「次世代の教科書」は、出版の未来を明るくし、売れる本を作るための取り組みでもあります。
本当に価値ある文章は、どんな時代でもどんな形でも読まれると思います。現状の問題は、本以外のあらゆるメディアで個人が自由に発信できるようになり、膨大な情報の中で「文章としての価値ある学び」が見えづらくなっていること。たくさんの情報を取捨選択するとき、どうしても気骨のある文章は「重たい」情報として後回しになってしまう。
そんな中でも本を書きたい人は必ずいます。
書ける内容は持っている。けど、やり方がわからない。わかっていても忙しくて執筆する暇がない。それに、書いたとして、単に自費出版で自己満足的に本にするかAmazonの電書出版でとりあえず出して終わり、というのもなんだかなあ……。
という人がけっこういると踏んでいます。
せっかくなら、ちゃんと読まれる本を作りたい。いい本を、売れるように作りたい。それが著者にとっても自分にとっても、社会にとっても幸せなことだから。
いい文章を書きたいけど、ゼロから書こうとすると煮詰まってしまう人もいいます。でもその人の中には「語れる」ものがたくさんある。それをそのままにしておくのはもったいない。
なにも最初から文章にする必要すらないのかもしれないんです。語りをそのまま原稿にしたって。今なら文字起こしツールも発達しているし、そこから編集者の手で文章にしていくというやり方もあります。
なにをするにしても、目的は良い本をより多くの人に広めたい(=売りたい)ということ。本の編集制作をやってきた私たちが次世代のためにできることは、結局そういうことなのです。
だから、今「次世代の教科書」という枠組みの中で何ができるかを色々試行錯誤しています。わたしたちの確実な武器は、紙とデジタル双方で本のデザイン制作ができること。編集の力があること。
これから鍛えていきたい武器は企画力(20-30代の若い編集部だから斬新な発想を生めるという希望があります)。こればかりは実績として残していくしかないですが、実際に今面白い企画が次々生まれつつあります。
そして今月、DCHという新しい出版の仕組みをリリースします。原稿をnoteのようにweb連載するための企画サイトを立ち上げ、最終的に電子書籍や単行本を出版する「新しい出版の仕組み」です。これと「次世代の教科書」を組み合わせて、面白くて価値ある新刊がもっと世に出るようにする。これが今の私たちのミッションです。
企画ももっと尖らせたものを立案して、著者もそれに合わせて募集をかけていきます。来るべきその時には、ぜひあなたも「次世代の教科書」の著者になってほしい。
この「新しい出版の仕組み」を使って作る最初の本が、9月30日に発売予定です。作家、書評家、猟師、元アイドル、ファッションデザイナー、Youtuberなど若手20人が「妄想」をテーマに未来の切り開き方、価値観のアップデートの仕方を語るオムニバス形式の本。
全体は読み応えたっぷり、でも一つ一つの文章は夜寝る前の15分で読めるような、雑誌と本のいいとこ取りみたいな本です。
これは、20-30代が中心の「次世代の教科書」編集部が、次世代にむけて、そして同世代の20-30代にむけて今一番届けたいと思う本です。「妄想」から目を背けずに向き合えば、きっと本当の自分らしい生き方が見つかる。そんなことを気づかせてくれる本。
先日、DCHの専用ページで企画を立ち上げました。これから随時、記事を公開販売していきます。
気になる著者だけつまみ読みしてもいいし、このページを見て期待値を高めたうえで本を買ってもいい。著者にとっても読者にとっても「お祭りのようなワクワク感」が出せるような出版のプロセスを、この本を通じて作っていきたい。
ぜひ、今からチェックを。
最後に、一番伝えたいこと。
私たちはいい本を世の中に生み出したい。いい本とはすなわち、魅力的な人が作り出すもの。本は人そのものだと考えます。
だから私たちは、世の中に評価されるべき「人」を見つけ出し、その人たちの生き方や価値観の熱がそのまま、届くべき人に届くように、出版の力でサポートしていきたい。わたしたちにとっての次世代とは、これから世に出ていく著者という意味でもあるのだから。
「次世代の教科書」編集長 松田
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