夏と春と修羅




  日輪青くかげろへば
    修羅は樹林に交響し
     陥りくらむ天の椀から
      黒い木の群落が延び
       その枝はかなしくしげり
      すべて二重の風景を
     喪神の森の梢から
    ひらめいてとびたつからす


「春と修羅」宮沢賢治





夏木陰してあの面影は春と修羅






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