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本の記録

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2020年9月の記事一覧

つまらない国語の時間も悪くはなかった

国語の授業ってあんまり熱心に受けていた記憶がない。教科書を順番に朗読させられたけど、正直…

「大勢の中にいる孤独に安堵する」

「新装版」の新書として売られている吉本隆明氏の『ひきこもれ』を読んだ。 吉本隆明というと…

『ポーツマスの旗』吉村昭

凄かった。調査資料や証言を丁寧に繋げて構築したものと思われるが、その説得力が凄まじい。 …

『鳩の撃退法』は鳩の生態を記した本ではなかった

連休を使って何を読もうかと、「未読の本棚」から何冊か引っ張り出した。どれにしようかと、さ…

『恩讐の彼方に』菊池寛

ああ、こういう話だったのか。 親の仇を赦す話だというのは、なんとなく知っていたけど、やは…

『夏目漱石を読む』を読むために夏目漱石を読んでいる

夏目漱石を少しずつ読み進めている。 書店で手にした、吉本隆明の『夏目漱石を読む』が面白そ…

『ノラや』内田百閒

古本屋で手にしたとき、明らかに猫の毛とおぼしき白い毛が挟まっていた。 猫のことを書いた本に、猫らしき毛、これは読まねば。 猫の描写はその仕草が目に浮かぶよう。悲しい出来事に、驚くほど泣いてしまう著者がかわいらしいといったら失礼だろうか。悲しみの日々がそのまま綴られている。 失踪した猫と、最期を看取った猫、両方の悲しみを抱えながら、でも最後まで看取った猫の方は、著者の心情というか悲しみの度合いが少し違うように感じられる。「看取った」ことで昇華された感情があるのかもしれない

『三四郎』雑感

夏目漱石の『三四郎』を読んだ。田舎から都会に出てきた大学生。なんだか自分のあの頃を思い出…

『歴史上の本人』南伸坊

南伸坊さんと糸井重里さんの対談『黄昏』を読んで、南伸坊さんの『本人』シリーズが読みたくな…