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おりにふれるたび

わたしは わたしの心を 識らない 
いいや、自らの心を奥底まで識っている人なんて、そうはいない。
だから、わたしの心の深いところに沈んでいる澱のような物が、
いったい何であるかなんてさっぱり想像がつかない。
ただ、間違いないのは、わたしは今少し濁っていて、
その濁りが煩わしいと気づけたこと。

だからわたしは、ちょっこし短い旅に出ることにした。
目的は、「本を読むこと」

買うときは読みたかったはずなのに、もう何年も積んである、
わたしの感性を揺すった何冊かの本。
あのとき揺れた感性を、もう一度揺らす旅。

綿密な計画も立てず、ただゆっくりと、
立ち止まることを楽しめるような時間を過ごしに。


余りの無計画さに、軽井沢が寒いことに気づいたのは出発前日。
仕事終わりに慌ててユニクロに行き、閉店10分前だったので、
目についた服をバンバンかごに入れる。

その後は本屋さん。
家にある本だけじゃなく、今日のわたしの心に触れた何冊かを購入。

カードで支払いを済ませ、車に戻ってレシートを見ると本と服で3万円……
もっとしっかり考えて買い物をすれば良かったと公開したけれど、
普段もっとしっかり考えているから、
今日くらいはしっかりしていない方がバランスが取れているはず。
そう言い聞かせて買ってきた物をカバンに詰める。

さて、それでは、わたしのこころの
おりにふれるたびに、いってきます。




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