「無駄な競争」を仕掛けているからです。
グループの他メンバーを巻き込んでいるので、むしろ迷惑(無駄に騒いで仕事を遅延させただけ)。この社員Yはしばらくしてプロジェクトからアサイン解除=契約終了となりました。
これが無駄な競争を仕掛けた人の末路です。
「無駄な競争をしない」「無駄な競争をする人に近づかない」ことの重要性が理解いただけましたでしょうか?
なお、全ての競争が無駄であるわけではありません。
競争に伴うコスト・労力、勝率見込み、競争の結果得られるリターンを考えた上で、競争に参加するのが合理的と考える場合は「必要な競争」と言えます。
特にビジネスマンの場合、他社・競合との競争は避けられないでしょう。
ビジネス的に収益を上げられるならば積極的に競争する、利益にならなそうであれば競争を避けて撤退する、等の判断は常に必要になります。
遺伝子の指示による「無駄な競争」は、「見栄」や「意地」などの形で現れます。
無駄な競争に囚われることなく、オトナの判断で必要な競争をコントロールできるようになりましょう。