出版プロジェクト「次世代の教科書」とは。
「次世代の教科書」は、「面白くて役に立つ本を次世代へ」をコンセプトにした出版プロジェクトです。
ここでは、このプロジェクトが目指す未来と、出版に興味がある人にとってなぜこのプロジェクトが有益なのかを説明します。
価値ある100冊を、学校に無料で届ける。
このプロジェクトのもともとの発端は、面白い発信をしているyoutuberやブロガーを探して電子書籍出版のサポートをすることでした。
なぜこんな大それた名前にしたかというと、次世代の若者が面白いと思えるあたらしい教養本シリーズを作りたいと思ったから。様々な著者、様々な角度からの新鮮な知見や熱意が集まったシリーズなら、これからの人生の「教科書」と読んで差し支えないものができるのではないかと。
ゴールは、電子書籍を100冊つくってデジタルライブラリにし、学校に提供して生徒に無料で読んでもらえるようにすること。学生が、学校の教科書とはまた違った学びを読書を通じて得られるようにして、日本の未来に貢献すること。出版界の片隅で生きる私たちの、そんな密かで大風呂敷な願いからはじまり、いままで9冊の電子書籍を出してきました。それらはすべて独自のライブラリサイトに掲載しています(現在は単著あるいは定額制で購入可)。
著者が本を「つくって、売る」新しい道をつくる。
ここまでは「次世代の教科書」というプロジェクトの気の長い最終ゴールの話。
このプロジェクトのもうひとつのゴール(そして喫緊で達成したいゴール)は、著者が出版を通じて自己実現していく未来をサポートすることです。自己実現と言うと仰々しいですが、要は著者の出版のハードルを下げて、「本を出す」という情報発信の新しい可能性を見出してもらいたいのです。そのために、「次世代の教科書」では電子書籍出版を出発点とした本の編集・制作・販売すべてをサポートします。
大多数の「本を出したい」と考える人たちにとって、紙の本をいきなり出すのはハードルが高いことです。シンプルに多くの時間と労力と費用がかかるからです。だからまず電子書籍でテスト的に出版してみて、手応えを感じたらそれをもとに紙の本をつくる。そういう「本づくりの実験場」をつくりたいと考えています。
これは「面白くて役に立つ本を次世代へ」というわたしたちのゴールにとっても喜ばしいことです。いままで出版という場では汲み上げられなかった価値ある意見や学びが、このプロジェクトを通して世に出ていく。そしてそれらが集約されて、次世代にとってのあたらしい教科書ができていくのですから。
そんな、著者にとってのあらたな「実験」をするためのプラットフォームになる新しいwebサイトを、今つくっています。
キーワードは「プレゼント」と「プロセス」。
実験場となるこのwebサイトには、2つの仕掛けがあります。
ひとつは、このサイトに訪れた人に「プレゼント」を送ること。
そしてもうひとつは、本づくりの「プロセス」から発信すること。
「ここで買って良かった」と思える場所づくりを
ひとつめの「プレゼント」は、とてもシンプルです。
このサイトで本を買ってくれた人に、「ここで買ってよかったな」と思えるように贈り物を用意します。
購入した電子書籍をその場ですぐ読めるようにするのもそのひとつ。
アプリをインストールして、そこでリーダーを開いて……という手間を省いて、読みたい本をすぐ読めるようにします。
さらに、電子書籍のデータを直接ダウンロードできるようにもします。
これによって、いつでも好きな端末で電子書籍を読めるようになります。
(もちろん勝手に無断転載してはいけないなどのルールはありますが)
プレゼントにはもう一つあります。購入した電子書籍にプラスして無料の特典コンテンツをつけること。著者によって特典の内容は変わりますが、本の中で紹介できなかった参考書籍や資料のリンク、ここでしか見れないインタビュー動画など、様々なものになる予定です。
実はこの特典には、「本を読んで終わりではなく、次の好奇心につなげて学びのタネを育てていく」というコンセプトがあります。
このサイトとそこで読んだ本を起点に、次の学びのタネがあちこちで育っていって、そこから新たな「次世代の教科書」の新刊が生まれるかもしれない。そんな思いが込められています。
本をつくる道のり自体の面白さを発信する
2つめのしかけの「プロセス」とは、本をつくる過程そのものをコンテンツにして世に出していこうというものです。
たとえば、執筆中の原稿を公開して、それに対する読者の反応も盛り込んで本の内容をより良くしていく。
たとえば、執筆の進捗をブログのように定期的に世に出して、自分自身の執筆のモチベーションにするなど。
あるいは、電子書籍にする前にひとつの記事コンテンツとして売ってみて、反応を見て本の内容を吟味してみるというのもありです。
イラストが出来上がっていく様子を紹介する動画や、企業の創業秘話を物語にした映画がバズるように、いままで多くがブラックボックスになっていた「執筆を開始してから本が完成するまで」の道のりそのものが、読者にとって面白いコンテンツになると考えています。
「次世代の教科書」では、著者がこういったプロセスを発信するサポートをします。
こうした「プレゼント」と「プロセス」を読者に提供する仕組みを備えたあたらしい出版の実験場としてのwebサイトを通して、著者も読者も「関わって良かった」と思える場所をつくることが、わたしたちの目下のゴールです。
そして、この取り組みを通じて「次世代の教科書」のラインナップを増やし、学校で無料で読めるコンテンツとして次世代に還元していきます。
すべては、未来をもっと明るく面白くするために。
改めて、出版に興味がある人にむけて「次世代の教科書」が提供する価値をまとめます。
・本を作って、売るための新たな実験の場所の提供。
・そのための編集・制作・デザイン・webサイトの提供。
・次世代のために価値還元ができること。
この3つの価値を少しでも面白いと思ってくれる人は、ぜひこのプロジェクトに参加してほしいのです。具体的になにをしてほしいかは、記事の最後でお知らせします。
最後に、ここまで読んでくれた方にむけてメッセージを。
「本を書いて売る」というのは、特定の知的階級の人々や、学者や作家だけの特権ではないと考えています。というより、あらゆる人に出版という情報発信の間口を広げていくことが、出版業界で働く人間の一つの役割かもしれないと思います。
youtubeやSNSでいくらでも発信できる時代です。誰かの知恵に触れる機会、そして自身の知恵を誰かに提供する行為のハードルは下がり続けています。
だからこそ、本という形で、体系だった文章として考えをまとめておくことは、まずなにより自分にとって大きな財産になります。めまぐるしい時間と情報の奔流のなかで、考えてきたこと、為してきたことを永久保存できる媒体として。そして、そうして紡がれた誰かの人生の珠玉の知恵は、きっとその人以外の誰かにとっても価値になるものです。もちろん、これからの世代にとっても。
「教科書」なんてお堅い言葉でまとめられるのはなんとなく嫌かもしれません。でも、そもそも出版という営みの大きな目的の一つは、だれかにとっての教科書をつくることだと信じています。そのテーマは、趣味でも仕事でも恋愛でも人生そのものでも、なんでもいいと思います。
だから、これから本を出したいと思っている人(あるいはなにか世の中にむけて発信したいことがある人)で、このプロジェクトの目指すゴールと価値に共感してくれる人は、みんな「次世代の教科書」になるべき人たちなんだと勝手に思っています。
「本は考えや成果を永久保存できる媒体」と言いましたが、同時に本を書く行為の中で自分自身の考えを俯瞰することで、価値観が更新されたり、違ったテーマが見つかったりすることもあるでしょう。そのような「更新と変容」を促すことも出版の役割であり、著者のそういった営みをサポートしていきたいと考えています。そういう意味では、「次世代の教科書」とは著者自身の未来にとっての教科書(学び直しの場所)、という意味でもあります。
これを読んでくれたあなたへお願いです。
もしこのプロジェクトに興味があるなら、この下の問い合わせリンクから声をかけてほしいのです。
あなた自身が本にしたいと思っている原稿を持っているなら、ぜひ送ってほしいのです。
あなた以外に「次世代の教科書」になるべきだと思う人がいれば、ぜひ教えてほしいのです。
有名か無名かは全く関係ないし、どんな職業かも、年齢も関係ありません。誰かの真剣な人生の営みのすべてに、価値ある学びが隠されていると、そしてそれらは次世代を明るく面白いものにすると、信じています。
(2024年4月18日 「次世代の教科書」編集長 松田喬史)
【追記】編集部による特集企画について
「次世代の教科書」を社会に認知してもらうために、書店向けにガッツリ企画した単行本を定期的に出す予定です。
「プロセス」から世に出すコンセプトにしたがって、いろんな著者の記事をwebサイトで先行展開したうえで、それらを集めてボリュームたっぷりの紙の本にして書店で売ります。
ちなみに最初の企画テーマは「妄想」。いろんな分野で活躍する人の「妄想話」を集めたワクワク必至の本にする予定です。
こちらの企画進捗も、今後随時公開していきます。
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