見出し画像

018ブッダは厳しい?

こんにちは。
本格的な夏まであと少しですね。私は、この土日を使って、衣替えと扇風機を出しました。

さて、今回は、中村元訳の「ブッダの真理のことば」を読みましたので、そのお話を少しだけさせていただきます。この本は、主に南アジアを中心に長く尊ばれてきた「ダンマパダ」という詩集を中村先生が和訳したものになります。最初期の仏教の教えを色濃く残していると言われています。

今回は、そんなダンマパダの中から、いくつかの句を紹介させていただきます。

 「183 すべて悪しきことをなさず、善いことを行ない、自己の心を浄めること、──これが諸の仏の教えである。」

この句は、七仏通誡偈(諸悪莫作~)として、日本でも有名かもしれません。では、この後に何が続くのか?

 「184 忍耐・堪忍は最上の苦行である。ニルヴァーナは最高のものであると、もろもろのブッダは説きたまう。他人を害する人は出家者ではない。他人を悩ます人は<道の人>ではない。」

私は、この2句は本当に簡潔で分かりやすい、だれが聞いても納得できる教えだと思いました。今でも鮮明に覚えているのですが、小さい頃に父母から、耳に胼胝ができるほど言われた「悪いことはするな。我慢しなさい。人様に迷惑はかけるな。」この言葉こそが、まさしく仏教の神髄だったのです。

しかしながら、これを実践するのは、とても難しいものです。私自身、常に自分優先で考えて、楽で利益がある方に動いてしまいます。欲望を抑え我慢して、善いことを積み重ねて、質素に心清く暮らす。理想的な姿でありますが、これがどれほど難しいものか年齢を重ねるほどに身に染みてきます。

更に、ブッダは人間の体、死については、以下の句のとおり言われています。

 「147 見よ、粉飾された形体を!(それは)傷だらけの身体であって、いろいろのものが集まっただけである。病いに悩み、意欲ばかり多くて、堅固でなく、安住していない。」
 「148 この容色は衰えはてた。病いの巣であり、脆くも滅びる。腐敗のかたまりで、やぶれてしまう。生命は死に帰着する。」

おっしゃる通りなのですが、ブッダさん、ここまで厳しく言わなくても。。。と修行が全く足りていない私は思ってしまいます。ですが、普段、目を背けているだけで、体なんて肉の塊で、心は汚く、死ねば悪臭をまき散らし腐り果てるだけです。そういった極々当たり前のことを思い出させてくれます。

親鸞は、「釈迦弥陀は慈悲の父母」と言われました。まさしく、ブッダは、時に厳しい言葉で叱り導く父親で、阿弥陀さまは、頑張り切れず立ち止った私を一緒に泣きながら支えてくれる慈悲深い母親で、両者が一体となって、我々を必ず救ってくださるのです。

合掌。南無阿弥陀仏。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?