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Nothing's Carved In Stone "BEGINNING 2023" 豊洲PIT 2/27

私にとって、今年初の、ナッシングスのライブ!
並々ならぬ気合いを入れて臨んだ。

というのも、前回のバンプ、今回のナッシングスと、去年ライブを観るにあたって自分としてのスランプを感じていたからだ。
バンプのときに思い切って、プレイヤーの音質を再構築し、今の聴こえ方に完全にアジャストさせてみたところ、ライブ中に感じる違和感やつんのめる感覚がほぼ無くなった。
だから、今回もそれを継続した。結果として大正解であった。今後も続けていこうと思う。
今回はこんな感じでした。

凸凹

左右からのギターが強くバチっと聴こえるように。
その横線を軸に、曲によって前後、上下からバスドラ(フロアタム)、ベースが聴こえてくるイメージ。それによってできた空間で他の音が暴れてくれる。
ギターの音が強く鋭い曲を聴くときにオススメです。


改めて、ライブの話。
真ん中やや後ろら辺に陣取る。相変わらずギターの音がもの凄く、私は左半身をステージ側にやや半身になるのだけれど、壁に近い右耳だけが翌日まで鳴り続けていた。
豊洲PITは、ドラムの轟音がよく映える印象があって、それもとても好きです。

SEとしての"Material Echo"から始まり、"Milestone"が演奏される。この日は、声出し可だったのだが、さっそくその効果を目の当たりにした。
ナッシングスは、とてつもない重量感のあるライブをするバンドだ。客側も、それを押し返すように支えるだけのパワーを持っている。その絶妙なせめぎ合いが、良いバランスを生み出していたのだろう。しかし、いつからか、客席での発声が許されなくなった。私は元々、ライブ中にそこまで声を発する方ではない。しかしそれでも、纏わり付くような、「よくわからない何かに阻害されている感覚」があった。声をあげながら楽しむタイプの人からすれば、抑圧されている感覚は私の比ではなかっただろう。
もちろん、声を出さなくても最大限のリアクションをしていこうという気持ちはあったし、実行にうつしていたつもりだ。でもどこかで、全開になりきれていない部分があったのだと思う。そして、私に限らず多くの客がそうだったのではないだろうか。去年からライブ通いを再開した中で、ナッシングスのライブに特に強い違和感を感じていた。その正体を、今回確かめることができた。

イントロのギター、ベース、ボーカルとドラムの順で曲が始まっていく。歌の入りの辺りで、一瞬、去年のような違和感があった。その瞬間だろうか。客席の側から、グワっと押し返すような強烈な重力を感じた。オカルトな話かもしれないが、確かにあった。そしてそこからはもう、バチっとハマった私のよく知るナッシングスの演奏が続いていった。

2ndアルバム「Sands of time」から2曲、"Chaotic Imagination"と"Cold Reason"が聴けた。1stアルバムのツアーに行き、やべえバンドだ!となったまま聴いたこのアルバムに、さらにぶん殴られたような感覚を思い出す。5拍子なのにガッツリのれる安心感があるのが凄いです。

久しぶりの曲がこの後にもいくつか。"Moving In Slow-Motion"は切り裂かれるようなギターサウンドが特徴で、裂かれてなお滾るような感覚に浸れる。そして"Fuel"に続く。滾った激情が燃え上がる!
"Maze"もいつ以来だろう?この曲のシンガロングを歌えてよかった。

"Red Light"も凄かった。というか、今まで聴いたこの曲の演奏の中で、最も素晴らしい演奏に聴こえた。これからもずっと大切な曲だ。なお一層しっかりと聴いていきたい。
"Gravity"も、武道館以来に生で聴いた。久々!全部の音が鳴るあの何とも言えない重厚感!

この辺りから、左目の後ろ辺り、普段なら偏頭痛を感じる箇所にギターの音がめちゃくちゃよく響く感覚をおぼえた。左右に揺れるようなエフェクターサウンドの芯の音が、その位置によく刺さるというか。そうなると不思議なもので、目を通して音を聴いているような奇妙で新しい発見に思えて嬉しかった。
この感覚が何だったのか、まだはっきりとは分からないけれど、時間をかけて掴み取りにいきたい。

本編最後は、"雪渓にて"。私は「Strangers In Heaven」のツアーに行っていないから、この曲をライブで聴くのは初めてだ。前述の"Red Light"もだが、この曲もボーカルとギターが一緒に歌っているような曲だ。一音たりとも聴き漏らすまいと思いながらも、やはりそれは難しく、もっとライブで聴きたいという思いが強まるばかり。まだまだ通い足りない。

アンコールは、曰く一番俺たちらしい曲ということで"Isolation"が演奏された。緻密に作り込まれた曲調、サウンドが、壮大なダイナミズムを生む。私がナッシングスに感じてやまない魅力が、この曲には詰まっている。


照明がとても綺麗


多くのことを気付かせてくれたライブだった。
そして、私は、まだまだ音楽を知らない。
これからも色々教わりに、また、鋭く分厚い轟音を味わいに、Nothing's Carved In Stoneのライブに足を運びたい。



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