観光のプロから贈る。心に残る桜とエピソード「福島県三春町 滝桜」

福島県三春町 滝桜 3つの春が同時に来る町


東北の小鎌倉とも呼ばれる城下町三春は、その名が示す通り、三つの春が同時にやって来ると言われています。最初に梅の花が咲き、続いて桜が満開となり、そして今度は桃の花。そのなかでも最も壮観なのが「滝桜」一説には樹齢一千年を超えるとも言われるしだれ桜で、千年近くもの間、東北の田舎でひっそりと咲いていた滝桜、現在の大変な賑わいには、さぞ驚いていることでしょう。この滝桜はエドヒガン系の紅枝垂桜(ベニシダレザクラ)
大正11年、国の天然記念物の指定を受け日本を代表する桜の巨木、そして日本三大桜の一つです。実はこの滝桜は 平成17年1月に降った大雪の重みで直径約10-20センチの10本の枝が折れてしまいました、滝桜周辺では15日から17日朝にかけ、最大で約80センチの積雪があったそうです。

鎌倉市 鶴岡八幡宮にあった「伝説の隠れ大銀杏」


鎌倉市鶴岡八幡宮には伝説の隠れ大銀杏(伝承1000年)がありました。平成22年3月10日強風により倒れてしまい現在その姿を見ることはできません、3代将軍源実朝が八幡宮に参拝の際、イチョウに隠れていた甥の公暁に暗殺されてたことから「隠れイチョウ」の別称で呼ばれていました。
近年頻繁に発生する自然災害もあり、樹齢1000年を誇る、三春の滝桜も「隠れイチョウ」の様に危うさと背中合わせに咲いています、その生命力は圧巻ではありますが、儚さも合わせて美しい三春の滝桜をご覧いただきたく推薦致します。

倒れてしまった鎌倉 隠れイチョウ

滝桜はシーズン中、交通規制がありますのでご注意下さい。


大駐車場から滝桜入口まではバリやフリーの一方通行でわかりやすいです。
徒歩10分位 桜観料 300円(中学生以下無料)駐車場は無料
三春滝桜の駐車場は一番大きく「滝桜大駐車場」の他に郵便局近くの臨時駐車場、龍光寺近くの臨時駐車場、 少し離れた三春町運動公園の 全部で4箇所あります。滝桜大駐車場を利用したいところですが、三春滝桜が満開を迎える季節には高速道路のインターチェンジから駐車場まで約8 km の渋滞が発生することもあります。


滝桜周辺 パーキングマップ

日本三大桜 ご紹介


日本三大桜とは
🌸福島県の三春滝桜
🌸山梨県の山高神代桜
🌸岐阜県の根尾谷薄墨桜
3つの巨木の桜のことです。
これらは1922年大正11年10月12日に国の天然記念物に指定され、日本で最も価値の高い桜として認識されるようになりました。

高柴デコ屋敷とおいち茶屋


三春滝桜から約11キロ15分ほどの所、郡山市西田町高柴(旧三春藩領)に高柴デコ屋敷があります、江戸時代から約300年間続いている工人の集落が4軒、日本で最初の年賀切手(郷土民芸シリーズ)に採用された三春駒(木彫り)や木型に和紙を張り付けて制作する張子人形など数多くの郷土民芸品を制作・販売しています。工房では絵付け体験などもでき、数多くの観光客が訪れ、日本の伝統工芸の魅力を懐かしく感じることができます。

おいち婆ちゃん


バスガイド時代、デコ屋敷に行くと一件のかわいい茶屋があり屋根には
「おいち茶屋」と手書きで書かれていました。おいち茶屋とは「美味しい茶屋」を可愛く言い換えているのかと尋ねてみると、看板娘のお婆ちゃんが
「私の名前がいちって言うんだべし」と教えてくれた。茶屋と言っても記憶にあるのは少しの野菜や手作りのおしんこを売っていただけで、私は梅干を買って帰った。東日本大震災後、デコ屋敷に仕事で行く機会がありバスから見える「おいち茶屋」お婆ちゃんは元気でいるだろうか?

96歳までご健在だった おいち婆ちゃん

お店にはおいち婆ちゃんの娘さんがいらした


私は、おいち婆ちゃんが亡くなったことを聞くこととなり、その時、娘さんが飾ってあった「はがき」を指さしながら見せてくれた。
送り主はコロナで亡くなられた志村けんさんからでした。
志村けんさんが、テレビのロケで、デコ屋敷に来た時に、おいち婆ちゃんに話しかけたそうだ「ばあちゃん元気かね😊」おいち婆ちゃんは「だいじょ~ぶだ~」と答えた会話が後に有名な「だいじょ~ぶだ~」のギャグが生まれたのだと娘さんが話してくれた。おいち婆ちゃんが亡くなった時には、志村けんさんからお悔やみが届いたと聞いた時には胸が熱くなった。
しばらくしてテレビで志村けんさんが福島の三春のロケで出会った婆ちゃんから「だいじょ~ぶだあ~」のギャグが生まれたと嬉しそうに話しているのを見て、おいち茶屋で娘さんが話してくれた話は本当だったのだと、また胸が熱くなった。
桜の季節がやってくると、三春の滝桜、そして、おいち茶屋の婆ちゃんと志村けんさんの話を思い出します。

私が覚えているおいち茶屋は、畳2畳くらいの小さなお店でした、この度、パソコンで探してみると立派な店の画像がでてきて本当に驚きました。そしておいち婆ちゃんは「私がいちだべし」と確かに言っていたのに本名が「みよし婆ちゃん」と言う説があり、なかなかの洒落た名前に二度ビックリでした私です。しかし、みよし婆ちゃんとは違うお店のお婆さんで、おいち茶屋のお婆ちゃんは間違いなく「いち」さんでした。良かったです~

「笑いがなければ人は生きられない。だから僕は笑いを大事にしたい」
志村けん

是非、三春の滝桜を訪ねてみては、いかがでしょうか😊


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