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2×2マトリクス図を使いこなしてスライドを整理する!【超有名マトリクス図6選】

マトリクス図は物事を整理するのに非常に有用です。コンサルタントには必須の考え方ですし、もちろん普段の資料作成でも頻出です。

本日は、マトリクス図の中でも2×2の4マスで整理できるデザインに絞って、6つほどご紹介します。いずれも超有名フレームワーク・ビジネス理論ですので、ビジネスパーソンならば、誰でも知っておいて損はないでしょう!

1|PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント

ボストンコンサルティンググループが開発したと言われる複数の事業の優先順位やリソース配分を検討するためのフレームワークです。横軸に自社の相対的市場シェア、縦軸に市場の成長率を配置します。

ちなみに、昨今のWeb業界では「ポートフォリオ」と言えば、主に就職等で自身のデザインスキルや制作経験を示すWeb上の作品集、作品のまとめサイトを指すことが多いです。
おそらくそういった影響もあるのでしょう。最近ではPPMよりもBCGマトリックスと呼ばれているそうです。

(まあ、呼び方はなんでもよいのですが・・・)

このマトリックスの良い点は、2×2のマトリックスに分けることで、単に内容が整理されただけではなく、今後、事業としてどのようにアクションすればよいのかがわかる点です。例えば、金の成る木はそのままで利益が確保されるのではなく、そこのキャッシュをいかに他の分野へ投資していかなければならないということがわかります。

素晴らしいマトリックスは、このように常に示唆的で行動につながる気づきがあります。

2|アンゾフの成長マトリックス

アンゾフの成長マトリックス

英語ではアンゾフ・マトリックスとも呼ばれている経営学者イゴール・アンゾフの名を冠した有名マトリックスです。60年以上も前に発表されましたが、今でも十分に通用します。

縦に市場、横に自社製品を並べて、それぞれ新規×既存の2×2のマトリックスにします。それぞれどのような視点に成長機会を導き出せるのかということを表しています。

左上「市場浸透戦略」であれば、既に市場も存在し、自社の製品も存在しているのですから、売上やシェア拡大のために、販促を行ったり、価格を安くしたり、市場に浸透させるための戦略を取ります。逆に右下「多角化戦略」では、市場も製品もまだないところに打って出るということです。それは既存事業からの多角化を意味します。

3|仕事の優先順位・時間管理のマトリックス

仕事の時間管理・優先順位のつけ方

これも有名なマトリックスです。目の前の緊急の仕事に追われるのではなく、本来の重要なやるべき仕事を行う必要があるという考え方です。

横軸ですが、影響度ではなく重要度と解説する記事が世の中には圧倒的に多いのですが(※アイゼンハワーマトリックスではそうです)、個人的には影響度とする方法がよりしっくりと来たので、今回は影響度で作成しました。(「コンサルを超える問題解決と価値創造の全技法」(名和高司著)などを参照してください)

重要と考える基準・定義は人それぞれ違います。金額の大きさで考えたり、上司から「この仕事はすごく重要なんだ」と声を大きく言われれば、それは重要なんだと思い込んでしまう人だっているでしょう。

人によって考える基準の違う重要度より、その仕事が会社や周りの人にどれだけインパクトがあるのかー影響範囲・影響度を軸とするのが、私の好みです。

〈※1UP解説〉
「優先順位4」ではなく「しない」と記載しているのも理由があります。優先順位を記載してしまうと、どうしても「時間があまったらまあやってもよいかな」みたいな心理が働くからです。「しない」と決めて優先順位1~3の仕事に集中しましょう。

4|SWOT分析・クロスSWOT分析

クロスSWOT分析

SWOT/クロスSWOT分析も超有名なマトリックスで、コンサルティング業界でなくても普通に使います。作成のコツですが、いきなりクロスSWOTを作ろうとせず、まずは落ち着いて内部(自社)の強み、弱み、外部(市場)の機会、脅威の4点を一つづつ洗い出しましょう。その後、上記の図のようにクロスを作成します

SWOT分析は、あくまで対応策を検討するためのフレームワークであり、それぞれの優先順位やその対策自体が正しいかということまでは示していません。
例えば、市場機会(+)があり、自社が弱み(ー)における対策では、資料内で記載した提携や協業以外にもM&A、新製品開発など様々な策が考えられます。もちろん、あまりにも自社の弱みが大きい場合は、いくら機会がプラスであっても撤退ということも考えられます。

そのため、クロスSWOT分析よりも(の方がカッコイイですが)、まずは、その前にSWOT分析で現状を洗い出すことが重要です。

クロスSWOTの前にまずはSWOT分析をしっかりやる

5|書体フォント・イメージ・カテゴリー

書体フォント・イメージ・カテゴリー

デザイナーの方はご存じの考え方かもしれませんが、これもまさにマトリックスによる整理です。書体フォントは、基本的には①明朝体系(固い・伝統的)と②ゴシック体系(視認性がよい、モダン)の2つに大別されます。これに横軸に固い⇔柔らかいの軸を置きマトリクスにします。

営業やノンデザイナーの方は、何となくフォントの使い分けについて理解できればOKです。私も普段使いの資料作成のフォント「メイリオ」と決めてしまっています。デザイナー、デザイナーを目指す方は、もう一歩踏み込んでそれぞれのフォントの印象についても勉強してみましょう。

6|顧客ロイヤリティセグメント

顧客ロイヤリティセグメント

マーケティングにおける顧客ロイヤリティの考え方です。単に自社の商品を購入してくれた人=お客様と認識するのではなく、心理と行動を軸に顧客を分類します。たとえ購買していても、その製品・サービスを好きになってもらわなければ、結局はいつか離反したり、その製品より安い製品がでればスイッチされます。購買頻度という事実データも重要ですが、その製品・サービスを心理的に好きになってもらってこそ、本当のロイヤルカスタマーと言えます。
詳しく勉強されたい方は、NPS関連の書籍や「CRM2.0心理でとらえる顧客ロイヤリティ」(波岡寛著)などがおすすめです。

まとめ

今回まとめたマトリクスは一つ一つを深く見ていくと、それだけで本1章~1冊分くらいはなってしまう大変難しいものです。

しかし、縦横のマトリクス図しかも2×2に限定することで、だれでもビジュアルで直観的に理解することができたのではないでしょうか?複雑で難しいことこそ、シンプルにわかりやすく伝える!それが資料作成のポイントです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

<本日の内容>星3つ★★★☆☆~星4つ★★★★☆
「職場の資料作成には困らない」
~「資料作成を得意スキルに、職場で一目置かれる」

※PowerPointファイルはポケプレからダウンロード頂けます。

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