「声をかけられたくなさそうだから」問題
こんにちは、ファッションアドバイザーのキキです。
タイトルの発言、私のような店頭で指導する側のみなさんはFAからこんな声を聞くことが多いのではないですか?
「あれ?なんで今のお客様お声かけしなかったの?」
と尋ねると
「あんまり声をかけられたくなさそうだったんで」
こんなことを普通に言うんですよ。
私は決まってこう返します。
「じゃあ私に話しかけてください、とオーラを出してるお客様が
どれくらいいると思う?」
私が長く携わっているブランドは百貨店ブランドでもなく
トレンドのセレクトショップでもなく、いわゆるSCブランドです。
安価で型数も多く、ファミリー展開をしているが
大手のユニクロ、ZARAのようなフリー販売はほとんど見込めない
位置付けの中級ブランド。
一日の買上客数のうちフリー売りなんてあって10%未満。
もちろん商品や、VMDにも左右されることもありますが
インナー1枚でも接客を要します。
と言うよりも少ない入店数からの高倍率を上げるために
その1点の積み重ねがないと予算が取れる店舗はまずないといっても過言ではないブランドです。
そんな中で入店してくださったお客様をこちらの弱気な判断で
みすみす売り逃がしてしまう。
私が今の店舗に異動して配属された2年半前もそのような積極性のない空気感だったので当時関東でワースト1位の店舗だったんです。
しかし異動して来てすぐにこの立地条件なら自分たちの動き方次第で
もっと数字をあげれる店舗だと確信したんです。
私は色んな方面から見直しをかけましたが
一番改善に力を入れたのが接客でした。
入店されたお客様には「100%お声かけ」がまず基本だと根付かせたんです。
そして次の年は全国で1位の称号を手にすることが出来る店舗に急成長したのです。
その頃には「最下位の○○店」というイメージから
「あの飛ぶ鳥落とす○○店」というイメージ付けをする事に成功したのです。
もちろんその頃には「話しかけられたくなさそうだったんで」と
言い訳をしてくるFAは一人もいませんでした。
どちらかというとお客様も楽しそうにお買い物をしてくださる方が
増えていました。
私が指導したこと。
それはただ闇雲に声かけをすると言うことではなく
いかに居心地よく、買い物を楽しんでもらえるか、という
お客様の気持ちも読み取ってのテクニックを鍛えました。
お客様から声をかけられるのを待っているだけで
世の中が変わっていく未来、仕事があると思っているのでしょうか?
セルフレジ、ECサイト、AI、代わりはいくらでもいるんですよ。
これは脅しではなく、こんな時代なのにわざわざ足を運んで下さる
お客様へ私たちFA何が出来るかを考え実行できたら最強だと言う話です。
なぜお客様は声をかけられたくないのでしょうか?
1、 買い物する気がないから
2、 買うものを決めていないから
3、 接客されるのが苦手だから
1、 買い物をする気がないから
これは私もよくあります。仕事柄店舗リサーチも行くし
ウィンドウショッピングなんて日常茶飯事。
お客様は待ち合わせまで少し時間が空いたのかもしれないし、
今はお給料日前で余裕がないけど新作をチェックしたいのかもしれない。
そんなお客様が「今日は買う気がなかったのに買っちゃった〜」という言葉、レジでよく繰り広げられてないませんか?
これはとても嬉しいお言葉でこの言葉が多く交わされているお店はいい接客をするFAがいるお店です。
もちろん商品を気に入ってくだっさったのかもしれませんが
そもそも接客が悪かったら買わないと思うんです。
そのFAの接客がお客様の(今日は買わないという)気持ちを変えて、購買意欲をかきたてたんです。
そしてこういったケースのお客様のパイを増やせれば
店の売り上げは確実に上がりますよね。
ではこのタイプのお客様にはFAはどうやってお声かけをしたらいいのでしょうか?
おそらくガツガツ商品説明から始めていないはずです。
答えは決してひとつじゃない、
お客様の心境になって考えてみましょう。
2、買うものを決めていないから
「買う物を決めていない」これは女性客に関しては大半がこのケースで入店してるのではないでしょうか?
「今日は絶対にピンクのニットを買うんだ!」と決めてる人もいないことはないですが、「何かいい物あったら」という感覚の人が普通だと思います。
だからFAから声をかけられても目的がないから応えられない。
こうお客様が警戒してしまうのは私たちFAがお客様から
「何かお探しですか?」と聞かれるイメージを持たれている可能性も少なくないのでは?と思います。
この声かけは絶対NG。会話も続かないしお客様も居心地が悪くなります。
何か探していたとしても「はい探してます」と返事したくなくなるお声かけですよね。
ここも答えはひとつではありません。
お客様お心境になって考えてみましょう。
3、接客されるのが苦手だから
新人スタッフの「声をかけられたくなさそうだったので」の発言から読み取れる理由はこれが多いのではないでしょうか?
接客されるのが苦手そう=接客をしなくていい ではありません。
まずなぜそういったお客様は接客が苦手なのか考えてみましょう。
予測1
過去に接客を受けてきてFAに対していい感情がないから
予測2
接客慣れしてなくて買わされるイメージだから
予測3
自分で選べるから余計なアドバイスはいらない
まだまだあると思いますがこの3大要素で考えてみましょう。
予測1は挽回のチャンスでしかないと思っています。
お客様のイメージを払拭できるチャンスだからです。
過去にいい接客を受けた事がないお客様の心をつかめると
もう絶対ここで買い物をしようと思ってくれると思いませんか?
その接客ができるのが次世代を生き抜くFAなのです。
「あなたに見てもらえてよかった」
この言葉をもらえるのってとても嬉しいですよね。
予測2はこれも新規顧客作りの大チャンス。
接客慣れしてない方は自信のない方が多い傾向です。
そんな中でカリスマのように上からあーだこーだ説明口調の接客は
まず響きませんし、居心地悪くてすぐ帰ってしまいます。
こうったお客様には安心する笑顔と、共感、傾聴を繰り返す事。
「頼れるのはあなただけ」
そういう言葉、もらえるかもしれませんよ。
予測3はスキルアップのチャレンジです。
買い物慣れしてるのでしょうか?もしくは同業者?
見た目で私たちはわかりますよね。
同業者っぽいから変な事言えないな、とか恐縮しちゃっていませんか?
こんな時こそ度胸試し!
自分で見れる人はFAよりも自分の方が知識があると思っているのかもしれません。
自分の店ですよ?自分たちの方がわかっていないと。
こういうタイプのお客様は私たちが動きだけでニーズを察知したり
お客様の不意を打つような言葉を発すると刺さってくれます。
「あれ?このFAわかってるじゃん」
と口には出さなくても会話をしてくれるようになったら勝ちです。
まとめ
ここまでお客様が声をかけられたくなり理由を並べてきました。
そしてお客様の心理を読み解く事で挽回のチャンスが転がっていることもわかっていただけたでしょうか?
むしろそういったお客様がいないと私たちのスキルは上がりません。
商品力やブランド力で買っていってくださるなら
なんども言いますが私たちFAという職は必要ないのです。
本当にお声かけをされたくないお客様なら店頭までくるでしょうか?
何かあるんです。お客様も意識していない潜在意識の中に。
人の手から人の手へ商品を繋げる。
私たちは流通の流れの中でも一番幸せな立ち位置にいます。
直接生の声で「ありがとう」と言ってもらえるのですから。
私たちFAの仕事はとても誇れる仕事なのです。
今日もプライドを持って仕事に向き合いましょう。
すぐに答えばかり求めず、自分でよく考えること。
店内がFAとお客様の会話でいつも盛り上がっているお店、
とても魅力的ですよね、相乗効果でどんどん入店が増えるはず。
「声をかけられたくなさそうだから」
これはプライドのない言い訳です。
さぁ、たくさんのお客様に新しい発見を届けましょう!!
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