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食べ物の好みって保守的

食べ物の好みってなかなか変わらない。

ジャガイモが新大陸から伝えられた当初、ヨーロッパでは食べるのを嫌がる人が多かったらしい。気持ち悪いといわれたそうな。

パンとぶどう酒という、宗教的な部分も大きかったんだそう。ただ、なんといっても、天候に左右されやすい小麦より、収穫量が安定しているのがジャガイモ。ジャガイモが食べられるようになってから、ヨーロッパの食糧問題が落ち着いたのは紛れもない事実のようです。

上の本で詳しく書かれていますが、ジャガイモってほんとうに素晴らしい作物だと思います。農林水産省の試算でも、日本の国内生産だけで食料(必要カロリー)をまかなおうと思ったら、ジャガイモを増産することになるらしい。イモばっかり食べるのは悲しいけど、いざとなれば限られた農地でも腹を満たせる手段があるというのは心強いことでもあります。

まぁ、よく考えると、種芋を増やすのに時間がかかりすぎるだとか、肥料はどうするのとかいろいろありますが。

そういえば、ジャガイモって品種によって、味というか食感がかなり異なりますよね。男爵いもは煮崩れしやすいんだけど、ホクホクして独特の風味があります。北海道のある程度以上の年代はジャガイモ=男爵いもといった感じで、食べ比べなんかすると男爵いもが一番人気です。私も、男爵いもを食べると、懐かしくほっとするところがあります。きたあかりはちょっと甘すぎる。

ただし、子供の頃から男爵イモに慣れてきた人でなければ、ほかのイモだってじゅうぶんおいしく感じられるようです。

あくまで好み、慣れなんですよね。

子供の頃からなじんだ味覚って融通が利かなくて、とても保守的ですね。

 私は、赤飯なら金時豆の甘納豆が入っていないと認めない。

 私は、茶碗蒸しには甘栗のシロップ漬けが底にあるはず。

 私は、お雑煮ならあんこ入りの丸餅。

内陸の農家出身なので、野菜類で嫌いなものはなく、セロリ、春菊、ピーマン、ニラ、にんじんなんでも大丈夫なんですが、子供の頃にあまり食べてこなかった魚介類は結構苦手なものがあります。魚と言えば干物か塩漬けだったなぁ。

魚の煮付けは、全般にあまり「おいしそう」と思ったことがないです。あと、ちょっと鮮度が落ちてきた海産物全般の匂いが苦手で。

なんでしょうね、保守的ですね。おなかを壊したことがあるわけでもないのに。


オーガニックにこだわるとかもそういうものかもね。科学的には差異がなくても食べる側の精神的な安心感、プラシーボ効果のようなところがあるのではなかろうか。