『ポーツマスの旗』吉村昭

凄かった。調査資料や証言を丁寧に繋げて構築したものと思われるが、その説得力が凄まじい。

手にしたきっかけは、司馬遼太郎の小編『ポーツマスにて』で紹介されていたから。

この本にある日露戦争からポーツマス条約締結に至る経過は、間違いなく日本の歴史の転換点の記録と言えるだろう。

吉村昭氏の小説は「歴史小説」というだけではなく「記録小説」という呼び方もあるとのこと。

交渉の緊張感、交渉の前の下準備、そして情報の如何に大事なことか。

国際交渉の後の、日本国内での暴動の記述は衝撃を受けた。その後の日本の進路は、もしかしたら必然だったのかもしれない。

いろいろ考えさせれられる、すごい本でした。

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