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2018年下期劇場映画 ひと言フリカエリ

2018下期、映画館で映画を観た本数は23本、ロス往復の機内で観たのが7本(道中ほぼ映画漬け)、さらにはNetflixにて公開された作品も加えると合計で32本(上期が25本だったので、年間トータルで57本)。
振り返ってみると、いつも通りの雑食だけど、テーマをずらしたり、アンパイっぽい作品やオチが透けて見える作品を避け、かなり厳選したつもりなので、これまでよりはハズレが少なかった印象。
上期から意識的に劇場公開される過去の作品をチョイスしていて、スクリーンで観れることの贅沢さを感じつつも、歴史を振り返ったりその当時を知れるなど知的好奇心がくすぐられ、むしろ新作よりも刺激をもらえて愉しい。
ということで下期は「ROMA」とドキュメンタリー作品では「世界で一番ゴッホを描いた男」がダントツで満足度が高かった‼︎
よし、来年も観るぞー!

「グッドバイ・ゴダール」ゴダールと友達になってはいけない・・・。

「ベルイマン生誕100年映画祭 - 冬の光/野いちご/第七の封印」いずれの作品も睡魔に抗えず、あえなく消化不良。未熟な自分を認めながらも、なんとなく肌に合わない気がするなぁ。

「2重螺旋の恋人」双子に、鏡って、ネタバレ感がひどい。

「カメラを止めるな!」ドリフだな。けど、なにも映画じゃなくても良いような気が。

「プエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス」 自分にとってキューバへの旅憧と底なしのワールドミュージックへの扉を開いてくれた前作から約20年後の続編が「アディオス」って、涙と感謝でしかない!

「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」ハリウッド大作は機内で観るのが、やっぱりちょうどいい(再認識)。

「ウインド・リバー」この映画を観て気づいた。先住民を語らずして、マイノリティやダイバーシティを論じることなかれ。

「オリエント急行殺人事件」中学時代に読んだ原作の、自身初の映像体験。ケネス・プラナーものは基本好き。それにしてもキャスティングが豪華すぎる。

「ジョン・ウィック チャプター2」個人的にキアヌのハマリ役だと思うこのシリーズ。サイコーにクール!!

「孤狼の血」日本のマフィア映画の最大の見所は、間違いなく怒鳴り合いだと思う。時々何を言ってるのかわからんことあるけど、セリフよりは熱量。

「タクシー運転手 約束は海を越えて」もちろんソン・ガンホはいい。けど、ユ・ヘジンはかなりいい‼︎

「BATTLE OF THE SEXES」元プロテニスプレイヤーと現役女子テニスプレイヤーの対決。ウソみたいな事実にビックリ。やっぱりアメリカってバカだなぁww

「判決、ふたつの希望」ほんの小さな火種が、民族・歴史・宗教を燃料に燃え上がり、爆破寸前に。巧くできてる。中東モノはホンッといろいろ考えさせられる。

「TELL ME LIES」今でも、公開中止になるだけの影響力を感じられる作品。その当時ちゃんと公開されてたら歴史は変わってただろうと願いたい。

「愛しのアイリーン」映画の安田顕が好きなもんで。ぶっ飛んでる演出の一方で、意外に深刻な話。

「顔たち ところどころ」訪れる場所で周囲を巻き込み作品を作る、笑顔がつながるロードムービー。やはりゴダールに期待してはいけない。

「黙ってピアノを弾いてくれ」個人的には黙ってピアノを弾いていないチリーゴンザレスの音が好き。

「2001年宇宙の旅」アポロ11号が月面着地する1年前の1968年に公開され、(2001年を通り越し)公開から50年後の今年IMAXで上映。キューブリックよ、IMAXはどうよ?

「世界で一番ゴッホを描いた男」ゴッホの贋作を20年近く10万点以上描き続け生計を立てる職人が、生まれて初めてゴッホの作品を観ることに。中国の知財問題や経済活動の現状と、ゴッホの人生とシンクロするかのような主人公の期待や絶望、理想と現実が表現されたドキュメンタリー。自らのオリジナル作品に未来を希求するラストには泣ける。

「クレイジー・リッチ!」ロスのエアビーのホストから聞くアメリカでの盛り上がりと比べると、日本ではそれほどでもなかったようにも思うけど、アジア人を表現した作品が商業的に大化けしたコトは、いち映画ファンにとっては素直に喜ばしい。

「アンダー・ザ・シルバーレイク」いわゆる”ハリウッド妄想系”。マルホランド・ドライブほどのパンチはないけど純粋に楽しめた。

「華氏119」マイケル・ムーアの切れ味鋭い扇動的演出が、結果的にトランプ大統領を引き立ててるようにも思える。それにしても、これほどまでにアメリカの中間選挙に興味を持ったのは生まれて初めてだなぁ。

「ガンジスに還る」ヒンズー教の聖地バラナシ にみるインドの終活。ガンジス川の流れに逆らわず身を委ねていると、穏やかさと微笑ましさがジンワリ込み上げてくる。そんな最期に憧れる。

「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」イッツ・ア・スモール・ワールド的ユートピアを彷彿とさせる映画の冒頭からは多様な文化が共存するコミニュティの豊かさを感じたものの、話が進むたびに実生活での移民の厳しい現状があらわに。移民を知るには漂流する惨状に目を向けるだけでなく、受け入れた後の彼らにも等しく耳を傾けなければならない。電車が通過するたびに高鳴る耳障りな線路の摩擦音が移民の声を搔き消してしまっても。

「ア・ゴースト・ストーリー」オバケが天国に召されるまでのロードムービーなんだけど、かなり規格外。個人的にはまだ見ぬジャンルの作品だった。

「サーチ」SNSを表現した映画っていくつか観たけど、これは決定版!もはや発明レベルで感心しきり。

「ボヘミアン・ラプソディ」映画のタイトルにもなってる曲が完成した件に、初めて聴いた中学生の頃のあまりの衝撃に自然と涙が溢れたことを思い出した。あれから30年。涙だけでは足らずシャクりが止まらんかった。

「恐怖の報酬」’オリジナル完全版’という売り文句に誘われて予備知識もないまま軽い気持ちで観たら、全編を通した未体験の熱量に打ちのめされ眩暈した。CGもVFXもない時代のリミッターカット。マジでヤバい。

「バスターのバラード」切なさと皮肉が西部劇の中で散りばめられる短編集。それぞれの関連性を考えたり、日本的なオチを期待してると少し物足りなく。そうか!コーエン兄弟だったって思えば楽しめる、かな。

「ピアソラ 永遠のリベルタンゴ」ピアソラを聴く時間がこれまで以上に豊かなものに思える一本。

「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ - 不滅の女」いわゆるファムファタールものだけど表現が斬新。まさに温故知新!

「ROMA」キュアロン監督の罪の意識、カメラワーク、そしてラストの溢れんばかりの愛に打ち抜かれた。