間延びのとき

人生において、「楽しい時間はあっという間」であるとか、「退屈な時間は長い」という感覚が、ずっとしっくり来ないでいたんですよ。

どちらかと言えば、感情的な密度がとても濃い時間、例えばライブなどは、むしろ逆に、2時間よりも長く感じる様なことが多かった。

そういうのもあり、ライブという短い時間の楽しみを、少し長く感じることが出来る以外は、時間に対して実際の時間以外の印象を覚えることは殆どなかった。


この、いわゆるコロナ禍において、初めて時間を長く感じている。

それは、毎日の日々を長く感じるというものではなく、この約1年を振り返ってみたときに、どう考えてもそれを時間通りに思えないのだ。

ある程度の長い期間の時間を、改めて考えたときに、倍ぐらいに感じる。不思議なのは、1日のうちの何かに集中している数時間などは、むしろ早く過ぎていく感覚すらあることだ。

今までには全くなかった感覚だから、心地の良いものではない。


とても感覚的な話であるから、はっきりとしたことは分からないけれど、ライブに行かなくなったことが大きな要因なのだろうな、とは思う。

もともと出不精であったから、このクソみたいな状況が始まる前と今の大きな変化は、わたしにとってはそれぐらいだ。野球中継も観ているし、ゲームにかける時間も増えた。仕事も、以前と比べれば快適な環境で取り組めている。

だからこそ、月2回、年に20回以上のペースで通っていたライブというものは、もちろん当時から私にとって大切な時間であったのだが、改めて生活の軸だったのだなと痛感する。


ライブに行きてえ!

生活を営みてえ!

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