口内調味って言う人間が嫌い
突然であるが、味の感想を言うとき口内調味という言葉を使う人間が大嫌いである。(そういう人間とは、僕の知り合いの2人のことを指し、あなたの知っているその人のことを言っているわけではないのだ。)
口内調味(口中調味)とは、ご飯や主菜、副菜を一緒に食べて、口の中で混ぜ合わせて食べるということである。要は小学校で教わった三角食べと同じことである。
この行為自体は、僕も普段の食事でやることであり、その行為自体を否定するつもりはない。むしろ僕は肯定派である。
しかし、料理の感想などをいう際「これとこれを口内調味してみると、実にうまい」などどほざく連中は僕は大嫌いである。
どうしてわざわざ「口内調味」などという、わざとらしくて、エラソーなおさまりの悪い四文字熟語を使うのであろう。
素直に「一緒に食べると、おいしかったよ」などと言えばいい所を、そういう表現を使う所に、「オレは分かってる」感、「オマエらとはちがうぜ」感、「オレは食リポがうまいなー」感が透けて見える気がしてしまうのである。
だいたい、「口内調味」などということによって、一緒に食べるという行為をことさらに強調することによって、したり顔で物を頬張り、クチャクチャやってるソイツが想像できてしまい、不快感すら覚える。
一緒に食べることを、それっぽい漢字表現にすることでいかにもタイソ―な感じにし崇拝している馬鹿野郎なのである。
それゆえ、そういう人間をみると腹が立つのである。
もっとも、腹が立つと言っても、多少、ムッとする程度である。
それは相手が人間だからであり、実力行使に出てしまうと差し障りがあるからというだけなのだ。
例えば、喋る蚊がやってきて、僕の耳元で
「さっき吸ったオッサンの血と、お前さんの血を口内調味するとじつにウマかったブーン」などと言おうものならば、即座に僕は怒れる青年男性となり、即座に叩きつぶし、ライターで燃やしてしまうところである。そのぐらい、そういう発言が大嫌いなのである。
ここまで乱暴な言葉でソイツらをやっつけてきたわけであるが、例外もある。
例えば僕の好きな、かなりいい加減で、いい意味で軽い先輩が、
「いいか○○ちゃん、このお酒と燻製チーズを口内調味してみると実にうまいんだよ、アハハハ」
などとのたまえば、「そうなんですねー、もっと食べちゃってください」と言って一気にニコニコほほえみ人間になってしまう。
結局、僕が腹立たしいのは、「口内調味」と言う人間なのではなく、気取って気持ち悪い物言いをする、エセグルメ野郎なのかもしれない。
まあ、どうでもいいんですけどね。
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