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プレゼントの贈りかた

母の日に、花を贈った。
父の顔を立てるために、あえて数日遅れて届くようにした。

今年は、お花屋さんに母のイメージを伝え、見繕って加工してもらった。
オレンジとピンクを中心に、いい意味で適当にまとまっていて、うちの母らしい雰囲気に仕上がり、想像以上に気に入ってもらえた。

毎年義務感のようなもので無思考に買っていた赤いカーネーション以上に、母に贈るにふさわしい贈り物ができたと思う。

実は、今まで僕は贈り物が苦手だった。
家族や友人への誕生日はメッセージで済ませ、恋人へのプレゼントも、欲しいと言っていたものを買うようにしていた。
けれど、今年の母の日で、プレゼントを素敵にする方法少しだけが分かった気がする。
そのヒントは、僕がプレゼントを贈る理由を探したら見つかった。

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プレゼントを贈るとき、僕らは何を考えているだろう。言い換えれば、どうして僕らは人にプレゼントを贈りたいと思うのだろう。

今回の僕の場合は、ずっと育ててくれた母への「感謝」と「愛情」であった。
他にプレゼントを贈る場面を想像すると、「祝福」「友情」「尊敬」「激励」……
そして、「これからもよろしく」というメッセージ。

憎しみながら”プレゼント”を渡す人はいない。
プレゼントには、明るく前向きな美しい感情が込もる。
プレゼントのイデアは、いかなるときも善いものにたどり着くのだ。

プレゼントの価値を決めるものが、受け取った人がどれぐらい感動したかだとしたら、もっとも心を動かすのは、美しいメッセージが強く込められたプレゼントではないだろうか。
そのメッセージは、僕らの心の深いところにあるほど、強くて、真っ直ぐで、ピュアな形で届くと思う。

「プレゼントは、選ぶ時間こそ最高の贈り物」と言われる理由が、やっと分かった。
プレゼントを選ぶ過程で、自分が相手に抱いている感情を探し当てる。できる限り深く、純粋な感情を。
そして、どんな感情やメッセージを伝えたいかが見えたら、それを込めるのに適切なプレゼントを探したり作ったりする。
「どうやったらこのメッセージが伝わるかな」「このプレゼントで伝えてもらえたら喜んでくれるかな」そんなことを考えながら、ああでもないこうでもないと悩んで、納得いくものを選びぬく。
このプロセスを経てはじめて、相手の心を動かし、喜んでもらえるプレゼントができるのだ。

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相手に対する前向きなメッセージを、できるだけ深く、ピュアに込める。
そうして選ばれたプレゼントが、最高に自分らしくて、心の込もった、贈るのにふさわしいものになるのだろう。


実家に帰ったら、今年贈った花の話をしてみよう。もう一回母と僕の暖かい感情を共有できるように。


(追記)
一番深いところにある感情が心を動かすというところを書いていて、以前書いたのnoteを思い出したので、よろしければこちらもご覧ください。(思想を込めたものづくりこそが人を感動させると考えた経験について書きました)



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