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湯浅譲二 95歳の肖像 ~合唱作品による個展~ 演奏会詳細

この公演は、同月7日に開催される室内楽作品個展と組になり、湯浅譲二の創作を俯瞰するものです。
室内楽公演についてはこちら
湯浅譲二 95歳の肖像 ~室内楽作品を中心に~ コンサート詳細|石塚潤一 (note.com)

西川竜太は、2011年以降、湯浅譲二の合唱作品個展を5回に亘って開催している。

湯浅譲二の合唱作品もまた、器楽作品と同様に、その電子音楽で涵養された感性と本質的に結びついている。しかしながら、音響エネルギーの推移をグラフで制御する、ホワイトノイズによる「イコン」のような方向性に加えて、音響の彫琢とは別の視点から、言葉の意味性と音楽との関係を根本的に捉えなおそうという姿勢がそこにはみられる。それは、湯浅の電子音楽分野でのもう一つの重要作「ヴォイセス・カミング」に通じるものだ。

電子音楽とミュジック・コンクレート(具象音楽)。1950年頃、録音技術の発展の中で育まれた、この二つの新しい音楽ジャンルは、当初はそれぞれの陣営にわかれて激しく対立していた。しかしながら、この二つのジャンルが目指すところは、新しい音楽素材の探求、言い換えれば、器楽にない新奇な音の探求、ではなかったか。

しかしながら、音というものは、音そのものであると同時に、聴くもののイメージを喚起し、これと密に結びつく。たとえば、波の音がある周波数帯を中心とした擬周期性をもつノイズであると同時に、ある種の郷愁を聴くものに感じさせるように。最たる例は言語であり、単なる音響でありつつもそれを超えた意味性を持つ素材に徹底して向き合うがゆえに、湯浅の合唱作品は単なる合唱作品を超えた重要性を持つに至った。

演奏されるすべての作品が、西川にとっての再演となる。過去の5回の演奏において、拓けなかった地平を開くために、今回のコンサートは企画された。

なお、8月12日は湯浅譲二の95歳の誕生日当日に当たる。この記念すべき日、新しい合唱表現が提示される瞬間に、ぜひお立合い下さりたい。

演奏会詳細
湯浅譲二 95歳の肖像 合唱作品による個展

全曲湯浅譲二(b.1929)作品
全曲指揮:西川竜太

「問い」(1971) 言葉:谷川俊太郎
混声合唱団「空(くう)」・女声合唱団「暁」・男声合唱団クール・ゼフィール

「芭蕉の俳句によるプロジェクション」(1974)
混声合唱団「空(くう)」・女声合唱団「暁」・男声合唱団クール・ゼフィール
悪原至(ヴィブラフォン)

声のための「音楽(おとがく)」(1991)
「プロジェクション ― 人間の声のための」(2009)
ヴォクスマーナ

混声合唱曲「歌 A Song」(2009)詩:谷川俊太郎
混声合唱曲「雲」(2012) 詩:谷川俊太郎
混声合唱曲「海」(2015) 詩:谷川俊太郎
混声合唱団「空(くう)」

2024年8月12日(月・祝) 18時開演
豊洲シビックセンターホール

前売り一般:4,000円
前売り学生:2,500円
 
チケット取り扱い
カンフェティ http://confetti-web.com/@/JojiYuasa95_0812
お電話予約: 0120-240-540 通話料無料
(受付時間 平日10:00~18:00※オペレーター対応)
 
12日公演とのセット券:7,000円( transient2020@gmail.com でのみ取り扱い)。
お問い合わせ TRANSIENT( transient2020@gmail.com 080-5496-6854)
 
後援 特定非営利活動法人 日本現代音楽協会
助成 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
公益財団法人 野村財団
企画・制作 TRANSIENT

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